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   2007年8月1日号
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スポーツよもやま話
根岸直樹
まだまだ続く
イチローの挑戦
 あいさつ代わりに「それにしてもイチロー選手、すごいですね」と声を掛けると、いつもの笑顔で答えが返ってきた。「すごいんですけどねえ。年毎に手の届かない所に行ってしまうみたいで…。いえ、メールは届いているんですけどね」と。
 “チチロー"こと、鈴木一朗選手(33)=マリナーズ=の父・鈴木宣之さん。何しろ5年総額9000万ドル(約110億円)で、先ごろマリナーズと2012年まで契約を延長した「世界のイチロー」を育てたお父さんなのだ。そのお父さんが「逆立ちしたって、100年かかったって稼ぎ出せない」とため息をつく金額なのだ。「これまでの稼ぎを重ねたら一体、どれだけになるのか」と、だれだってため息の三つや四つは出ようというものだ。
 イチローは92年、オリックスでプロ生活のスタートを切った。2年間はほとんど鳴かず飛ばずだったが、1年目にウエスタンリーグで打率・366をマーク、首位打者を取っている。高校時代(名古屋・明電高)をも考えれば、希代の巧打者なのだ。
 いまにして思えばなぜ、といいたいのだが、当時のオリックス・土井正三監督(元巨人・二塁手)にいわせると「あのクセのある打法は、プロで通用しない」ということだった。
 イチローは、小学校低学年のころから近所のバッティングセンターに通い続け“チチロー"さんの手ほどきを受けていたそうだ。高校時代に身に付けた「振り出しは小さく、振り終わりは大きく」の打法は、プロの大先輩・田尾安志選手(中日、西武などで活躍。最後は楽天監督)の「物マネ」だそうだが、女子プロゴルファー・岡本綾子プロの「パワーに頼らない合理的なスイング」(岡本プロは高校時代、ソフトボール選手だった)も「大いに参考にさせていただいた」という。
 オリックスでの9年間で7年連続首位打者。5年連続200安打以上(94年の210安打は日本最多)もマークした。メジャー挑戦は01年から。それまでは投手ばかりだった日本人選手の腕試しに、あえて挑んだ理由は「打者でも通用するということを証明したかった」から。
 メジャー7年で首位打者2回(01年・350、04年・372)最多安打3回(01年242、04年262、06年224)盗塁王を1回(01年56)は、見事に日本人打者の実力を証明。長打が高く評価されてきたメジャーに「コンタクトヒッター(当てるのが得意な短距離打者)の価値を大いに高めた」ことになる。
 「本塁打者は高級車(キャデラック)に乗れ。シングルヒッターは大衆車(フォード)でいい」と豪語したというかつての本塁打王に、イチローの存在価値をただしてやりたい。
 オールスター戦での史上初のランニング本塁打、MVPを足場に、イチローはいよいよ後半戦で3度目の首位打者に挑戦する。「そのころを見計って応援に行きたい」というチチローさん。マリナーズも、1番打者・イチローに引っ張られて球団史上初のワールドチャンピオンの座を狙う意気込み。
 「第3の故郷」シアトル(イチローは「第1は神戸、第2は名古屋」といっていた)を見捨てなかったイチローに、本拠地セーフィコ・フィールドスタンドの声援が、試合ごとに高まってきている。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
THANK YOU FOR YOUR PROMPT REPLY
サンキュー フォー ユア プロンプト リプライ
早速のお返事、ありがとうございます
 Hi! 皆さん。 学生は夏休みですね。エネルギーが渦巻いている感じです。新しい職場で、新任務に挑戦される方も多いと思います。私も8月から小平学校で英語教官をすることになりました。色々な方と会えるのではないかと、わくわくしております。そのときは、声をかけてくださいね。

 今回の表現は、Thank you for your prompt reply「早速のお返事、ありがとうございます。」です。電話口或いはEメールの冒頭で使います。その一言が大事という表現の一つですね。この一言が出れば、次の調整やお願いはうまくいくというもの。言葉を惜しまず、丁寧に対応していけば、万事うまくいくものですね。Promptのかわりにquick、replyのかわりにresponseを使うこともできます。クイック・レス(迅速な対応:quick response)は、外来語になっていますね。よく耳にします。
 7月早々、台風が上陸し、直後に地震があり、災害派遣で自衛隊が直接国民に奉仕する姿をテレビ等で見かけます。すばらしい仕事ぶりですね。本当に誇りに思う瞬間です。派遣は継続されると思いますが、健康に留意して頑張ってください。被災地の一日も早い復旧を祈念しています。暑い日が続きますが、無理をしないように健康に留意してお励みください。
 それでは、皆さん。See ya!〈スワタケル〉


