防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2009年2月15日号
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平成21年地上救難訓練始め
《徳教群》
初めて除籍機を使用
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 海自徳島教育航空群(群司令・山本克彦1佐)は1月6日、「平成21年地上救難訓練始め」を実施した。
 今年の訓練始めは、地上救難訓練用に改造した除籍機(TC―90型航空機6802号機)を使用した初の訓練でもあった。6802号機は、昭和49年5月に配備され、平成15年に耐用命数を終え除籍、徳島航空基地正門前で展示機として第二の人生を送っていたが、昨年11月、展示機が更新されたことから、地上救難訓練用教材として地上救難車庫前に設置され、第三の人生を歩むこととなったものである。
 訓練は、群司令の「かかれ」の令とともにエマージェンシー・ベルがけたたましく鳴り響く中、「TC―90 6802号機着陸失敗、火災発生、1名が機内に取り残されている模様」との想定で始まった。待機中の地上救難員8名が直ちに防火衣を装着、MB―1型化学消防車に乗車し、サイレンの音を響かせながら緊急出動。訓練現場に到着するや否や、機体目掛け、ターレット(消防車前方上部にある放水口)から初期放水、救助口付近の火炎を制圧しつつ、救助員が勇猛果敢に機内に突入、負傷者1名を救出し応急処置を実施。
 その後、火災は鎮火し、「残火及び残室者なし、再燃の恐れなし」を確認し、一連の訓練を終了した。
 訓練終了後、群司令が「本訓練を通じ、地上救難員の練度の高さを確認することができた。今後も、本機体を利用した訓練を通じて、より実動に即した救難態勢の維持・向上に努めよ」と訓示した。
 また、地上救難班長の竹田政彦3尉は「本物の機体を利用することにより、格段に訓練の質と効率の向上が図られた。本教材の設置に尽力して下さった関係者の恩に報いるためにも、大切に維持管理するとともに全幅活用を図り、更なる精強・即応態勢の向上を目指し訓練に励みたい」と、今後の意気込みを力強く語った。


HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
I enjoyed every minute of the movie
アイ インジョインド エヴリ ミニッ アブ ザ ムービー
その映画は、何処をとっても楽しかったよ
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 皆さん。How are you doing? 如何お過ごしでしょうか?関東地方は、相変わらず厳しい寒さがつづいていますが、時折、優しい風が吹いているのを感じます。インフルエンザも猛威を振るっています。インフルエンザは、突然高熱が出て、節々が痛くなるという症状だそうです。早期受診が一番ですね。
 さて、今回の表現は、“I enjoyed every minute of the movie"「その映画は、何処をとっても楽しかったよ。」です。直訳すれば、一分ごとに全編に亘ってということになります。映画を見た後に、色々と感想を聞かれるときに、“I like it"「好きだわ」、“a lot of fun!"「楽しかった」のほかに使えそうですね。日本人はなかなか具体的な話題で話をつなげないところがありますので、色々な表現を用意しておくと便利です。映画には、色々な表現がでてきますね。字幕を見ながらでも、英語のフレーズが聞き取れるようになると、面白さも倍増します。英語の学習には良い教材となります。
 梅の花が咲いています。沖縄では、避寒桜が満開だそうです。1月の冷え込みで桜も目を覚まし、春の準備を整えています。開花が楽しみですね。ストレスのない、楽しく陽気な生活をお過ごしください。それでは、皆さん。See ya! 〈スワタケル〉

イラク派遣を終えて シリーズ
空自第1高射群本部 空曹長 福井和也
米軍医療群と“英語"で対応
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 この物語は平成19年師走のある日、年末休暇に入る隊員も出始めた頃、中部航空方面隊司令部医務室から送られた1通のFAXから始まりました。内容は、第16期イラク復興支援派遣輸送航空隊へ中空隷下部隊から衛生特技員1名を派遣させるための調査でした。
 すでに中空隷下で衛生特技員が配置されている部隊は、複数回隊員を派遣している部隊もあり、第1高射群もそろそろ差し出し要請が来る頃だと感じていました。正式に要員指名があり健康診断が始まったのが3月でしたが、事前教育の始まる6月までが異常に長く感じ、実際に派遣されるという実感もなかなか湧いてこない状況でした。その間過去に派遣経験のある隊員から現地の生活環境や勤務状況などを情報収集し、少しでも不安の対象を減らすことができるように努めました。
 8月18日、いよいよ新たな任務に対する期待と不安を乗せた翼は、一路派遣の地クウェートへ向け出発し順調に飛行を続けました。
 クウェートに第一歩を踏み出した朝の空気は思っていた以上に涼しく、本当の砂漠の環境を思い知らされるのはアリ アル・サレム基地に到着してからでした。ここの暑さは真夏にたき火に当たっているくらいの暑さで、着ている砂漠迷彩の作業服が焼けているように感じる程の暑さでした。また、夜間に懐中電灯で闇夜を照らせば、大気中を漂う砂埃がきらきらと明かりに反射して舞っているのがよく見えるくらい非常に空気が乾燥していました。
 さて、このような自然環境下での衛生隊業務は、傷病者への対応、隊員の健康管理、メンタルヘルス及び関係施設の防疫等のほかに不測事態に備えた待機等が主な任務でありました。
 いつもは目立たないことが一番の衛生隊ですが、16期衛生隊としての運用初日から出動する場面に遭遇し、患者を同じ基地内にある米空軍衛生隊に受診させました。驚いたのは米軍の対応でした。患者は精密検査のため、米空軍プロトコールに従って基地外の米海軍病院へヘリコプターで瞬く間に搬送されて行ってしまいました。展開慣れしている米軍の手際の良さには、自衛隊も米軍に見習うことがまだまだあるなと感じた初日でした。
 また、9月のある朝、体調不良を訴える患者さんの精査のため米軍衛生隊を受診させたところ、検査データを転送した米海軍病院から精密検査のお誘いを受け、CT検査等の結果、虫垂炎であることがわかりました。翌朝、私は付き添いのために同行していた派遣隊医官と交代するために、急遽、病院へ向かいましたが、病院施設でのやり取りはもちろんすべて英語での対応で、日本での病院実習や駅前留学でも経験できない貴重な経験をする機会に恵まれました。
 それからというもの勤務の合間をみては、病院対応用の英会話雑誌などで学習し次回に備えました。その成果もあり簡単な患者さんとのやり取りや、応急処置時の英語による状況判断及び指示伝達など米軍医療群との訓練にも参加できる程度の会話能力を身に付けることができました。
 今こうしてイラク復興支援派遣輸送航空隊の最終期としての勤務を終了し、派遣期間中を振り返ってみると、やはり身をもって経験することがいかに重要であるかということを再認識させられ、次に派遣される機会がありましたら今回の経験を生かすことができるよう頑張りたいと思いました。また、インド洋上では海上自衛隊が悪環境の中、危険を顧みず日本国民の負託と国益を守るため勤務していることを思うと、我々同様任務完遂後全隊員無事に帰国できることを祈らずにはいられませんでした。
 最後にこの派遣にあたり、不在時を守っていてくれた職場の上司や同僚、そしてご支援、ご協力を頂いた数多くの方に感謝するとともに、特に長期の派遣にもかかわらず、快く送り出してくれた家族に感謝したいと思います。


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