防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース 防衛ホーム新聞社 防衛ホーム新聞社
   2007年10月1日号
1面 2面 3面 4面 5面 6面 7面 8面 9面 10面 12面

スポーツよもやま話
根岸直樹
輝き続けるハムの星
ダルビッシュ有投手
2年連続日本一へ
 「嫁さんももらって、三つも四つも大人になった、成長したって感じ」と話すのは“チームの顔"として日本ハムを引っ張るヒチョリこと森本稀哲外野手。「成長した」のは、ほかならない、いまやエースの座に君臨するダルビッシュ有投手(21)だ。
 今季3年目。東北高から04年ドラフト1位指名で入団。1年目は5勝(5敗、防御率3・53、14試合登板)に終わったが、06年は早くも2ケタ勝ち(12勝5敗、2・89、25試合)。中日との日本シリーズでも大活躍(2試合登板、1勝1敗で優秀選手賞受賞)で、チームを日本一に導いた。そして今季も連続2ケタ勝ちと、成長著しい日本ハムの、というよりいまやプロ野球の星なのだ。
 しかも、この夏は女優・サエコ(20)との結婚を発表。夫人はすでに妊娠中とおめでた続きなのだから「大人にならざるを得ない」わけだ。「カッコつけて、未成年なのにタバコ喫って、事件を起こしたりしたこともあったけど、いろいろ人生経験を積み重ねてみんな成長していくんだ。これからは軌道を踏みはずすことなく一歩、一歩成長していってほしい」と平野謙コーチは話している。
 「目標は、プロ入りしたときからずっと変わりません。プロとして一年間、故障なく働くこと。それがチームのためにも、自分のためにも最高だと思う。ファンもそれを一番、期待してくれているはず。やることをしっかりやっていれば、結果はおのずとついてくるんじゃないですか」とダルビッシュ。
 西武・涌井秀章投手とは「高校(涌井は横浜高)時代からの親友」。高校選抜で「同じ釜のメシを食った仲」だから、いまでも「オレ」「お前」の仲で、今季は最多勝争い真っ最中。「何から何まで勝負。絶対に負けたくない」と競い合っている。
 いま、気にしているのは国籍問題。父親・ファルサさんの関係で二重国籍だが「北京五輪もあるし、来年の誕生日(8月16日)までには、どちらか一方に決める」と明言した。憲章ではどちらでもいいそうだが「生まれてくる子供のためにも…」と、早くも父親の顔をちらつかせる余裕さえ出てきている。
 今季最後となった9月末、東京ドームでの対楽天戦では、甲子園エース・田中将大(駒大苫小牧)との初の投げ合いで、先輩の意地を見せつけた。「いろいろお世話になった田中幸さん最後のドーム試合だったので、チームも勝って花道を飾ってもらいたかった」とダルビッシュ。
 田中幸は、今季限りで22年の現役生活に別れを告げ、来季からコーチに昇格するが「後楽園(東京ドーム)はオレのデビュー球場。適時打も打てたし、思い出をありがとう。ダルは見事にエースに成長してくれた。オレの方からお礼をいいたい」と話していた。
 3位までのチームと戦うクライマックスシリーズ(10月8日から)にも勝って、2年連続日本一へ。ダルビッシュ有は、残り試合をも含めて「全力投球」を約束している。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
THAT BAR RIPPED ME OFF
バー ザット オフ リップド ミー
あのバーでボラれたよ
 Hi! How are you doing? 皆さん、お元気でしょうか。秋めいてきました。行楽の秋、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋、秋は色々なことが楽しめますね。皆さんはどんな秋を楽しまれるんでしょうか。秋口は、夏の疲れが出ますし、急に涼しくなって風邪を引くこともありますから、注意したいですね。
 さて、今回の表現は、“That bar ripped me off"「あのバーでボラれたよ。」です。直訳すると、「身ぐるみはがれた」ということになります。Rip offは、布や紙を引き裂き、剥ぎ取ることです。まあ、cash on delivery(キャシュ・オン・デリバリー:カウンターに料金を置き、引き換えに飲み物が出てくること)の多い米国では、あまり聞きませんが。只、色々なサービスがつくと、ちゃんと料金が上乗せされるシステムですので、必要、不必要の意思表示は必須ですね。
 暑さ寒さも彼岸までといいますが、今年は予想できないことが生起するので、健康にはくれぐれもご注意ください。夏の疲れが出てくる頃でもありますので、油断をせずにご自愛くださいね。一年で一番よい季節である秋を楽しんでいきましょう。
 それでは、皆さん。See ya!
〈スワタケル〉

