防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年1月1日号
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新年明けましておめでとうございます
 
陸上幕僚長 折木 良一 陸将
しなやかで逞しい陸上自衛隊の創造
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 平成20年の初春を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、旧年中、陸上自衛隊に格別のご厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 昨年は、省移行や国際平和協力活動の本来任務化などを受け、我々陸上自衛隊に対する国民の期待と役割がこれまで以上に増大した年でした。
 陸上自衛隊としても、国連ネパール政治ミッションへの派遣や新潟県中越沖地震での災害派遣等、各種の任務を的確に遂行して参りました。
 今年の陸上自衛隊を取り巻く環境は、昨今の我が国周辺地域情勢の不透明・不確実さに加え、周辺諸国の新政権発足に伴う内政・外交政策の転換によっては、これまで以上に更に変動の幅の大きい年になるのではないかと認識しております。
 また、我々は、昨年来の一連の不祥事により低下した国民の皆様からの信頼を回復しなければなりません。
 私は、陸上自衛隊が、健全で力強い組織であると確信しておりますが、このような時期にこそ、武力集団たる陸上自衛隊の足下を改めて見つめ直す必要があると考えます。
 予測される「厳しい任務」に備え、部隊等の足腰をしっかり鍛え、どのような事態にあっても的確に対応できる態勢を整える必要があります。
 本年も、良き伝統を継承し、後輩をよく育み、しなやかで逞しい陸上自衛隊を目指して、全隊員一丸となり精進する所存であります。
 防衛ホームの読者の皆様方におかれましても、引き続きご厚誼を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
 本年が皆様方におかれまして、幸多い、素晴らしい年となりますことを祈念申し上げ、私の年頭の挨拶とさせて頂きます。
 
海上幕僚長 吉川 榮治 海将
新たな時代の幕開けの年に
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 謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、旧年中、海上自衛隊に賜りましたご厚情に対し、厚く御礼申し上げます。
 今も国内外各地及び洋上において黙々と任務に従事している隊員がおり、その留守を預かっておられるご家族の皆様に心から敬意と感謝の意を表します。
 本年は、海上自衛隊創設以来、最大規模となる部隊改編を実施する年であります。私は、「精強」、「即応」及び「柔軟性」の指導方針を引き続き掲げ、より精強で即応性が高く、多種多様な任務にも柔軟に対応できるように、次の2点を重点項目としてまいります。
 その第1は、「使命感と志」です。精強で即応性の高い部隊には、最新の装備のみならず、各隊員の心に秘めた「使命感」と国家・国民に奉仕する海上武人としての「志」が重要です。
 第2は、「目標と行動計画の具体化」です。将来にわたって、国民の負託に応えられる海上自衛隊を創るために、目標や計画を実行性のあるものにしていかなければなりません。
 昨年までに起きた様々な問題によって、海上自衛隊に対する国民の信頼に傷をつけてしまったことは、誠に残念であります。しかし、過去は変えられませんが、未来は我々の手で創っていけます。私は本年が海上自衛隊にとって、新たな時代の幕開けとなるものと確信しています。
 新たな時代を切り開くため、私たちにとって本年は「創造と挑戦」の年になります。従来の概念にとらわれず、あるべき体制を「創造」し、それに伴う困難や障害に対して、それぞれの配置で果敢に「挑戦」してまいります。
 最後になりましたが、本年が隊員諸官並びにご家族の皆様にとっても幸多き素晴らしい年となることを祈念してご挨拶とさせていただきます。
 
