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   2007年5月1日号
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能登半島地震に災派
安倍首相、自衛隊機で被災地視察
 3月25日午前9時42分頃、能登半島沖を震源とする震度6強(M6・9)の強い地震が発生。輪島市内で女性1人が死亡し、石川、富山、新潟の3県などで負傷者は約200名に達した。また、余震が頻発、150棟以上の家屋の全半壊やがけ崩れ、道路の陥没なども相次いだ。
2800派遣隊員、給食・給水など支援
 防衛省では、地震発生直後から災害対策室を設置するとともに航空機による航空偵察を実施した。午前11時8分、石川県知事が陸自金沢駐屯地司令(第14普通科連隊長)に対して災害派遣を要請。陸自災害派遣部隊は、輪島市門前町で給水・給食支援、毛布の貸与、入浴支援を、また鳳珠郡穴水町羽咋郡志賀町、七尾市中島町などで給水支援を行った。
 4月8日の撤収までに災害派遣活動に従事した部隊は、陸自が▽第14普通科連隊(金沢)▽第372施設隊(鯖江)▽第382施設隊(富山)▽第10偵察隊(春日井)▽第10施設大隊(春日井)▽第33普通科連隊(久居)▽第10化学防護隊(守山)▽第10戦車大隊(今津)▽第10後方支援連隊(春日井)、空自が▽第23警戒群(輪島)▽第9移動警戒隊(小松)で、派遣規模(延べ)は人員約2730名、車両約1050両(水トレーラなど含む)、航空機約60機に達した。
 また、安倍晋三首相が同13日、自衛隊機で東京と被災地を往復し、避難所などを視察、直接被災者に声をかけて激励した。なお、政府は翌週20日の閣議で、能登半島地震を激甚災害法に基づく激甚災害に指定した。

「土俵開き」と「観桜会」開催
《大村駐屯地》
 3月27日、大村駐屯地(司令・河井繁樹1佐)では、駐屯地の協力者と各隊のOB会、更には佐世保米海軍基地の軍人等を招いて、「土俵開き」と「観桜会」を開催した。
 この日は、午前中降っていた雨も上がり、午後3時から来賓と各隊員が見守る中、河井司令、各部隊長が参列し、神事として「竣工祭」が厳粛に行われた。次いで、駐屯地各部隊から相撲の代表選手が回しを締め、白熱した取り組みを繰り広げた。また、長崎県相撲協会副会長である平野氏が相撲甚句を披露、野太い声で隊員達を魅了した。
 その後、場所を移して駐屯地営庭で観桜会が行われた。冒頭、駐屯地OB会長の岡 三略氏が「素晴らしい土俵開き、観桜会を隊員の皆さんとご一緒する事ができ、大変嬉しい」と挨拶したあと懇談が始まり、第16普通科連隊音楽部による音楽演奏や隊員の歌を聴き、また、各隊・中隊が用意した料理を食べながら、隊員達は関係者とともに楽しい話題に花を咲かせた。

先崎前統幕長が殿堂入り
AWC「The Hall of Fame」
 先崎一(まっさき・はじめ)前統幕長が3月12日、米陸軍戦略大学(AWC)のThe Hall of Fame(顕彰ホール)に殿堂入りした。これは、留学生卒業者が当該国の陸軍参謀長以上に就任した場合に顕彰されるもので、日本からは1992年に顕彰された西元徹也(にしもと・てつや)元統幕議長以来2人目。
 顕彰式には、防衛駐在官の原田智総1佐、AWC留学中の前田忠男1佐夫妻、連絡官の河津賢一2佐、日本人協力者のジョージ岡夫妻、皐月スウィシャー夫妻、元在日米軍のジョーマニング元大佐夫妻、前田1佐のミリタリースポンサーのトーマスマクマヌアス夫妻をはじめ関係者約300人が出席した。
 最初に、AWC在籍の大使がブッシュ米大統領の親書を紹介したあと、顕彰状の授与や先崎前統幕長の経歴の紹介などが行われた。次いで、この日は所用のため欠席した先崎前統幕長にかわって河津2佐が先崎前統幕長の親書を代読、栄えある式典を終了した。

