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   2007年7月1日号
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高崎市民の要望に応える
《東京音楽隊》
トランペットソロなど聴衆を魅了
演奏会客席から手拍子も
 海自東京音楽隊(隊長・熊崎博幸2佐)は、群馬音楽センター(群馬県高崎市)で開催された高崎市主催の演奏会に出演した(=写真)。高崎市は、「音楽のある街・たかさき」をスローガンに演奏会等を中心とした文化事業を積極的に推進しており、今回は「海上自衛隊のセントラルバンドの演奏をぜひ聴きたい」との同市民の声に東京音楽隊が応えたもので、当日は天候にも恵まれ、会場は開演前から聴衆で溢れかえり関係者を喜ばせた。
 演奏会は熊崎隊長指揮で、ベルギーの作曲家ファン=デル=ローストの作品から「ダイナミカ」で幕を開けた。ヨーロッパ作品特有の勇壮さと流麗さに溢れるこの曲は、オープニングにふさわしく躍動感に満ちたものとなっていた。「華麗なるブラスの響き」と題した前半では、クラシックの名曲を中心にプログラムが組まれていた。2曲目と3曲目にはロシアの作品が取り上げられ、まずアニシモフ作曲「ポエム」をホルン独奏で、続いてラフマニノフ作曲「ヴォカリーズ」をコントラバス独奏で演奏した。「ポエム」では、牛島慶子士長によるホルンの張りがある音色と歯切れ良い演奏が、ロシア音楽が持つ力強く豪快な側面を見事に体現する好演となった。また、「ヴォカリーズ」では、岩田有可里士長によるコントラバスの豊かな響きとロマンチックな演奏が、ロシア音楽が持つもう一つの側面である、哀愁漂う繊細な旋律と相まって聴衆を心酔させた。次に日本の作品から真島俊夫作曲「三つのジャポニスム」を演奏した。日本全国に伝わる印象的な民謡やお囃子を題材とした、複雑で少し怪しげながらどこか懐かしいリズムやメロディーが、熊崎隊長のタクトにより彩り鮮やかに描き出され聴衆に深い感動をもたらしていた。前半最後は、アメリカの作品からキャンプハウス作曲「トリビュート」を演奏し、迫力に満ちたドラマティックな演奏と、華麗なブラスの響きに、客席からは盛大な拍手が贈られた。
 休憩を挟んで後半は、ラテンのナンバーから、チック・コリア作曲「スペイン」で華々しく幕を開けた。「永遠のスタンダード・ナンバー」と題した後半では、ジャズやラテンの名曲の数々を演奏し、中でもモンテルデ作曲「マカレナの乙女」では、堀田和夫曹長の堂々たるトランペット・ソロに聴衆は圧倒され、割れんばかりの拍手が巻き起こり、ロジャース作曲「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」では、コンサートマスターである宮越総己1曹がつむぎ出すアルトサックスの艶やかな音色としなやかな歌いまわしに感嘆の声ももれていた。終盤には趣向をガラリと変え、木管アンサンブルで「星に願いを」を演奏し、その透明感溢れるハーモニーで聴衆を魅了した。プログラム最後は、再び編成を吹奏楽に戻して真島俊夫編曲「マンボ・イン」を演奏し、リズミックでエネルギッシュな演奏で聴衆を引き込み、ホール全体が一体となる華やかなステージでプログラム終了を飾った。
 盛大なアンコールに応えて、フランク・シナトラの名曲「マイ・ウェイ」、おなじみ「軍艦行進曲」、そして東音の演奏会では定番となった「トリステーザ」を客席からの手拍子とともに演奏し、大盛況のうちに終演を迎えた。演奏の余韻を胸にしまい、楽しげに帰路に着く聴衆の姿が印象的だった。

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