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   2006年12月15日号
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大人気の航空祭を開催
《築城 新田原》
迫力の展示飛行などに拍手喝采
天気に負けない大歓声が響きわたった築城基地(11月26日)
 勇壮、爆音、感激。九州中枢の二航空基地、築城、新田原の航空祭を訪ねた。共に航空団を持つ基地だけにリピーターも多く、部隊に愛着をもったファンが大勢押し掛けた。両航空祭とも今年度から駐車場の制限や脚立の禁止など以前にはなかった規制もあったが、トラブルもなく無事に熱気に包まれた一日をそれぞれ終えることができた。
築城基地
 11月26日、航空自衛隊築城基地(司令・入澤滋空将補)で、恒例の航空祭が開催された。小雨が降ったり止んだりの2年続いてあいにくのお天気。大勢の徹夜組の熱意に開門予定8時を待たずにゲートをオープン。大きなカメラバックを抱えた人などが猛ダッシュ。その時は降りしきった雨も途絶えた。
 F―2・F―15によるオープニングフライトに始まり、U―125・UH―60Jの救難展示と続く。雨の中での第12飛行教育団の学生によるドリル演奏には、皆釘付けに。音楽まつりを思わせる最後の空砲の音で、ハッと目の覚めた表情を見せる観客が印象的だった。
 13時からのブルーインパルスのアクロバット飛行は残念ながら中止。しかし単に「中止です」とアナウンスするだけではなく、5番機が天候の確認飛行をするなど「俺たちを観て欲しい、ここで飛びたい」というチームの熱意が伝わる中止であった。ブルーインパルスの中止を告げると「あ〜あ」という落胆の声が大きく聞こえるものだが、今回は拍手も聞こえ納得の雰囲気だった。
 今年から一般駐車場の用意はない。しかし、駐車場がなくても、去年との来場者の数はほとんど変わらない2万人。航空祭を開催する基地隊員の努力だけでなく、商店街に軒並み貼られたポスター、臨時電車を走らせる日豊本線、臨時改札口を作る築城駅など地域の協力もひしひしと感じる。来年こそはぜひ晴天の航空祭が見たい、とつくづく思った。
新田原基地
 快晴の12月3日。第49回航空自衛隊新田原基地(司令・吉田浩介空将補)航空祭が行われた。前日は宮崎では珍しいほどの強くて冷たい風が吹き飛行が心配がされていたが、この日は雲ひとつない。
 9時からの編隊飛行に始まり、目も耳も休む間のないほどの迫力ある時間が続く。飛行教導隊のあるニュータならではの迷彩塗装のF―15。そのアグレッサーの機動飛行には「うぉー、うぉー」と叫び声のような声があがる。そんな中を隊員に守られて花電車が走り、隊員の人気を競う人気投票が行われ、基地太鼓部の力強い太鼓演奏が行われる。楽しく忙しいのが新田原基地航空祭。
青空に映えるフルーシンパルスが華麗な曲技飛行で観客を魅了した
(12月3日、新田原基地で)
 途中で吉田浩介基地司令の挨拶が放送で流れた。まるで空を飛んでいる民間航空機の中で聞く機長の挨拶のよう。今航空祭の会場にいることを再認識した。
 午後からは、陸自第1空挺団による落下傘降下。10コの金色の傘が次々に開きコントロールした着地に会場は歓声をあげる。続いてブルーインパルスの曲技飛行。次々と繰り広げられる展開に目も口も空きっぱなし。
 「いつもは基地南駐車場でカメラのレンズからしか見ないけど、肉眼で観るとやっぱりいいね」と地元のファン。自衛隊機ファンにはたまらない撮影ポイントの基地南駐車場に今年は入れない、脚立の使用も禁止。それでもやっぱり新田原基地航空祭は大人気で8万人の人が訪れた。

雪月花
 全国の部隊でも、そろそろ門松が目立ちはじめた。器用な隊員がいて、幼い頃から見慣れてきたプロの門松そっくりな松竹梅を飾り付ける。とにかく日本の正月は、大小にかかわらず門松やしめ縄がないと様にならないのである。というわけで、今年も、もう暮れる。羽子板市は師走、ダルマ市は年明け、夏越しの輪くぐりは盛夏、そのほか、ほうずき市、朝顔市など、わが国には実に縁起物まつりが多い。だが、そうした縁起物は、誰が、どこで作り、誰が卸しているのかを知っている人は意外に少ない。暮れの17日から、東京・浅草の観音さま(正式には金竜山浅草寺の境内、特に本堂の左右では、恒例の「羽子板市」がたつ。師走の風物詩としてテレビニュースなどで放映されるので、ほとんどの人は知っている。一枚何十万円の超高価なものから、五百円、千円の手ごろな羽子板まで満艦飾さながら売られている。「イヨー、シャンシャン」の手締め。まさに「もういくつ寝るとお正月…」風景である。だが、この華やかな市だけで帰ってはいけない。本堂の裏手をのぞいてみよう。そこに約十軒。門松、しめ飾り、色海老、しめ縄などの「お正月飾り」が、ごっそり売られている。小売りはしない。街のいなせなお兄さん達が、まとめ買い。その兄さんが、今度は、みなさんの街角に「正月飾りの小店」を出して売っているのである。“ガサ市”といわれるこの本堂裏の“市”を見逃しては損である。同じように「雛人形」は埼玉の岩槻、「達磨」は群馬県高崎など主な産地である。人形屋さんの店先で「きれいだな」と感心してばかりいないで、休みの日にちょっと足を延ばせば、意外におもしろいものに会えるかも知れない。阿寒湖畔の熊の木彫りのほか、ユーカラ織り。博多のウリ替えの“ウリ”のように、その土地でしか見られないものや、それにまつわる話を聞くことができるはずである。雑学もりっぱな知識である。日ごろ、“兵学”にばかり触れている隊員諸氏。故郷を離れて駐屯している場所のいろいろを調べては如何。○○百話などができるかも。読者のみなさん。いいお年を―。(吉田)

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