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   2007年2月1日号
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イラク派遣を終えて シリーズ
家族の差さえが一番の励みに
隊員の健康管理に従事
航空医学実験隊第4部 1空曹 真高 教文
 春先の桜が散り始めたのを見届けて、私は第9期イラク復興支援派遣隊の衛生要員として、クウェートの地へ派遣となりました。夏には気温50度前後と日本とは異なる、厳しい気象条件の中、任務を清々と行う隊員の健康管理に従事してきました。勤務している隊員や駆け足をしている隊員に対しては同じ派遣隊員同士、常にコミュニケーションを図り、衛生がいつもスープの冷めない距離に待機しているという安心感を醸成できるように心掛けました。その甲斐あって、全員無事に帰国することができ、現在は安堵しております。
 4ヶ月間の派遣期間中は、陸上自衛隊の撤退とも時期が重なり、陸上自衛官の隊員の方々との交流もあり、任務完遂のために協力し合うこともでき良い体験ができました。また急病人や怪我人などの発生時は、言葉やシステムの違いに、外国での実任務であることを実感し、戸惑うこともありましたが、慣れない英語を駆使して米軍の衛生にお世話になり、患者搬送するなど貴重な経験をすることもできました。
 この派遣期間を通じて私が得た教訓は、第一に最善を尽くすこと、第二に思いやりの気持ちを持ち続けること、第三に常に任務を見失わないことでした。
第一の最善を尽くすことですが、クウェートでは、体を壊して誰かが欠けてしまったりすると、すぐ任務に影響が出ます。実任務の厳しい現場では、我々要員各自が健康管理に自覚を持つとともに、限られた装備品、予算の中で、最善を尽くすことこそ任務完遂のためには必要であります。
 第二は思いやりです。現地では、日本にいればつい見逃してしまうような些細なことも誰かが責任を持って分担して行っています。そのため、任務のつなぎ目のようなところで、他人への思いやりやちょっとした親切が、次に続く任務の円滑な遂行のためには欠かせないこともわかりました。
 第三は任務を見失わないことです。実任務では結果が全てです。任務を達成できなければどんなに遅くまで仕事をしていても、準備が完璧であっても失敗です。自分の今やっている仕事、受けたことなどを任務に鑑み、ミスは無いか?など、ちょっとした視線の変化を常に意識しながら判断し、効率よく任務を行う必要がありました。
 このように貴重なイラク復興支援での実任務の経験が有意義に過ごせたのも、スタッフとのチームワークが無事に任務を遂行できた原動力であり、また、遠く離れた家族の支えがあった事が一番の励みになりました。最後に今回の派遣にあたり、部隊を始め支援して頂きました関係部署の方々に対し、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

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