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自衛隊ニュース   2008年4月15日号
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指揮通信システム隊が新編
情報シス管理、サイバー攻撃対処など行う
統合運用能力を強化
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 統合運用を情報通信の面から支える初の常設部隊である指揮通信システム隊の編成完結行事が3月26日、防衛省大講堂で行われた。
 式典では、初めに糸永正武司令が編成完結報告を行い、続いて齋藤挙摶拠キから隊旗が授与された。齋藤統幕長は訓示の中で、同隊の担う任務を「防衛力を統合的かつ有機的に運用するために必要不可欠な基盤」と述べた上で、隊員に対して『常設の統合部隊の先駆けとしての自覚を持て』『積極進取の気概を持て』『部隊として一致団結せよ』の3点を要望した。
 指揮通信システム隊は、これまで統幕が果たしてきた中央指揮所(CCP)と防衛情報通信基盤(DII)の維持管理業務などを引き継ぐとともに、サイバー攻撃発生時の通信機能の回復等の任務を担う。人員は約160人で、管理業務を行う隊本部、DIIの維持管理及びサイバー攻撃に対処するネットワーク運用隊、DIIに接続する情報システムを監査する保全監査隊、CCP等を管理・運営する中央指揮所運営隊で編成される。

コスト抑制策など総合取得改革の報告書公表
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 総合取得改革推進プロジェクトチーム(チーム長・寺田稔防衛大臣政務官)は3月28日、10回にわたる会合で検討されてきた施策を取りまとめた報告書を公表した。
 昨年10月、石破大臣から出された「総合取得改革の加速に関する大臣指示」により設置された同プロジェクトチームでは、装備品取得をめぐるコスト抑制の課題と調達の透明性・公平性の向上などについて話し合われてきた(写真)。
 公表された報告書では、一般輸入調達問題への対応、装備品のライフサイクルコスト(LCC)管理の強化、コスト抑制のための達成目標の設定などについて書かれている。一般輸入調達問題では、輸入調達に係る過大請求などの事案を挙げ、その対応策として、チェック機能の強化、海外製造メーカーとの直接契約、装備施設本部の組織改編、過大請求事案に対する制裁措置の強化などを打ち出した。
 また、装備品のコスト面に関しては、主要装備品のLCC管理を来年度から全面的に導入するほか、コスト抑制のための達成目標を5年以内にコスト縮減率15%とするとしている。
 なお、報告書の内容は防衛省ホームページ(http://www.mod.go.jp)で見ることができる。

講習で心肺蘇生法とAED使用法を教育
《徳島教育航空群》
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 徳島教育航空群(司令・角田伸吾1海佐)では2月4日から27日の間、体育時の安全確保を目的に隊員約400人に対して心肺蘇生とAED(自動式体外除細動器)の講習を実施した。
 徳島は冬季でも晴天が続く気候温暖な地であるため、多くの隊員が日頃からジョギングやウォーキングなどで汗を流し、体力づくりや健康管理に積極的に取り組んでいる。そのような中で、万が一の体育事故に備えるため、誰もが救助者になれるように心肺蘇生とAEDの使用法の教育が行われた。
 講習では1回あたりの受講者数を20人までとし、心肺蘇生訓練人形4台とAED訓練器1台を使用した。最新の心肺蘇生法(2005年ガイドライン)を衛生員が説明と実演を交えながら指導した(写真)。
 講習に参加した隊員らはみな熱心に受講し、「心臓マッサージと人工呼吸の回数比は302ですか。昔、習った時とは大分違いますね」「AEDは、スイッチを押して音声指示に従えばいい事が分かりました。取扱いについては、落ち着いて行えば難しくありませんね」などの感想を述べていた。講習終了時に「救助者として自信がついた人はいますか」と衛生員が聞くと、多くの隊員が手を挙げた。

エイシン競技会開く
《板妻駐屯地》
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 第34普連(連隊長・三浦直人1陸佐)は3月27日、東富士演習場で平成19年度第6回エイシン競技会(81mm迫撃砲操砲)を実施し、初級陸曹の実員指揮能力及び上・中級陸曹の計画立案と訓練指導能力の向上を図った。競技会は中隊選抜の迫撃砲特技保有者を対象に、分隊対抗で行われた。午前7時、競技計画立案者第1中隊平野1曹の統制で競技が開始され、統裁官をはじめ中隊長応援隊員が各分隊に大きな声援を送った。各分隊長は適時適切な命令と号令で分隊員を指揮し、迅速に陣地進入をさせ仮据砲を実施、敵を警戒しつつ速やかに主陣地の掩体構築を開始した。午後1時までに全ての分隊は掩体構築を完了した。引き続き「操砲の部」が開始され、射撃号令に応ずる動作の採点を競技審判員が厳正に評価した。
 競技の結果は、特に砲手試験の小移動及び大移動などの操砲で能力を発揮した第2中隊が優勝した。

雪月花
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 4月からの医療保険制度の改定で75歳以上の人を後期高齢者と呼ぶようになったそうだ。だれがこのような名前をつけたか知らないが、ひとの心を理解できない若い担当官が付けたのだろう。適齢期まですこし余裕のある筆者も不愉快極まりない言葉だと感じる。人生には年齢制限はないのだから、いつまでが前期でいつからが後期かわからない、神のみぞ知るだ。これを天命という。もっと歳がいけば末期高齢者と呼ぶようになるのかもしれない。人は必ず老いる、そのことはよそから言われたくはない、自分自身で自覚してくる。「あなたは今日から後期高齢者ですよ」「ほっといてくれ」。石原東京都知事も自嘲気味に自分のことを後期高齢者ですからとテレビで苦笑いをしていた、文章や言葉の専門家もひっかかりを憶えたのではないか。と、憤っていたら福田総理から「後期高齢者」ではイメージが悪いとクレームがつき「長寿医療制度」と併用することになったようだ。福田総理(71)も自分のことを間も無くこのように呼ばれることが愉快じゃなかったのかもしれない。しかし、体面をつくろったところで人の機微を理解できず感情を持たない官僚の造語は1300万人の高齢者をきずつけた。政策に一番愛情が求められるのは厚生行政のはずだ。(所谷)


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