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   2007年12月1日号
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輝ける未来・希望
"華"
19年自衛隊音楽まつり
観客4万人に感動与える
在日米陸軍軍楽隊の迫力あるドリル演奏
伝統音楽を奏でる大韓民国空軍軍楽隊
全音楽隊員が一堂に会して世界の名曲をメドレー演奏
熱唱する蓑毛2曹
八戸華炎太鼓
グランドフィナーレでは観客と全出演者が一体となって「明日があるさ」を大合唱
陸自中央音楽隊とWAC演技隊
海自東京音楽隊とWAVE演技隊
航空中央音楽隊とWAF演技隊
会場の設営などを行う黒子部隊(第1空挺団)
(以上の写真は紙面をご覧ください)

 11月16、17の両日、日本武道館で開催された平成19年度自衛隊音楽まつりは、「平和を守る行動力」をメインテーマにパート1から4までの4部構成。パート1のプロローグ、オープニングセレモニーでは、東方音楽隊の蓑毛美奈2陸曹がスポットライトを浴びて登場、リパブリック讃歌を澄みきった美しい声で独唱した。トランペットのファンファーレとともに陸海空音楽隊と、日本国国旗を掲げた第302保安中隊が入場、全員で国歌を斉唱した。引き続き、オープニング序曲「輝ける栄光の下に」が陸海空音楽隊の調和のとれた編成で演奏される中、会場前方上の大型スクリーンには、創設以来の防衛省・自衛隊の輝かしい足跡が映し出されていた。
 パート2は「わが故郷の国・ニッポン」と題して西方音楽隊が「涙そうそう」と「唐船ドーイ」を、東方音楽隊が「ジュピター」と「千の風になって」をドリル演奏、元気よく小太鼓をたたきながら歌に合わせて跳びはねる場面や、しみじみと寂りょう感を漂わせながら静かに聴かせる場面もありで、観客はその一曲一曲からあふれ出てくる深い感動に身をゆだねていた。最後に、両音楽隊が合同で「新日本紀行」「ソーラン節」などをドリル演奏、「故郷」を合唱するシーンでは、観客の中には思わず一緒になって口ずさむ姿も見られた。続いて、ゲストバンドの在日米陸軍軍楽隊が登場、「アメリカン・パトロール」「アメリカ・ザ・ビューティフル」を声量豊かな独唱を交えながら毅然としたドリル演奏を披露した。また、大型スクリーンには日米共同訓練で、自衛隊と米軍が信頼と友好を深める場面が映し出されていた。
 次いで、自衛隊の未来を担う防大儀仗隊が登場、観客の大きな拍手を浴びながら整然とした一糸乱れぬファンシードリルを披露した。特に、空砲を撃つシーンでは、1発目が撃たれ、「もうないだろう」と思って安心していたところに2発目が突然鳴り響き、度肝を抜かれ、お互いに思わず顔を見つめ合う観客の姿も。防大儀仗隊のファンシードリルは、何十回、何百回見ても、常に深い感動と心の底を揺さぶる強い余韻を残す。
 パート3は「世界に響けビッグサウンド」。最初に、陸海空音楽隊、西方・東方音楽隊が合同で「ラ・メール」「サンタ・ルチア」などの世界の名曲をメドレーで演奏したあと、第302保安中隊や女性自衛官演技隊とともに“ビッグパフォーマンス"を繰り広げた。次いで、大韓民国空軍軍楽隊が登場、伝統の楽器を打ち鳴らし、民族衣装を身にまとって軽快に動き回る様や西洋音楽と融合した名演奏は、観客から大きな歓声と拍手を浴びていた。続いて、陸自中央音楽隊、海自東京音楽隊、航空中央音楽隊の順で登場、それぞれ色鮮やかな旗を手に持ったカラーガードとともに「ベートーベン交響曲第7番」「海の男達の歌」「ラプソディ・イン・ブルー」などをドリル演奏、息の合った華やかなパフォーマンスに、観客は我を忘れて見入っていた。特にウエーブの「我は海の子」の1番と7番の合唱の場面では、観客席も懐かしさで感動の渦に巻き込まれていた。パート3の最後を飾ったのは自衛太鼓“風林火山"。女性自衛官の奏でる尺八の音色に続いて、「北海自衛」「千歳機甲」「八戸陣」「船岡さくら」「武山自衛」「朝霞振武」「滋賀十戦」「姫路白鷺」「能本八特」「西海島守」「八戸華炎」「入間修武」の計12太鼓が一斉に“風林火山"を見事なバチさばきで披露、会場を揺るがさんばかりの迫力ある太鼓の響きに観客は日本の伝統文化の神髄を改めて味わった様子だった。
 パート4のグランドフィナーレでは、最初に「威風堂々」の曲に乗って日米韓3国国旗が入場。続いて「ロビンソンの堂々たる入場」マーチで全出演者が登場した。最後に、全出演者と観客が一体となって「明日があるさ」「リパブリック讃歌」を大合唱、自衛隊音楽まつりの熱気が最高潮に達した。
 公演終了後も、まだ余韻覚めやらず、名残惜しそうに会場をあとにする観客一人ひとりに対して、場内整理にあたっていた隊員が「お疲れさまでした」「ありがとうございました」と笑顔で、温かい声をかけている姿が印象的だった。


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