防衛ホーム 俳句コーナー
僧一人堂守一人寺の秋 ジョンズ美加子
とろろ汁妻と吸れば山暮るる 西村 榮治
名月を確と仰ぎし術後の眼 浅野 登江
コスモスに逃げ込んできし稲雀 岩崎 緑雨
微笑めるベレーなつかし年尾の忌 亀井 桂泉
秋潮や音戸瀬戸の渡し舟 駒野 英明
名月や酢甕並べて村眠る 吉永 紅市
露しとど政子の馳せし径かとも 大谷 弥栄
竹林に人影透きて小鳥来る 北川 矩子
米寿なほ夢追ひつづけ太刀涼し 渡辺 刀雲
亡き妻の香のして浴衣捨てきれず 神馬 文男
古着解き母を想へばちちろ鳴く 須賀 きよ
木犀の香の山門を吹き抜けし 榎 利美
弥陀仏の眉間に秘めし秋憂い 和田 渓山
甲斐の秋求めて山路辿りけり 辰己 一郎
小さき魔女めいて野菊のしじみ蝶 大内 猛
芒原いま吾のもの風のもの 晴山 雅之
初鴨の一直線の水尾光る 滝澤 緋沙
風と来て風と帰りぬ秋あかね 戸部 弘美
秋高し働く髪を小さく結ふ 益子 千翠
声のして無月の路地の更けにけり 鈴木 吟悠
瀬の色を変へ遡る鮭の群 宮本 立男
車降り家路の虫に安らげり 一ノ瀬昭雄
小鳥来る狭庭に嘗て毒のゐし 島田 基三
笑顔連れ娘も孫も来し夏休み 杉本美枝子
雑草に混じりて燃ゆる曼珠沙華 川口 久江
営門に夜学の兵を迎へけり 關 由紀夫
十薬を軒場に干して妹老いぬ 鶴間 俊子
  選 者 吟
鳴き立ててをりしは残る虫同士保坂 伸秋
(「栃の芽」誌提供)
 「栃の芽」誌をご希望の方は〈栃の芽会連絡先=畠中草史氏電話042・796・0961〉へご連絡下さい。

イラク派遣を終えて
シリーズ
第3補給処資材計画課 空士長 坂下拓也
米軍の存在の大きさを実感
 私は10期派遣輸空隊の整備隊に所属していました。50℃を超える真夏に到着し、朝は外衣なしでは出歩けないほど冷え込む初冬までの貴重な4ヶ月を経験することができました。
 最初に驚いたのはやはり初体験の暑さでした。ムバラク基地に到着し、飛行機から出た瞬間そのドライヤーのような熱風に思わず顔をしかめました。空港近くのパーキングエリアで休憩を取ったのですが、みんなそこに冷やしてあるジュースや水をがぶ飲みしていたのを覚えています。飲み放題、取り放題のジュースにもびっくりしました。次に驚いたのはその景色でした。ムバラク基地から我々の母基地であるアリ アル・サレム空軍基地まで大型バスで移動したのですが、そこから見えた一面黄土色の砂地に感動しました。ある程度裕福な国だとは聞いていたのですが、いくら走っても高速道路から見える景色は、砂以外何にも無く、徐々にこれからの生活を不安に思いました。ですが、サレム基地に到着し、9期後段、10期前段の温かい歓迎を受け、不安は吹き飛び、やる気が体に漲りました。
 次に驚いたのは自分の弱さです。今まで元気だけが取り柄で生きてきたのですが、自分の環境適応能力のなさにガッカリしました。まず到着5日目、その日私は朝の5時に起きたのですが、目覚ましを止めようとした瞬間、いきなりギックリ腰になってしまいました。初体験のギックリ腰をまさかここ中東の地で経験するとは思いませんでした。衛生隊で薬とコルセットをもらい、2、3日で復活できましたが、来て早々だったのでとても恥ずかしい思いをしていました。
 次は肌荒れです。もともと肌はそんなに強くはなかったのですが、極度の乾燥で手が切れて、そこからバイ菌をもらい、一時期は左手が使いものにならない程でした。今思えば、みんなで癒しを求めて米軍プールに行った結果、バイ菌をもらったんだと思います。罰が当たりました。そういえば、私は今年厄年でした。またも衛生隊のお世話になり、生まれて初めて点滴を経験しました。再び衛生隊の皆さんの熱心な治療のおかげで治すことができました。ありがとうございました。
 次は整備隊について話したいと思います。ご存じのとおり整備隊は可動機の確保を第一任務とする部隊です。航空自衛隊はC―130Hを3機運用しています。任務機、スペア機の計2機を最低でも可動させなければなりません。そのため計画外整備等が発生した場合は夜通し朝まで整備作業が続くことも多々ありました。整備隊は1輸空隊の整備員が8割を超え、クウェート複数回経験者も多くいますので、今回が初めての私には周りにいる全員が頼りになる存在でした。整備隊は小さな部隊なので、個人個人の健康管理が何より一番大切です。その中で、怪我や病気になり、周りに迷惑を掛けてしまった自分が情けなく、悔しかったです。それでも、一緒に徹夜して夜中に差し入れのピザを食べたり、米軍に調整に行って、知ったかぶりの英語をしゃべったり、肉食トカゲを捕獲したり等、振り返ると忙しい中にも楽しい思い出ばかりが浮かんできます。このメンバーなら何回来ても良いと本当に思いました。
 最後は米軍についてです。その展開力は言うまでもないのですが、彼らは何をするにも我々より何10倍もスケールがでかいのです。特に居住環境、後方に関しては度肝を抜かされました。なぜなら、ここ中東にミニアメリカができあがっているからです。ファーストフード店に並ぶ迷彩服の軍人…何でこんなに絵になるのだろうと思いました。強さというのはこういったところに表れるのだなあと自分なりに感じました。また、親日家が非常に多いことにも驚きました。何人かの友達もでき、英語の勉強にもなりました。今考えると米軍の存在は大きく、このことは派遣経験者みんなが思っている事だと思います。
 この派遣を機会に英会話教室に通おうと思います。英語がしゃべれればこれからの人生や価値観を変えられると思ったからです。そして、英語力を身に付けて、再び海外派遣に従事してみたいと思います。その時はまた違ったものを学び、感じることができると思うからです。

9面へ
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2008 Boueihome Shinbun Inc