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   2007年12月1日号
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スポーツよもやま話
根岸直樹
元プロ野球選手が経験活かし、若手を育成
北信越リーグ
トライアウトに参加者200人超える
 深秋の一日、群馬県伊勢崎の上武大学球場で行われた北信越BCリーグ合同トライアウトを見学した。ちょうど、上武大学は大学日本一を目指す明治神宮大会に出場するため、最後の仕上げ中だったが、驚いたのは100人を超す野球部員全員が、来校した野球関係者に向かって帽子を取り、大声で挨拶している姿だった。
 近来、礼儀知らずの若者が増えてきていると、大人たちの不評をかっているだけに、上武大野球部員の礼儀正しい、真摯な態度がすがすがしく、好感を呼んだ。監督以下指導陣に恵まれている証拠だろう。上武大は惜しくも準々決勝で敗退したが、ああいう学生は社会に出ても温かく受け入れられるはずだ。体育系学生が企業から高く評価される理由が分かる気がした。
 トライアウトは200人を超す盛況で、約一日かけて行われたが、その若者たちも目標に向かって懸命に頑張っていた。野球って本当に素晴らしいスポーツなんだなと、改めて痛感した。この中から果たして何人が将来、プロを目指して努力を積み重ねていくのか。北信越BCリーグは、来季から群馬(ダイヤモンドペガサス)と福井(ミラクルエレファンツ)が参戦して6球団となる。地方の野球ファンにとっては、楽しみがまた増え、大いに盛り上がることになりそうだ。
 選手たちが懸命に頑張る姿を、ネット裏からじっと見つめる人物がいた。どこかでお見掛けしたことのある方と思っていたら、実はかつて長島・巨人で外野手として活躍していた二宮至さん(44)=広島商-駒大=だった。二宮さんは巨人を退団した後、東京・目黒西リトルシニアを率いて全国3位に導いている。その後、後輩の指導を思い立ち、高校教師(社会科)の資格を取って教壇に立つかたわら、野球部監督を務めたこともある。
 '78年からは星野・中日のコーチとして選手を育てたが「縁あって…」ことし4月、松本大学(長野県)硬式野球部監督に就任した。北信越BCリーグトライアウトには、松本大野球部から4選手が参加したため、引率を兼ねての視察だったが「こういったチャンスを与えてもらえることは、選手にとって本当に幸せなこと」と話していた。
 松本大監督としての契約は4年間とのことだが「学生たちに野球以外のこと、例えば社会に出てからの決め事、人間としての節度など、いろいろと教えていければ、と思っている。長幼の序とでもいうのか礼儀作法、言葉使いなども、極めて大切なことだと考えています」と話してくれた。
 経験豊富な元プロ選手が、いろいろな場所で、立場で、若者たちの手本となり、育てていってくれることは、大変に喜ばしいことだ。北信越BCリーグ初代王者・石川ミリオンスターズ・金森栄治監督(50)=元西武-阪神-ヤクルト=や富山サンダーバーズのコーチ兼主力打者・宮地克彦選手(37)=元西武-ソフトバンク=なども顔を見せ、若い選手たちのプレーを追っていたが、こうしたイベントは野球人気をさらに活性化させてくれることだろう。
 松本大・二宮監督には4年といわず、監督として野球の頂点を目指す学生たちを末長く育てていってほしいと、願ってやまない。

