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   2006年12月1日号
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3グループ、8人を表彰
防衛調達基盤整備協会
昭和54年から通算166件
研究開発・生産技術向上に寄与
 平成18年度「防衛調達基盤整備協会賞」贈呈式が11月24日、守屋武昌事務次官、飯原一樹経理装備局長、横山文博装備本部長をはじめ来賓多数を迎え、グランドヒル市ヶ谷で行われた。
 これは、防衛調達基盤整備協会(宇田川新一理事長)が公益事業として同賞を設け、防衛装備品の生産や調達に関連し自主的に民間で行われた研究開発・生産技術の向上などで特に優れた業績を挙げた技術者等のグループまたは個人を表彰しているもので、今年度は3グループ、8人が受賞した。同協会では昭和54年から同賞の贈呈を行っており、今年度で通算166件にのぼっている。
 贈呈式は午前11時から始まり、受賞者の功績概要の紹介に続いて宇田川理事長が受賞者一人ひとりに賞状と副賞を贈った。
 宇田川理事長の式辞、守屋事務次官の祝辞に続いて、各受賞者代表が研究開発の経緯を振り返りながら謝辞を述べた。
 引き続き、場所を移して記念祝賀会なども催された。
 今年度受賞概要は次のとおり(順不同、敬称略)
 ▽「艦船用廃棄物処理装置の研究開発」=三井造船(株)(後藤英親、山田眞吾、分島孝雄)▽「八九式小銃用空包発射補助具(閉所戦闘用)の開発」=豊和工業(株)(中村貴、正木久義)▽「小銃てき弾用分離飛しょう方式の考案」=ダイキン工業(株)(河野幹、三好秀貴、日野健一)

滝川駐屯地で合同企業説明会
 滝川駐屯地は、11月9日、札幌コンベンションセンターで実施された第2回合同企業説明会に参加した。
 参加した任期制隊員(第10普通科連隊14名・第314基地通信中隊滝川派遣隊1名)は、午前9時に受付を済ますと、札幌地方協力本部の事前教育を受けた後、午前10時から企業136社が待ち受ける会場に颯爽と乗り込んだ。今年度任期を迎える隊員にとっては、これが最後の企業説明とあって、多少緊張気味だったが、積極的に自分をアピールすべく、真剣な眼差しで企業の説明に耳を傾けていた。同行した中隊長、援護担当者及び班長は心配そうに隊員の面接を見守るとともに、隊員の反応に一喜一憂する場面も見られた。中には意中の企業がなかなか決まらず中隊長や班長に相談する隊員や「牽引免許が無いから厳しいです」と言った問題も浮き彫りになり、改めて援護業務の難しさ・厳しさが伺われた。
 午後3時の終了間際まで必死で企業と面接し、就職したい企業をリストアップし本部に提出を終えた隊員達の顔は、多少の不安も抱えつつ満足感で溢れていた。
 8社以上回った隊員もおり、最後は疲れた様子で会場を後にした。彼らの熱い思いが企業に伝われば、必ず再就職の道が開かれる。なお、同日、駐屯地司令及び業務隊長が会場を訪れ、隊員の奮闘ぶりを視察した。

竜巻被害で災派
《25普連》
北海道佐呂間町若佐地区
崩壊家屋の撤去など実施
 11月7日11時頃、北海道佐呂間町若佐地区で発生した竜巻により、死傷者35名、家屋全・半壊50棟以上の大きな被害を受けた。
 同日17時30分、北海道知事から遠軽駐屯地司令(手塚信一1陸佐)に対し災害派遣要請がなされ、同日、支援物資輸送のため第25普通科連隊の6名が避難所(佐呂間町武道館)に毛布400枚を貸し出した。
 翌8日8時50分から佐呂間町役場で、溝手顕正防災担当大臣、武部勤衆議院議員、高橋はるみ北海道知事、堀次郎佐呂間町長、安達副連隊長らが参加して対策会議が行われ、同日午後からは同連隊から約120名を投入し、倒壊家屋の撤去等を行った。
 連日、雨が降りしきる悪天候の中、災害派遣を継続、11日に北海道知事から撤収要請がなされ同日16時30分をもって災害派遣を終了した。この間、人員約400名、車両約80両を投入し、人命救助システム入組品のエンジンカッターやチェーンソーを使用して大きなトタンや木材を切断するなどして、大型車両約260台分にも及ぶ廃材等を運搬した。部隊では、この竜巻で亡くなられた方々のご冥福と一日も早い復興を祈っている。

