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   2007年10月15日号
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防災訓練
関係機関を支援
市ヶ谷でもはしご車など展示
 平成19年度市ヶ谷庁舎防災応急対処訓練が10月4日、防衛省で実施された。まず、A棟講堂で自衛消防隊員らが東京消防庁牛込消防署による防災教育や庁舎の防災体制についての説明を受け、訓練に備えた。続けて各棟の防災センターに移動し、防火シャッターや防火戸など各棟の設備についての操作方法などを実習した。
 その後、庁舎勤務者を含め、非常階段を使用しての誘導と避難訓練を行い、万一の事態に備えて自分の目で避難経路などを確認していた。
 また今回、防衛省では初めてとなるはしご車を使った訓練が展示された。グラウンドに集合した訓練参加者が見守るなか、5階から逃げ遅れた職員を救出するという想定で、実際に職員自身が直接はしご車に乗り移るなどした。そのほか、井戸水浄水装置の見学や、震度7を再現した起振車と煙を発生させたテントで災害を体感するなど職員・隊員らの防災意識の向上を図った。
 一方、全国地方自治体が行った防災訓練にも自衛隊から地本をはじめ各部隊が参加した。被災者救助訓練や災害派遣活動等の写真パネル展示、炊事車による炊き出しなど多岐にわたる分野において支援した。
要救助者役がいるD棟5階までアームを伸ばすはしご車と、ゴンドラに乗り移る職員(防衛省で)
 地本では対外窓口として精力的に動き、災害対処において地方自治体と密接な関係を構築するため各種会議等に出席するほか、防災訓練や防災イベントにも積極的に参加した。また、自衛隊災害救助活動PRビデオの放映や非常用糧食等の展示コーナー、募集相談コーナーなどを設置した。訓練を通じて各市町村や機関との連携促進を図るとともに、一般市民に対する防災意識の高揚と自衛隊の活動に対する認識を広めた。
宮崎地本
 宮崎地本(本部長・宇都定史1空佐)は9月2日、宮崎市総合防災訓練に参加した。この訓練には43普連、第376施設中隊、空自新田原基地所在部隊及び宮崎地本のほか県警などの機関から約3000人が参加した。
 宮崎市沖の日向灘でマグニチュード7・5の地震が発生、宮崎市内で震度6強(一部震度7)の揺れを観測したとの想定で訓練が開始された。災害対策本部会議訓練では、陸海空各部隊の移動、準備状況について周辺地図を用いて市長に報告した。その後第376施設中隊の軽門橋により43普連のオートバイを搬送、被災状況の調査・情報収集を行った。また、人命救助システムを用い倒壊家屋から被災者の救出、負傷者については新田原救難ヘリで空中輸送を行った。また、参加機関・団体による各種訓練ののち、国民保護訓練(テロ対策訓練)が行われ乗客が乗った路線バス内で男性が液体を散布し、乗客から目や喉などの痛みの訴えがあるとの想定で43普連及び新田原所在部隊が県警、消防と連携し要救助者やバス周辺の除染作業を実施し、訓練は終了した。また、地本は会場内の展示・体験コーナーに防衛白書パネルを展示するとともに募集相談コーナーを設置した。
神奈川地本
 神奈川地本(本部長・江之口譲1海佐)は9月2日、神奈川県・伊勢原市合同総合防災訓練に陸・海・空部隊等と共に参加、神奈川地本は、「展示・体験コーナー」を開設し、防災広報を実施した。特に今回は、特別に用意した非常用糧食(缶めし)の試食を行い、大好評を得た。また、8月26日に小田原競輪場広場での防災訓練に参加、中越地震、能登半島地震、阪神淡路大震災の災害派遣行動のパネル写真を展示した。また担任部隊である第1高射大隊の人命救助システムによる訓練展示では多くの人が見学した。
山梨地本
 山梨地本(本部長・齋藤英明1陸佐)は第1特科隊の支援を受け、9月1、2の両日に行われた総合防災訓練に参加した。1日に行われた甲府市では、地域住民等約2300人が参加し、伝達訓練、初期消火訓練、県消防防災ヘリコプター「あかふじ」の偵察訓練、第1特科隊と消防本部らによる救出搬送訓練(合同訓練)を行った。2日に行われた北杜市では、地域住民のほか、自衛隊、警察署及び消防団等約600人が参加、第1特科隊が炊事車による炊き出し支援が行った。
岐阜地本
 岐阜地本(本部長・本田親行1空佐)は9月2日、高山市総合防災訓練に参加し倒壊家屋からの被災者救助訓練を実施した。約50団体から約5000人、車両約50台と民間航空会社のヘリコプター2機が参加して訓練は行われた。
 訓練は、高山断層を震源とする震度6強の地震が発生し、市内全域が被害を受けたという想定で開始された。岐阜地本では、平成16年の台風23号における高山市への災害派遣活動の写真パネルの展示を行った。このほか35普連第1中隊から6名が派遣され、被災状況偵察と倒壊家屋からの被災者救助訓練等を市民と協力して実施した。
茨城地本
 茨城地本(本部長・杉本正明事務官)は9月1日、茨城県・龍ヶ崎市総合防災訓練に参加した。この訓練は、龍ヶ崎市付近を震源とする震度6強の直下型地震が発生し、市内の各所で家屋の倒壊や火災により多数の死傷者が出たという想定の下で実施された。茨城県内所在部隊が主要装備をもって参加するなか、茨城地本は龍ヶ崎地域事務所の広報官が被害状況を把握し災害派遣部隊に通報するという状況把握訓練に参加、県内6ヶ所に設置された地域事務所等がいち早く被災現場に駆けつけ、収集した情報を災害派遣部隊等に通報する訓練を展示した。

