防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年7月1日号
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奉仕活動で地域貢献
《武山分基》
恩返しの気持ち込め清掃行う
喜ぶ住民の姿も
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分別に悩みながら懸命に作業する隊員
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 空自武山分屯基地(司令・倉本昌弘2空佐)で創設44周年記念行事が開催された6月14日、記念行事の一環として約80人が武山分屯基地の隣にある富浦公園の清掃活動を行なった。
 地域への恩返しの気持ちを込めた初めての試みで、地域のボランティアグループの指導のもと公園内のゴミを拾う。缶やゴミを拾い終わると誰からともなく草むしりが始まった。海岸に隣接しているこの公園には漂流物も数多く、可燃物か不燃物かそれ以外かの分別に悩む場面も見られた。
 「カニを取りに来たけど、海岸が綺麗になって遊びやすい」と喜んでいたのは5人で遊びに来ていた小学生。毎日公園に来ているという老夫婦は「ありがたい事です。さすが自衛隊さんですね」と大絶賛だった。
 分屯基地司令の倉本2佐は、「地元の海岸や公園がきれいになると気持ちがいい。地元の一員として今後も奉仕活動をしていきたい」と話している。

留学生が異文化交流
〜料理教室の講師に挑戦
《富士学校》
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「食」を通して親交を深めた1日に
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 陸自富士学校(学校長・内田益次郎陸将)では、4月から普・特・機幹部上級課程(BU)にイスラム・パキスタン共和国から3人、大韓民国から3人の留学生を受け入れている。慣れない土地で日本の文化等に触れ、少しずつ土地に馴染んできた6月8日、小山町国際友好協会が主催する料理教室に留学生とその家族が「講師」として招かれた。
 料理教室には、小山町在住の女性や近隣高校に通うオーストラリアからの留学生など、総勢31人が集まった。アタ・ウラ・サジャド夫妻の説明で日本人にも親しみやすいパキスタン料理を、イ・ハンウ大尉夫人とイ・サンチョル大尉が韓国料理をそれぞれ教え、2カ国、計4品を参加者が協力して調理した。
 作業は流暢な日本語で説明され、参加者は習慣や風習の違いに驚きながらも、食を通じて知った彼らの母国の話に熱心に耳を傾けていた。
 言葉の通じない子供たちは、お互いに身振り手振りでコミュニケーションを図り、楽しそうに遊んでいた。自分とは「違う」ものを受け入れることの大切さを感じることができた一コマだった。
 富士学校広報では、「彼ら留学生家族には、もっと沢山の思い出をつくってもらって日本とパキスタン及び韓国の架け橋となって欲しい」と期待している。

AED取り扱い等の衛生教育を実施
《小平学校》
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 小平学校(司令・榊枝宗男陸将補)は5月23日、救急救命士である衛生科隊員からAED(自動対外式除細動器)の取り扱いなどについて教育を受けた。小平学校では中央病院において普及教育をするための教育を受けており、衛生教育として四半期に一度、教育を実施して小平学校全職員が受講する予定となっている。
 「この教育は体験コース。全隊員がAEDに一度は触れて、その取り扱いを経験してもらいたい」と教官は語る。この日も参加者ほぼ全員が人命救助の実演を実施した。AEDは一般市民でも使用が可能で、駅やスーパーなどでも目にするなど存在自体は知られているが、実際使用方法が分からなければ、事態に直面したとき「使おう」という意思にはつながりにくい。教育に参加した隊員は「一度経験しているのとそうでないのとでは、その場に直面したときの行動に違いが出ると思う」と話している。
 小平学校広報では、「AEDはあくまで補助器具。人工呼吸や心臓マッサージが重要なのは変わりない。併せて教育を実施したところ、以前と方法が変わっている部分などに目を丸くする者もいた。人の記憶は時間とともに曖昧になる。定期的に教育していくことが大切である」としている。

雪月花
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 警察庁の発表によると昨年1年間に全国で自殺した人は3万3093人になり、10年連続で3万人超を記録した。平成10年の2万4千人から11年の3万3千人に一気に増加してそのまま10年間3万人台が続いている。動機は仕事疲れ、職場の人間関係、経済生活問題など推測されているが本当の悩みは本人でなければ分かるまい。防衛省・自衛隊にもこの問題は当てはまる。ある部隊に行った時「ストップ・自殺」のポスターを見たときには正直びっくりした。大きな問題になっているのだ。ここ数年の自衛隊の自殺者数は80人から85人と言われている。27万人の中の80人が多いか少ないかなどと評論する問題ではもちろんないが、今回の発表で最悪の県では10万人当たり39人だった。言い換えればその県では2560人に一人になり、自衛隊では3400人になる。自分の全てを断ち切るのだから悩みに悩み考えに考えての結果だろう。だが悩みが大きければ大きいほど問題を一人で解決することはむずかしい、まず傍にいるだれかに話してみることだ。初めは恥ずかしい、笑われる、職場はゆるしてくれるだろうか、些細なことで躊躇しているのではないか。いちど口火を切れば一気に話せるし気持ちがうそのように軽くなる、なんでもそうだ。この歳になってから気がついたことである。共済組合でも「あなたのサポートダイヤル」0120―184―838で24時間悩み相談を受けている。(所谷)

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