陸・海・空4部隊合同で自衛隊記念日祝う
《大村駐屯地》
 10月15日、大村駐屯地(司令・河井繁樹1陸佐)で、長崎県大村市と五島市に所在する、陸・海・空4部隊合同での自衛隊記念日行事が開催された。
 この日は、快晴にも恵まれ、式が始まる前から、多くの来賓及び家族が駐屯地を訪れた。観閲式には、大村駐屯地及び竹松駐屯地(司令・藤本憲司1陸佐)所在部隊(陸自)、第22航空群(司令・鮒田英一海将補、海自)、福江島分屯基地(司令・久野浩2空佐)所在部隊(空自)が参加した。観閲部隊は指揮官の第16普通科副連隊長・内藤一利2陸佐の指揮の下、陸・海・空の各部隊が整然と整列し、陸・海・空観閲官の4司令に対し、力強い敬礼を行って式典は開始された。隊員約900名、車両120両参加による観閲行進では、行進中、各部隊員が颯爽と歩く姿を見て、観客からは沢山の拍手が送られた。また、車両部隊が登場すると、普段見慣れない数々の車両に観客の目は釘付けになった。また、第22航空群と大村航空隊のヘリコプターによる観閲飛行では、駐屯地上空にヘリコプターのローター音が響き渡り、姿を現すと観客からは、歓声と拍手が送られた。
 その後、竹松部隊による躍動感溢れる竹松ホーク太鼓が披露された。雄大な太鼓の音色に、訪れた子供達の中には演奏に合わせて楽しく踊っている姿も見受けられた。続いて行われた大村駐屯地音楽集合訓練隊と第四師団音楽隊による音楽演奏は、レパートリー豊富な曲目に、観衆からは盛大な拍手が送られた。隊員参加の格闘・銃剣格闘の展示では、隊員の日頃の訓練成果が実り、敵を圧倒せんばかりの気迫が漲り、緊迫した空気が流れ、実戦さながらの迫真の演技が披露された。催し物と併せて行われた装備品展示、体験試乗、広報コーナー等にも、多くの見学者が集まり楽しんでいた。午後からは全国でも数少ない市中パレードが行われた。このパレードは、駐屯地と同じ規模のパレードを大村市内でも実施するもので、多くの市民が見守る中、陸・海・空自衛隊の力強い姿を披露した。

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 第4号(2006年11月2日配信)には、安倍総理が「海を守る自衛隊」の題名で海上自衛隊の活躍を称えるメッセージを書かれています。
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夢は映像作家
小島2佐、経験活かし定年後起業を目指す
「感動映像」をテーマに自衛隊ビデオを制作
 陸上自衛隊での公私にわたる様々なビデオ映像制作経験を活かして、定年退官を機に本格的な映像制作活動を目指そうとしている幹部がいる。小島肇2陸佐(現北海道補給処付)が、その人である。
 小島2佐が初めてビデオカメラを持って撮影を始めたのは22年前。倶知安駐屯地で担当したレンジャー教育において学生たちの訓練ぶりを撮影編集し教育修了記念に学生たちに渡したところ、これが大好評だったことから映像の持つ「パワーと魅力」に目覚めたと言う。
 第11師団広報室長時代には映画「マドンナのごとく」に協力、自衛隊側担当者として2ヶ月間にわたり映画撮影の現場に立ち会うとともに自衛隊の真姿を伝えるべく数々のアイデアを出し映画制作スタッフを感激させたこともあった。その後もレンジャー教育の度に記録ビデオを制作したが、当時取材に訪れたプロのカメラマン阿達勝志と知り合ったことから映像制作の奥深さにさらに魅了され、とうとう業務用カメラを購入し趣味ではあるがYOSAKOIソーラン祭りなど部内外の様々な映像を撮影するに至った。
 そして、平成7年に大林宣彦映画監督が審査委員長を務める「ふるさとビデオ大賞」において、親のふるさとである九州の夏休みを道産子の子供たちが体験するというテーマの作品『ふるさと・ひと夏のメモリーズ』が見事グランプリを獲得。大林監督から「作品の構成力」と「選曲のセンス」を高く評価されての受賞だった。これを契機に国内の数多くのビデオコンテストで上位入賞するなどプロ顔負けの実力を身につけた。地元テレビ局が主宰するビデオリポータークラブの撮影編集の技術ランキングでは最上位の「グランドマスター」の称号にも輝いた。北方総監部では春夏秋冬の映像資料を駆使し外国武官用の英語版ブリーフィングビデオを制作上映、来訪した在日米陸軍司令官から絶賛されたことも。このような公私にわたる様々な映像経験を買われ、平成14年に札幌ドームで開催された北部方面隊創隊50周年記念行事では、演出映像班長に抜擢され、ドーム内に特設された巨大スクリーンに上映する自衛隊映像の制作統括業務にあたった。
 他に類をみない希有の経験を持つ小島2佐だが、再就職の道を決定するには大変悩んだという。援護センターに退官後の就職先を依頼することを何度も考えたが、「一度しかない人生、とことん好きなビデオで勝負してみたい」「自衛隊幹部で自分ほど映像の世界を体験して来た者は他にいない」との自負心が、映像制作で業を起こす決心につながった。
 小島2佐は本年12月24日に退官の日を迎えるべく最後の職務に邁進しているが、本人が目指す定年後の肩書きは「映像作家」。当面は個人事業として立ち上げ、業務用カメラや編集機を持つ自衛隊の退職者を募り、ビデオ制作チーム「スピリット」を設立予定だ。OBによる自衛隊関連映像を主体の制作活動は自衛隊の広報にとっても大きな力になることが期待されており注目される。『自衛官の心を知り尽くしたOBにしかなしえない感動映像作品を北海道から発信したい』『駐屯地・部隊を紹介する広報ビデオだけでなく隊員個人の自分史ビデオや家族史ビデオなども手がけてみたい』と長年のキャリアに裏打ちされた幅広い映像制作への熱い想いを語る小島2佐だが、夢の実現はもはや目前に迫っているようだ。
 小島2佐の企画に関心のある方はぜひご連絡ください。

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