警務隊マスコット
「警太くん」初登場
 4月1日、絶好の花見日和に、市ヶ谷駐屯地恒例の市ヶ谷祭(観桜会)が開催され、部隊観桜会では警務隊本部、本部付警務隊、第302保安中隊及び警務隊OB、隊員家族を交えた約200名で合同観桜会が行われ、大いに盛り上がりました。また本会にあわせ警務隊マスコット「警太くん」もお披露目され、今年度末の警務科部隊改編による警務科職種のさらなる精強化と、全国駐(分)屯地及び海外において日夜、部隊の規律維持に活躍する警務科隊員の強固な団結を期待させる一日となりました。(警本)

イラク派遣を終えて シリーズ
家族の声援胸に
米軍、クウェート軍と調整
空自第2航空団 整備補給群補給隊 2空尉 兼松 忠輔
 イラク復興支援に行くかどうかの話が来た時、私は親や妻にも相談してみました。すると、妻からは「とても心配だけど、良い経験になると思うから」、また、親からは「国際貢献ができるんだから、がんばってこい」と後押しされ、自分も迷うことなく行くことを決心しました。
 私は、第10期イラク復興支援派遣輸送航空隊の補給小隊で、7月中旬から11月中旬の約4ヶ月間勤務しました。
 7月中旬、クウェートに降り立った時は、日本のようなジメジメした暑さではなく、ただ焼き付くような暑さで、思っていたほど汗をかきませんでした。噂に聞いていた50℃の暑さとは、このことだったのかと体感することができ、感動しました。
 私がクウェートでしていた仕事は、主に任務に必要な航空機部品、隊員の被服や生活・仕事に必要な物品の補給や維持・管理をすることでした。日本ばかりでなく米軍やクウェート軍とも調整することもありました。私はあまり英語が得意ではないため、米軍と調整する時は、あらかじめ聞きたいことを英語で書いて、それを覚えてから調整するというやり方をとりました。米軍の人と話している間、真剣に聞いているうちに、相手の言いたいこと、伝えたいことがだんだん分かるようになり、英会話もとても楽しく感じられるようになりました。
 休日には、クウェート市内へ外出してみましたが、私が想像していたよりも立派な町並みに驚かされました。現地の人から「どこから来たの?」と聞かれることがあり、「日本から」と答えると、フレンドリーに話しかけてくれて、日本人にとても好意を持っているようでした。これまでのイラク復興支援の為に、いろいろ努力してきた結果が、こういうところに表れているんだなと感じました。
 クウェートには、日本の電化製品や車が数多く見かけられ、とても親近感が湧きました。世界から見れば、日本は国の面積が小さいのですが、このような光景を見ると、世界の国々に日本が大きく貢献している事実を間近に感じることができました。
 自衛隊は、今後も海外において活躍する機会が増えていくことになるでしょう。英語を更に上達させ、自分ができることを一つ一つ着実に実行して、日本のため、世界のために貢献していきたいと思っています。

話題の新刊
日本のミサイル防衛
 昨年7月5日、北朝鮮が7発の弾道ミサイルを発射、続いて10月9日には地下核爆発実験を強行して、日本をはじめ国際社会に大きな衝撃を与えた。特に、日本ではミサイル防衛への関心が急速に高まってきた。
 本書は、(財)日本国際問題研究所が平成17年度に実施した研究プロジェクト「ミサイル防衛」の研究成果に基づき、ミサイルの脅威に対する総合的方策を模索し、これを実現するための政策課題や提言をまとめたもので、著者は金田秀昭(元護衛艦隊司令官、海将)、小林一雅(元5術校長、空将補)、田島洋(国際BMD会議日本代表委員)、戸ア洋史(日本国際問題研究所研究員)の4氏。各氏とも、安全保障分野のエキスパートで、本書の内容も「ミサイル防衛」に関して的を射た質の高い政策が全体を通じて述べられている。
 第1部「ミサイルの脅威への対応」、第2部「積極防御策としての弾道ミサイル防衛構想」、第3部「ミサイル攻撃に対処するための総合的方策の完成」の3部から成り、さらにその中が13章にわたって具体的に各テーマを詳述している。
 ミサイル防衛の問題をあらゆる角度から分析、解説した現代日本人必読の書である。((財)日本国際問題研究所刊。定価3600円+税)

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