防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース 防衛ホーム新聞社 防衛ホーム新聞社
   2007年8月15日号
1面 2面 3面 4面 5面 6面 7面 8面 9面 10面 12面

《論陣》
地球が赤信号を発している
日本人の真価が問われている
 NHKで評価できるのは、海外のテレビ報道を翻訳して流してくれる番組である。野球やお笑いなど娯楽番組は民営化するか、民放に任せればいい。そうすると、わずかな血税の投入でNHKは健全化するだろう。世界最大の借金国・日本なのだから、ちょっとした決断で改革はできそうなものであるが、どうだろうか。
 最近の米ABCテレビは、クリントン財団によるアフリカ・マラウイの貧困救済事業を伝えていた。マラウイを知る日本人は少ないと思われるが、この国の民の寿命は、40歳にも届いていない。日本政府のODAはこういう所に向けるべきだろう。日本人金持ちも支援してはどうか。米国債を購入するだけでは能がなさすぎる。
 人身売買というと、日本も問題がある国と指摘されているが、英国BBCテレビはブルガリアでの事実をスクープして世界に衝撃を与えていた。EU拡大の影の部分である。さすがはBBCである。それにしても、最近の海外テレビ報道の衝撃は、世界中で発生した猛暑・豪雨など自然災害のグローバル化だ。地球の悲鳴がいたるところで聞こえてきている。それでいて京都議定書さえ処理できない日本である。産業界の圧力に屈している。アメリカのブッシュを笑えないだろう。映像は、イギリスの大洪水を知らせていた。水没した近代住宅に悪臭が漂っている。悲惨そのものだ。人々は水を求めて泣き叫んでいた。他方で、熱波で亡くなるお年寄りが中欧で、干ばつで山林火災が。と異常気象だとわめていている場合ではない。
 大干ばつで「酪農ができない」とうめくオーストラリアの農民も悲劇である。これらは、どうみても地球が悲鳴を伝えていて余りあろう。地球の温暖化は、石油・石炭依存のエネルギー使用を禁止しなさい、と警告を発しているのである。
 さすがに「温暖化と気象の変動は関係がない」と企業の代弁者になっていた「御用学者」の反論も姿を消している。二酸化炭素を排出するエネルギー政策を大転換する重大な局面に、人類は立たされている。それでいて中国・インドなどが、かつての日本、アメリカのような公害国へと変身していることも、まことに深刻きわまりない。
 生活の「質」を高めることにばかり関心を示してきた先進国は、もはや通用しなくなってきている。質を下げることを真剣に考えなければならないのである。不便な生活を甘受する生活である。価値観の転換だ。ガソリンをがぶ飲みする車は放棄するしかない。石油依存の車は地球・人類の敵なのだ。
 政府は金持ちからは、しっかりと税金を払ってもらい、環境保全に回してもらう、というようなことまで、政策面で対応するしかないだろう。資本主義だ、社会主義だなどと、言っている余裕を、この地球は与えてくれそうもないからである。
 人類の英知が問われている。日本と日本人の英知である。教育である。考える葦である人間教育といっていい。原始の時代に戻るのも手段の一つかもしれない。それとも、他に方法はないだろうか。思考する学問が求められている。二酸化炭素を排出しない社会はどういうものか。小さな解決策はいくつもあるが、地球全体を変える道筋はまだである。
 地球救済策こそが、いうところの改革なのだ。

4面へ
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2008 Boueihome Shinbun Inc