航空幕僚長 田母神 俊雄 空将
国家・国民のために職務を完遂していく
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 明けましておめでとうございます。皆様には様々な抱負を胸に輝かしい年の初めを迎えられたことと思います。
 さて、航空自衛隊を取り巻く状況は、最近の十年間、かつてないほど急激かつ迅速に変化しています。十年前、航空自衛隊がイラクで活動するとは誰も予測していませんでした。しかし今、現実に我々のC-130がイラクの空でイラク人道復興支援のための空輸活動を行っています。
 このような予測もしていなかった急激な変化の中でも、航空自衛隊は与えられた任務を的確に遂行しています。これは隊員一人一人が「国家・国民のため」という気持ちを忘れることなく日々粛々と教育訓練を繰り返し努力を積み重ねてきた結果であると思います。また創設以来五十数年の諸先輩方々の部隊育成のやり方が正しかった証でもあります。私たちは、自信を持って、十年後に与えられる任務が更に多様化し拡大していることも予測しながら引き続き真摯に訓練を続け部隊の精強化に尽力してまいりたいと思います。
 また、昨年は防衛省を揺るがすような深刻な事案が発生しましたが、これを受けて、現在、防衛省改革という議論が始まっています。これは防衛大臣を適切に補佐する体制を作り、自衛隊が有事に迅速かつ的確に対応できるという真の軍事組織になるための極めて重要な問題だと認識しています。抜本的な改革ができるよう積極的に取り組んでいきたいと思います。
 今年も航空自衛隊は全隊員が高い志をもって熱く燃え、国家・国民のために職務を完遂してまいる所存です。今後とも、御指導・御鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、皆様の御健勝と御多幸を祈念申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。

盛大に餅つき大会
《市ヶ谷駐屯地・基地》
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 12月18日、市ヶ谷駐屯地・基地内の隊員食堂やD棟前儀仗広場など各所で、毎年恒例の餅つき大会が行われた。これは、同駐屯地・基地が主催し、市ヶ谷自衛隊友の会と港区防衛親交会の協力を得て開催されるもので、桜祭り、盆踊りと並んで市ヶ谷台の3大風物詩となっている。
 この日は、冬晴れの穏やかな天候に恵まれ、隊員食堂で行われた餅つき大会には、防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、来賓、OB、一般招待者ら多数が出席した。代表者による初杵や鏡開きなどのあと、全員でつきたての餅を頬張りながら、省移行後初めての餅つき大会とあって和やかに懇談、防衛省・自衛隊関係者の一層の発展、健勝を祈念した。
 一方、D棟前儀仗広場では、市ヶ谷駐屯地・基地隊員や在日米陸軍関係者、近傍の幼稚園児らが一緒になって餅つきを楽しみ、「よいしょ、よいしょ」の大きな掛け声が市ヶ谷台に響き渡っていた。

市ヶ谷台ツアーに参加して
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 12月11日、市ヶ谷台ツアーに参加した。今日の参加人数は57名。全員が集まる迄の間、内局広報課の井上康史事務官による市ヶ谷台についての説明があった。市ヶ谷の名前の由来は、市場でものを買うため「市買」になったという説と山手台地の一番目の谷だから「一ヶ谷」になったとの説があるなど、始めて聞く事ばかり。そして全員が集まり午後のツアーが始まった。
 まずは、A棟前の儀じょう広場で各棟の説明を聞く。「この広場はテレビで見るより広いね」などと言いながら、A棟の真ん中を突っ切り、市ヶ谷記念館へ向かう。極東国際軍事裁判の行われた講堂でビデオを見、当時の東部方面総監執務室にある三島由紀夫が切腹した際につけた日本刀の跡をそっとなぞってみる。大講堂の床は7200枚使用しその中の6801枚は創建当時のものを使っているという。床板を1枚1枚はがし番号を貼って保管し復元したという作業にこの建物の重さを感じた。
 隊舎の脇をとおり厚生棟へ。2階広報展示室で陸海空自衛隊の展示品を見学。今話題のガンダムもあった。
 市ヶ谷台の今は近代的な建物の防衛省。しかし市ヶ谷台は尾張徳川家第2代光友公が上屋敷を築いて350年余り経つという歴史をもっている。今日の参加者の中にはお兄さんの千人針を作ったという人もいた。歴史とは近代とは何だろうと、子供の頃みた歴史の教科書をもう一度見たくなった。そして平成12年に檜町から市ヶ谷に防衛省が移った際、開花直前で抜かれた市ヶ谷の見事な桜の木はどこに行ったのかなとふと思った。

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