防衛ホーム俳句コーナー
戌年の詰りし江戸の犬張子 小熊 和子
マフラーを掛けて貰ひし母子像 御手洗敬子
強北風に剥ぎ取られ行く濤頭 船本 峰月
布衣の身に慣れゆき妻と日向ぼこ 桑野 英毅
真夜覚めて木枯の声聞きすます 小長谷敦子
古毛糸解きつ記憶の中にをり 佐藤 玲美
埋火のままに終りし恋ひとつ 長谷川ハルエ
青臭き日向の匂ひ年の市 小野 道子
初時雨真間手児奈の橋濡らし 斎藤 利恵
三四郎池を巡りし漱石忌 松村久美子
武田一族滅びし里の落葉踏む 辰巳 一郎
行き詰ることもあるさとおでん酒 古賀 芳川
奥庭の紅葉散りつぐ胞衣塚 塩見 惇子
泥水に夕茜映ゆ蓮根掘る 松岡 魚清
おもむろに猫の伸びする小春かな 飯田 昌代
表札の傾き直し年の暮 土谷 貞坊
川船を岸に舫ひて冬籠 戸部 弘美
還暦を迎へし年の除夜の鐘 西川 正男
一面の大根畑の風青し 伊藤 天草
銀杏散るそれぞれ違ふ顔をして 熊本 美穂
行く秋のひと日を妻と庭仕事 山崎 藤雄
待望の曾孫授かり冬ぬくし 川口 久江
山墓を揺がし翔ちし初鴉 宮崎 薫
満天の寒星仰ぐ露天風呂 山崎 宏子
沖待ちの船に瞬く冬の星 宮本 立男
落葉掻く時に蒼天仰ぎては 堀内 迪男
陵墓より古都を見渡し秋惜む 西川 正男
  選 者 吟
冬菊の日向日向に匂ひして 保坂 伸秋
(「栃の芽」誌提供)
 「栃の芽」誌をご希望の方は〈栃の芽会連絡先=畠中草史氏 電話042・796・0961〉へご連絡下さい。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
WE ARE GETTING THERE!
ウィー アー ゲティング ゼアー
うまく行っているね!
 Hi! How are you doing? 皆さん、お元気でしょうか。突然の大雪に見まわれた地域もありますが、天気予報を見ていますと、本当に寒い冬が到来しそうですね。一日の温度差があるほど、紅葉は綺麗だと聞いていますが、皆さんのところは如何でしょうか。日本の美を感じる頃ですね。
 さて、今回の表現は、“We are getting there"「うまく行っているね。」です。Get thereは、「成功する、目的を達成する。」です。「成功しつつあるとか、目的を達成しつつある」と直訳すると状況が分かると思います。物事が思い通りにいっていることを示します。仕事の面でも、プライベートでも使えます。
 会話は人とのキャッチボールですから、状況を共有していくことで、会話も弾んでいきます。もうひとつ大事なことは、前向きに考えていくことです。マイナスな発言は、できる限り避けて、プラス思考の表現にしていくと楽しい会話になります。英語はプラス思考で、足し算をしていく感じで使うと、良く通じるものです。
 インフルエンザも流行しているようです。風邪をひいているかたも見かけます。年末にかけて忙しさも倍増していきます。外出から帰ったら手洗い、うがいを励行して風邪の予防に努め、健康に過ごしたいものですね。
 それでは、皆さん。See ya! 〈スワタケル〉

イラク派遣シリーズを終えて
シリーズ
家族の支えが励みに
空自第4術科学校 3空佐 光武 信昌
 平成18年11月から翌年3月までの4カ月間を派遣要員としてクウェート国アリ アル・サレム基地で過ごしました。
 あー、ここがそうか!施設の職域では「現場に足を運べ!」とよくいわれますが、中東のアラブの地は、新聞やテレビの報道などでの知識と想像とでは、やはり違うものがあります。
 気候は、12月から約2カ月間は、最低気温の早朝0℃から、昼間は15℃程度と、日本より湿度が極端に低いため体感温度はそれ以下という、砂漠地の寒さを体感しました。
 また、寒い時期が過ぎると、目や、のどによくない砂嵐が発生し、日本にない現象を目の当たりにし、私も、頻繁にのどを痛めてしまいました。雨期は11月から3月の約5カ月間で、雨量も日本より極端に少ないのが特徴です。
 派遣期間中の生活は、月1回のリフレッシュ休暇での入浴が楽しみでした。毎日のシャワーでは体が温まらず、日本の風呂の習慣が恋しくなりました。
 業務面では、生活用水道管の漏水や断水は、日常的であり、空調機や温水器の故障、排水のつまり、水道蛇口等の不具合や、蛍光灯器具や換気扇の焼損がここでは当たり前の世界で、日本の設備や電化製品等がいかに良いかを身をもって実感させられました。施設担当の者として、これらの対処や対策には日夜苦労の連続でした。特に蛍光灯器具の焼損対策では、器具を独自に改良することで同事案の発生防止に心がけました。
 宿舎生活では、日本にいる家族(女房子供3人)とのメールのやりとりや、子供達とのテレビ電話を使用した会話は貴重であり、楽しみでした。9000kmもの距離を感じることなく話が出来たことは、家族の絆を深める意味でも有効で、インターネットのありがたさを実感しました。
 娯楽の少ない生活での一番の楽しみが、食事の時間です。日本人のシェフが毎日美味しい日本料理を作ってくれて、とても感謝しています。中でも、麺類やちらし寿司などは特に好評でした。また、期間中は飲酒が出来ないことも特徴的で、日本では寝酒に一杯やビールをグイッと!など当たり前のことがここでは一切通用しません。おかげでお酒無しの生活が、体には問題ないことを教えてくれました。
 余暇活動としては、米軍地区において、各種スポーツ大会やビンゴゲームなどイベントが頻繁に開催されており、楽しませてもらいました。また、私は米軍施設隊(EOD)による英会話教室にも参加しました。運動では、タッチフットラグビー部の練習とオーストラリアチームとの親善試合へも参加し、また、日米ソフトボール大会に参加するなど、米軍やオーストラリア駐留軍との交流も深めることが出来ました。
 最後に、本派遣は、家族の心の支えもあって、気持ちよく過ごすことができました。本経験や知識などは次期派遣要員にしっかり申し送るとともに、今後の自衛隊勤務等にも活かしていきたいと思います。

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