防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年9月1日号
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迫真の実弾射撃
富士総合火力演習
富士学校・教導団基幹に2400隊員参加
暗視装置や照明弾を使用した夜間演習も
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 耳をつんざく戦車砲の轟音、唸りをあげる迫撃砲弾、電光石火の早業で現れる航空部隊―平成20年度富士総合火力演習が昼間・夜間の予行、教育演習や一般公開も含めて、8月19、21、23、24日の4日間にわたり、陸自東富士演習場畑岡地区で行われた。4日間で一般市民ら約9万人余りが迫真の訓練展示を見学した。
 この演習は、富士学校の学生教育の一環として陸自が保有する各種火砲・火力等の効果を現代戦における火力戦闘を認識するとともに、広く国民の理解を得ることを目的とし一般公開されている。富士学校(学校長・内田益次郎陸将)、富士教導団(団長・塚田章陸将補)を基幹に人員約2400名、戦車・装甲車、各種火器・火砲、航空機など多数の装備品が参加し、緊迫の火力戦闘訓練を展開した。
 予行も含めて24日に行われた一般公開では、毎年大好評の防衛ホーム「号外」を見入るなどして演習時間を待っていた。
 また、同日は、林芳正防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、国会議員、各国駐在武官らの来賓とともに市民が見学した。富士総火演は午前10時すぎから、演習の前段となる陸自の主要装備品紹介が開始された。まず、航空火力の展示がなされ、演習場のはるか遠方からF―2支援戦闘機が瞬く間に飛来し、対地攻撃を行うと観客席からは歓声があがった。続いて特科火力ではりゅう弾砲の射撃展示が紹介された。100分の1秒単位の射撃精度を要求される富士山形の同時弾着では、大きな拍手が送られた。
 中距離火力・近距離火力と高度な火力戦闘能力が示されていき、なかでも新たに装備品に加わった対人狙撃銃による500m先の小皿を一発で見事撃ち抜く展示には会場から驚きの声があがった。ヘリ火力、戦車火力と続き、前段最後は習志野・第1空挺団員による空挺降下展示で、自由降下の6名は上空2千mから見事会場前に降下、拍手が沸き起こった。
 後段までの休憩時間には礼砲隊と東方・富士学校の共同音楽隊による「大砲コンサート」が観客を楽しませた。後段は、「攻撃の場を通じた諸職職協同の戦闘様相の展示」をテーマに開始され、航空偵察やヘリボン行動に続き、攻撃演習が行われた。りゅう弾砲、迫撃砲、戦車、装甲車などが統制のとれた実弾射撃を実施、会場にはすさまじい射撃音が鳴り響き、緊張感に包まれた。
 地上と上空の全部隊が集結、発煙弾の白く大きな煙が立ちのぼるなか、敵陣へ総攻撃が開始され、演習のクライマックスを迎えた。
 夜間演習は、夜間における射撃及び防御時の火力戦闘を認識する目的で行われている。装備品の紹介では、各種暗視装置や照明弾のもとで実弾射撃が行われ、照明弾の明るさにはどよめきも聞こえた。続いての防御戦闘では、特科部隊による敵陣への攻撃準備破砕射撃や普通科及び機甲科部隊による敵部隊に対する突撃破砕射撃が展示され、暗闇に包まれた演習場に何条もの閃光(せんこう)が走り、緊迫感に充ちた訓練展示を終えた。


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