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   2007年11月1日号
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海自OB、むつ市議に初当選
幅広い有権者の支持集める
海自衛隊出身を堂々とアピール
 9月29日に行われたむつ市議会議員選挙で、海上自衛隊OBの浅利竹二郎氏が見事当選した。
 同氏は「市民生活で困ったこと・不便なことの解消に努める」との公約のもと、海上自衛隊出身を堂々と唱え、「退職自衛官を含む就労希望者の雇用促進」「隊員を含む独身者の結婚の促進」「防衛思想の普及」などを訴えながら新生むつ市発展のために再チャレンジを主張した結果、幅広い有権者の支持を集め当選した。これによって、自衛隊出身の市議会議員皆無の状態が解消されることとなった。
 今後、自衛隊やOBの意見がより多く議会に届くものとその活躍が期待されている。

「しらせ」見学者200万人超える
 砕氷艦しらせ(艦長・品川隆1佐他乗組員170名)は、今年11月からの第49次南極地域観測協力に向け、8月29日に横須賀を出港したあと、仙台、稚内、浜田、下関、那覇、呉、名古屋に寄港、10月8日まで総合訓練を実施した。
 9月2日、最初の寄港地、仙台塩釜港での一般公開では、昭和57年11月就役以来の見学者総数が200万人に達した。この記念すべき 200万人目の見学者は、仙台市若林区の森風雅君(3才)。ご両親と姉の4人で訪れ、しらせ艦上で行われた200万人達成記念認定証贈呈式では、しらせ艦長から認定証及び記念品が贈られた。風雅君は何が起こったのかきょとんとした様子だったが、ご両親は「大勢の見学者の中で選ばれるとは…。大きくなったら本人に伝えたいと思います」と語った。贈呈式の後、乗員の案内により艦内を見学した風雅君の一家は、大いに感激した様子でしらせを後にした。
 しらせは、10月に横須賀に帰投後、約1か月間、各種物資を搭載したのち、11月14日、南極に向け最後の航海に晴海から出港する。

《論陣》
日本列島に思いやりを
温暖化退治に総力あげよう
 今年のノーベル平和賞を、アルバート・ゴア(前米国副大統領)と国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が受賞した。地球温暖化と戦争に因果関係があるとの判断からである。イラク戦争などは、石油がからむその典型といっていい。ゴアは大統領選でブッシュと大接戦の末、敗北したものの、再挑戦で復活した格好である。京都議定書からの脱退やら、環境問題を軽視してきたブッシュ政権をけん制するような平和賞ではある。
 ひるがえって日本の対応はどうか。肝心の京都議定書の二酸化炭素削減目標には、ぜんぜん届いていない。ブッシュのアメリカを笑える状況にはないのだ。最近、こんな経験をした。
 千葉県の房総半島を車で走った時のことである。東京アクアラインの対岸・木更津市は、この大赤字の橋が完成した途端、廃墟のように地元経済は衰退、あまつさえ腐敗で市長が逮捕されるという事件まで起きた。
 最近になって、この木更津から房総半島の端の館山市まで高速道路がつながったものの、アクアライン同様、普段はがらがらである。道路公団民営化の成果は上がっていない証拠であろう。この新高速道路を走って君津市を経由して富津市へと出た。
 行きは、さして気にかけていなかった。ところが帰路、富津から君津へと向かう場面で、目の前の情景に驚愕させられてしまったのだ。山という山がいくつもいくつも削り取られていたのである。それは現在進行形だ。無残な岩肌は痛々しくて目をそむけたくなる。何もここまでしなくてもよさそうなのに。心が痛んでしまった。
 かつて君津市の山々が山砂採取で削り取られ、それにとどまらず道路一帯をダンプ公害・粉塵公害・振動公害へと自然破壊・環境被害を巻き起こしていた。これは承知していた。何度も記事にした。それでも止まらなかった。地元出身の環境庁長官に現場を視察させたが効果はなかった。警察さえも手がでなかった。無法地帯そのものであった。
 だが、富津市は君津市以上に破壊されていたことを知ったのである。君津・富津両市から運搬される砂を積むダンプは「1日当たり6000台」と木更津市高官が教えてくれた。これもただ事ではない。大地が削られ「その後に産業廃棄物で埋めている」と地元民は不安げに指摘している。山砂は東京都が推進する4本目の羽田空港滑走路へと運ばれている。
 業者が主張しているような無害の産業廃棄物というのであれば、それを空港の埋め立て用に利用すれば、山を崩壊させなくても済むだろうにと思う。
 現在も産廃場をめぐっての裁判が、あちらこちらで行われている。そこへと、新たに木更津市の馬来田小学校歌にも登場する音信山(おとずれやま)にも、雲をつかむような広大な産廃場建設計画が、業者から千葉県に申請されている。堂本知事のもとで、認可寸前と市民は警戒している。「これができると半島の地下水が汚染、水が飲めなくなる」と同市高官もうめくのである。
 ただでさえ千葉県はゴルフ場銀座という汚名を着て久しい。100箇所を超えるゴルフ場に農薬が散布されて、土壌と地下水はとうの昔から危険にさらされているのである。こうした大地を破壊する状況は、おそらく房総半島だけではあるまい。多かれ少なかれ、日本列島で繰り広げられている、と捉えるべきであろう。
 事態は地球の運命にかかわる重大問題である。美しい日本列島を破壊から守ることもまた、温暖化対策の一環であろう。今も北極海の氷塊が溶けている。質素な生活もまた、人々に夢と希望を与えるものであることに気づくべきなのだ。

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