「しらせ」一般公開
《沖縄地本》
 沖縄地本(本部長・末永典良1陸佐)は9月23日から26日の間、那覇新港に寄港した海自砕氷艦「しらせ」の一般公開に伴い広報活動を実施した。
 しらせは1981年に進水、これまでに24回の南極観測事業に参加、来年には退役となる。今回の沖縄への寄港は、那覇市の要望により実現した。
 入港歓迎行事では、那覇市長をはじめ多くの招待客が訪れ、南極観測事業に貢献した「しらせ」を大いに歓迎した。同日に行われた艦上レセプションでは、ゲストとして招待されたソプラノ歌手、宮良多鶴子さんの歌声が皆を魅了した。
 2日間行われた一般公開には、約4500人の一般客が足を運び、艦の大きさや艦内の設備にみな驚きを隠せない様子を見せた。
 その他にも艦に搭載されているヘリコプターの機内見学や、マイナス20度の世界を体験できるイベントなどが行われ、客を大いに喜ばせた。
 「南極の氷」展示コーナーでは、子供のみならず大人の来場者も関心を示し、氷の溶ける音に聞き入っていた。

生徒らが基地見学
 滋賀地本(本部長・相良雅司1陸佐)は9月18日、滋賀県立守山中学・高等学校が行う社会科学習を支援した。この社会科学習は、中学3年生が少人数のグループに分かれ、それぞれが与えられた課題の中から自主的にテーマを選び訪問先での資料収集等を行うもので、同校教諭2人、生徒26人が昨年に引き続き航空自衛隊饗庭野分屯基地を訪問した。訪問先の饗庭野分屯基地では、第12高射隊副隊長から航空自衛隊及び同分屯基地の概況説明を受けた後、ペトリオットや消防車等の器材を見学した。参加者は、普段見ることができない装備品等を間近に見学し、目を輝かせながら熱心に説明を聞いていた。装備品等見学終了後、隊員食堂で昼食を体験喫食、午後から3つのグループに分かれ基地所属の若年隊員との座談会を実施した。生徒から隊員に対し、自衛隊に入隊した理由や自衛隊の生活などの積極的な質問があり会話は大いに盛り上がった。
 今回の部隊訪問により生徒達は社会科学習の課題追求に手応えを感じるとともに貴重な体験ができたことに対して感激している様子だった。

白書説明
ー自治体との連携図るー
 地本では9月から知事等自治体の首長や防災・警備担当者、警察関係者らに対して防衛白書の説明を行い、防衛政策及び防衛省・自衛隊に対する理解の促進と地方自治体との更なる連携強化を図った。地本部長を中心に行われた白書説明は、今年度版の特徴である防衛省への移行に伴う国際平和協力活動等の本来任務化などとともに、施設庁等の組織改編や自衛官募集業務といった地域ごとに関連した項目を交えて説明し、関係機関のより一層の協力を求めた。
岩手地本
 岩手地本(本部長・渡邊金三1陸佐)は9月28日、岩手県庁を訪れ、達増岩手県知事に白書説明を行った。本部長は、日本を取り巻く不安定な国際情勢や、海外における自衛隊の活動及び国内の大規模災害に対する自衛隊の対処などを話した。あわせて県による募集グッズの作成配布や、広報紙への募集記事掲載などの活動に感謝するとともに、募集対象者が減少している現状での組織的募集のため今後の協力を求めた。
群馬地本
 群馬地本(本部長・浦野重之1陸佐)は9月21日、群馬県庁で北関東防衛局長・徳地秀士事務官と共に大澤正明群馬県知事に白書説明を行った。徳地局長による県知事への白書手交のあと説明が行われ、大澤知事からは浦野本部長に災害派遣や国民保護法、自衛官募集業務に関する質問があり、これに対し自衛隊の即応体制などについて回答した。また、募集業務に関しては、「募集対象者は減少傾向にある。自衛隊が実効性を確たるものとするためには、人材の確保が必要であり、今後とも協力をお願いしたい」と述べ、一層の協力関係の推進を確認した。
香川地本
 香川地本(本部長・溝越正信1陸佐)は9月11日、香川県庁で知事に対して白書説明を実施した。県からは知事、防災局次長、防災局危機管理課指導監の3名が出席し、自衛隊側からは本部長、募集課長、広報班長とともに香川県警備・防災隊区担任の第15普連隊長・廣塚雅史1陸佐が参加した。まず、地本部長から今年度版白書の全般的特記事項、国内外での防衛行政、自衛隊の活動等について説明した。続いて、募集課長が各章、各編等の記載事項の特記事項を、香川県下に関連する部隊配備、災害・警備態勢等に関しては連隊長がそれぞれ説明した。

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