防衛ホーム 俳句コーナー
蝸牛人も見えなき殻を負ひ 小川 淑子
秋の雲交友と言ふ師の句ふと 岡野アイコ
蟻の列木彫に入るもくづれざる 小向 青穂
囮鮎休ませてゐる生簀箱 山口 生石
浴衣着てやまとなでしこらしくなり 晴山 雅之
好きな道好きに歩きて天高し 清水 春生
爽やかや日にちぐすりといふ言葉 駒野 英明
おもひ草思ひの丈のそれぞれに 生嶋千代女
阿蘇五岳同じ色なる夏霞 山口 寛子
槍穂高繋ぐ空あり雲の峰 宮本 立男
特急の十勝貫く豊の秋 坂元 順一
同じ人にまた会ふ径ちちろ鳴く 大平 光枝
嫁す人の瞳にうつる秋桜 戸部 弘美
雨の音遠くに去りて虫の夜 益子 千翠
竜飛から緑の蝦夷は指呼にあり 榎 利美
梅雨深し緊迫のあと射撃音 一ノ瀬昭雄
万緑の中に溶けこむ心かな 岩崎 政弘
?の声子供の頃を思ひ出し 岩村つとむ
路地裏に祇園囃子の音流れ 松村久美子
金魚見て女の一日暮れにけり 森 未知子
灸花絡みし草と揺れつづく 相沢富貴子
哭いてゐるやうにも聞こゆ法師蝉内井紀代子
とりどりに小さき水着の干されたる辰 巳 一郎
草いきれ母の匂ひをなつかしむ 細野 清子
地の熱りまだ冷めやらぬ星月夜 塩見 淳子
踊子を待つレコードの高鳴りに 鈴木 吟悠
  選 者 吟
爽やかに海は朝より怒濤生み 保坂 伸秋
(「栃の芽」誌提供)
 「栃の芽」誌をご希望の方は〈栃の芽会連絡先=畠中草史氏電話042・796・0961〉へご連絡下さい。

イラク派遣を終えて シリーズ
空自第1輸送航空隊 第401飛行隊(小牧) 2空尉 松 葉 洋 一
初めて派遣輸空隊に参加
 私は、第10期派遣輸空隊の飛行隊要員として派遣されました。派遣輸空隊ではC-130輸送機を以って空輸任務に就いています。パイロット、コパイロット、ナビゲーター、エンジニア、ロードマスターの各クルーが乗り込み1機のC-130輸送機を運航しています。私はそのうちコパイロットに当たり、機長の補佐と管制機関との交信が主な役割となります。
 この第10期前段の飛行隊要員として日本をC-130輸送機で出国したのは7月12日でした。南西諸島方面に接近していた台風に影響を受けつつも各経由地を経て無事にクウェートのアリ アル・サレム基地に到着したのは7月16日の午後でした。駐機場に入りエンジンを止め、地上に降りた第一の感想が「空気が熱い!」でした。その到着した当日、天候はそれほど悪くはありませんでしたが、風がやや強く若干砂を巻き上げて吹き付けてくる感じでした。夏場の最高気温は50度近いということは前もって聞いてはいたものの砂の混ざった熱風を感じたときは、これが中東かと改めて思いました。
 程なくして申し受けも終わり任務運航が始まりました。第10期では陸上自衛隊の撤収に始まり、バクダッドをはじめとする任務先の拡大、国連支援開始などありましたが、無事に今期の任務を終えることができました。もちろんこれらの任務はこの期だけのものではなく引き続き実施されていくものです。C-130輸送機を運用するという面では、その運用方法は若干異なるものの離陸、巡航、着陸という飛行の流れとしては日本国内外で大きく変わるところはありません。
 しかし、日本の空を飛行する場合と決定的に違うことがあります。それは、脅威が潜在的に存在するということです。航空機の安全を確保しつつ空輸任務を達成することが第一ですが、「もしかしたら対空攻撃を受けるかもしれない」という緊張を毎回の任務で感じていました。
 生活面については充実していました。何よりも毎食の日本食には助かりました。時間的にゆとりがあるときは運動をし、DVD鑑賞や読書等で、基地内生活を過ごしました。家族には派遣期間中、会うことはできないので、メールや電話での会話を楽しみにしていました。特に家族からの応援の声は派遣期間中を通し、心の支えとなりとても感謝しています。
 今回初めての派遣輸空隊勤務は、いい経験となりました。この経験を活かしていきたいと思います。

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