防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年3月15日号
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警察との共同実動訓練
九州所在県警、4・8師団が参加
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 陸上自衛隊と九州所在県警の共同実動訓練が行われ、第4師団は長崎、佐賀、大分各県警と、第8師団は熊本、宮崎、鹿児島各県警とそれぞれ相互の任務分担・連携要領確立を図った。訓練は部隊輸送、検問、重要防護施設の警備などを課目として、各県の警察とその県に所在する普通科部隊が共同して行った。

 第4師団(師団長・宮島俊信陸将)は2月13日、大村駐屯地で自衛隊・警察両機関から約300人が参加し、長崎、佐賀及び大分各県警察との共同実動訓練を実施した。訓練には、第16普通科連隊、第41普通科連隊、第4特科連隊が各県警との共同実動部隊として、第4飛行隊及び西部方面航空隊が航空支援班として参加した。
 開始式では、宮島第4師団長が両機関を代表し、「武装工作員等により、国民の安全が脅かされる事態が発生した場合、被害を最小限に抑え、早期に事態を収拾し、国民の安全を守ることが警察及び自衛隊の任務である。迅速的確に共同対処し得るよう任務分担・連携要領を明確にし、平素から訓練を積み重ね、実行性を確保しておくことが重要である」と挨拶するとともに、両機関に対し、「相互の任務・役割・能力の理解」「法令・規則に基づき、持てる能力の最大限発揮」を要望した。また、緊急部隊輸送における警察の先導による検問地域への部隊移動及び多くの離島を有する長崎県の特性を踏まえた自衛隊ヘリによる警察の増援部隊輸送の様子が報道機関に公開された。
 第8師団(師団長・君塚栄治陸将)は2月19日、熊本、宮崎、鹿児島の3県警察との初の共同実動訓練を実施した。自衛隊側統裁官を第8師団長、警察側統裁官を熊本県警察本部長とし、第42普通科連隊、第43普通科連隊、第12普通科連隊から約200人が、3県警察からは機動隊を中心に約230人が参加した。
 航空輸送では、UH-1ヘリ2機により、自衛隊及び機動隊隊員がリペリングで降下し、地域安全を確保後、CH-47ヘリに搭乗した警察のオフロードバイクと機動隊隊員が降着、偵察・警戒にあたった。陸上輸送訓練では、警察の白バイとパトカーの先導で自衛隊車両の先導及び一般車両の統制を行った。


第11対戦車隊、豪雪の倶知安で訓練
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 豪雪で有名な倶知安駐屯地に所在する第11対戦車隊は2月6、7の2日間をかけて、羊蹄山麓及び駐屯地内においてスキー機動訓練及び雪崩遭難者救助訓練を行い、冬季行動能力の向上を図った。
 訓練初日、晴天ながら最低気温が氷点下20度を下回る厳寒の中、隊長以下61名の隊員は高嶺演習場を出発、駐屯地までの約9kmの道のりを前進した。途中、斜度30度を越える斜面ではスキー練成の成果を遺憾なく発揮し、山麓の林道沿いを駐屯地まで整斉と行進当日の訓練を終えた。翌日は、施設中隊の支援を受けて雪崩事故により発生する「デブリ」と呼ばれる雪山を作り、雪崩による遭難者救助訓練を実施した。隊員は、雪をかき分け大きな声で呼びかけながら、ゾンデ棒と呼ばれる3mほどの棒で遭難者を捜索する要領を演練した。この際、マネキン人形を埋めたところに断面を作成して、ゾンデ棒の感覚を体験させ、捜索精度の向上を図った。
 第11対戦車隊では、昨年12月に冬季の遭難者救助の災害派遣に出動しており、これから雪崩の多い時期を迎え、隊員らは訓練で気を引き締めた。

相馬原で即応予備自招集訓練を行う
《48普連》
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 第48普通科連隊(連隊長・飯盛謙一1佐)は2月8日から11日までの間、相馬原演習場で即応予備自衛官招集訓練を実施し、相馬原、高田、松本、新発田、宇都宮各駐屯地から即応予備自衛官173人が参加した。
 この訓練は、各中隊が基礎となる部隊以下の行動を演練し、訓練練度の向上を図るとともに、連隊直轄小隊である施設小隊・衛生小隊は、「攻撃における各小隊の行動」を課目として訓練検閲を受閲した。
 各中隊は、中隊長の指揮の下、それぞれ空中機動による降着地域への降着から、接敵行進、集結地の安全化・占領、昼夜間の偵察活動、障害処理、陣地攻撃の一連の行動について演練した。施設小隊は、行進・集結地の占領に続き、障害の偵察、作業拠点の占領、陣前障害の処理による通路の開設を、衛生小隊は行進、連隊収容所の開設・運用、後送業務及び治療業務を両連隊直轄小隊とも第3中隊と連携して実施し、日頃の練成成果を発揮した。
 小隊訓練検閲終了後、検閲官の飯盛連隊長は講評の中で、「小隊長を核心とした団結・規律・士気の高さを目のあたりにするとともに、現時点において必要な練度を保持していることを確認し、連隊長として心強く感じる。今後引き続き、小隊としても更に練度向上させるよう益々精進することを期待する」と述べた。

ヘルシー・ソサエティ賞(公務員部門)
安藤准空尉、防衛省として初受賞
救急救助教育で貢献
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 空自第27警戒群所属の安藤富夫准空尉は、よりよい明日と人々の幸せを願い、健康、地域社会の福祉、生活の質の向上に指導的役割を果たし貢献した人に与えられる「ヘルシー・ソサエティ賞(公務員部門)」を防衛省として初受賞した。この賞は、ジョンソン・エンド・ジョンソングループと日本看護協会の共催で平成16年に創設されたもので、外務省、文部科学省、厚生労働省なども後援、今年で4回目を数える。賞は教育者部門、ボランティア部門、医療従事者部門、公務員部門及び議員部門に分かれ、安藤准尉は公務員部門での受賞となった。
 授賞式は2月26日、帝国ホテルで実施され、安藤准尉は令夫人及び長男と出席、また推薦者である中警団司令・中雅之将補及び27警群司令吉井2佐も列席した。授賞式には、常陸宮殿下、同妃殿下も出席され、外務、文部科学、厚生労働大臣が祝辞を述べ、受賞者へ表彰状及び記念品が授与された。安藤准尉は昭和49年に入隊後、那覇基地、岐阜基地、松島基地及び大滝根山分屯基地で勤務し、その間、日本赤十字社からの依頼により「赤十字救急法養成講習及び短期講習」などを教官として年間約10回、現在までに216回以上実施し、その功績を讃えられての受賞だ。安藤准尉は受賞者挨拶で、「この受賞の一報を受けた時は、全国の公務員の中からなぜ私なのかと思い、事務局に『本当に私で宜しいのですか』と電話をしてしまいました。今回の受賞は、日本赤十字社からの依頼時、関係上司等のご理解のもと派遣させて頂いた賜で本当に嬉しく思っています。今後もこの賞を頂いたことを汚す事のないよう、救急法指導員として頑張っていきたい」と挨拶した。
 中警団司令・広中将補コメント
 推薦人として、安藤准尉の晴れの受賞に、心から「おめでとう」と言いたいと思います。安藤准尉が航空自衛官として厳しい職務をこなしつつ20年以上にわたり地域住民の方々に対し積極的に行った、日本赤十字社の要請に基づく「救急救命教育」の地道な貢献が高く評価されたわけであり、誠に喜ばしいことと思います。安藤准尉には、この受賞を励みに益々活躍して欲しいと思います。

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