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   2006年11月15日号
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42団体、85個人が受賞
長官感謝状贈呈式
防衛協力・自衛官募集で功績
 平成18年度防衛庁長官感謝状贈呈式が10月28日、グランドヒル市ヶ谷で行われた。これは、自衛隊記念日行事の一環として防衛協力や自衛官募集で功績のあった方々を表彰するもので、今年度は42団体、85個人が受賞した。
 午後2時、防衛庁・自衛隊の高級幹部をはじめ関係者多数が陪席する中、久間章生長官が受賞者一人ひとりに感謝状を贈呈した。
 次いで、久間長官が挨拶の中で、永年にわたり防衛基盤の育成など様々な分野で防衛庁・自衛隊を支えてきた受賞者に感謝しながら「国内外における自衛隊の任務・役割が拡大し、国政の中での重要性は益々増大している」ことを強調、「防衛庁の省への移行や国際平和協力活動等の本来任務化、米軍再編に関する日米合意の実施、テロや弾道ミサイルの拡散等の新たな脅威への対処などの課題に積極的に取り組んでいる」と述べ、国民の負託に応えるためにも「引き続き変わらぬご支援、ご協力を」と要望した。受賞者代表が今回の表彰に感激した面持ちで「防衛庁・自衛隊のために一層の支援を続けていく覚悟です」と挨拶し、式を終えた。(受賞者名は8面に掲載)

新たに12柱を顕彰
厳粛に中央追悼式
 平成18年度自衛隊殉職隊員追悼式が10月28日、防衛庁慰霊碑地区(メモリアルゾーン)で厳粛かつしめやかに行われ、殉職隊員のご冥福をお祈りした。今年度新たに顕彰されたのは、陸自10柱、海自2柱の計12柱で、警察予備隊以降の顕彰者数累計は1777柱。
 式には、安倍晋三首相、久間章生長官をはじめ防衛庁・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、遺族会等部内外関係団体の長や来賓多数が出席した。
 午前10時、国歌斉唱に続いて陸自中央音楽隊の荘厳な演奏の中、久間長官が新殉職隊員12柱の名簿を奉納した。次いで、陸自第302保安中隊による特別儀仗隊の捧げ銃とともに参列者全員で拝礼、黙祷を行った。
 安倍首相は追悼の辞の中で「御霊は、我が国の平和と独立を守るという崇高な任務に志を抱き、自衛隊に奉職され、任務を遂行中に不幸にしてその職に殉ぜられました。この度、新たに祀られた御霊は12柱であり、訓練中の事故、あるいは勤務中の事故で殉職された方々であります。自衛隊員としての誇りと使命感を自らの行為によって示した隊員を失ったことは、自衛隊全体ひいては我が国にとって誠に大きな痛手であるとともに、御遺族の方々の悲しみに思いをいたすとき、お慰めの言葉もありません。このような不幸な事態が再び起こることのないよう、最善の努力を尽くしてまいります。私達は、御霊の尊い犠牲を無にすることなく、その御遺志を受け継ぎ、国際社会の平和と安全に対する新たな脅威に対処するため、我が国の理念、目指すべき方向、日本らしさを世界に発信し、国際社会と協力して平和が維持されるよう、全力を尽くして参ります。ここに改めて、御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げ、御霊の御冥福を衷心よりお祈り申し上げます」と述べた。
 また、久間長官が「自衛隊は創設以来、国家存立の基本にかかわる我が国の平和と独立を守るという崇高な任務を全うしてまいりました。また、自衛隊は我が国を取り巻く新たな安全保障環境の下で、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応する事が求められるようになりました。近年では、イラク特措法に基づく活動等、国際社会の平和および安全の維持に資する活動に積極的に取り組み、広く内外から高い期待と評価を得ているところでございます。これらの任務の遂行に際しては、隊員一人一人が日々、緊張感と責任感を持って国民の信頼と努力に応えるべく、職務に精励しているところでございます。そのような中にあって、本日顕彰させていただいた方々をはじめ幾多の方々が、旺盛な責任感のもと身の危険をも顧みず、任務の完遂に務め思い半ばにして、その職に殉じられました。我々は、かかる尊い犠牲があったことを決して忘れることはできません。このようなかけがえのない方々を失ったことは、御遺族はもとより自衛隊、ひいては国家にとって誠に大きな痛手であり悲しみに耐えないところであります。私どもは、このような不幸な事態が再び起こらないよう、今後とも最善を尽くします。そして、御霊の偉業を自衛隊員の鑑として永く顕彰するとともに御遺志を受け継ぎ、自衛隊の任務達成にさらなる努力を尽くすことを、ここにお誓いするものであります。また、御遺族の皆様には、できる限りのお力添えをさせて頂く所存でございますので、皆様方におかれましては、お心を強く持たれ、一日も早く悲しみから立ち直られ、そして御健勝あられますよう祈念申し上げます」と追悼の辞を述べた。
 遺族代表の挨拶に続いて安倍首相、久間長官、新遺族、遺族会会長等が順次献花したあと、追悼電文披露、拝礼、特別儀仗隊による弔銃斉射などが行われ、故人を偲びつつ、その志の継承を全員で誓い追悼式を終えた。

安倍首相訓示 観艦式
あらゆる事態に迅速かつ的確な対応を
 本日、自衛隊記念日観艦式に当たり、威風堂々たる艦艇・航空機の雄姿、そして士気旺盛な隊員諸官に接することができたことは、観閲官として大きな喜びとするところであります。
 アンドレ・モーロワは、その著書「フランス敗れたり」の中で「間に合う様に作られたる一万の飛行機は、戦後の五万台に優る」と記していますが、この趣旨は、事に臨んで敏捷な備えを説くとともに、現有の装備をいかに最善の状況で最大限活用するかということを唱えているのだと思います。その意味で、観艦式の場は、我が国の事に当たっての備えという意味で極めて重要な機会と信ずるものであります。
 さて、自衛隊は、我が国の国土及び国民の防衛並びに国家の独立の維持という国の根源的な役割を担う組織として、創設から半世紀以上にわたり、その任務を立派に果たしてまいりました。私は、国家の正に基礎を担うという崇高な使命に向けた諸官の日々の努力と伝統に培われた成果を、大きな誇りとするものであります。
近年、我が国をめぐる安全保障環境は大きく変化し、自衛隊に求められる役割は益々多様かつ重要なものとなってきております。
 去る7月、北朝鮮は、弾道ミサイルの発射を強行し、さらに、10月9日には、核実験の実施を発表いたしました。これは、我が国の安全保障はもとより北東アジア及び国際社会の平和と安全に対する重大かつ深刻な脅威であり、断じて容認することはできません。対北朝鮮経済制裁を含む安保理決議の採択を踏まえ、同盟国たる米国を始めとする関係諸国と緊密に連携し、国家と国民の安全の確保に万全を期してまいります。
かかる諸情勢の激変にかんがみ、危機管理体制の一層の充実・強化や、国際社会の平和と安定に、より主体的かつ積極的に取り組んでいくことは、政府にとっての喫緊の課題であります。このため、防衛庁を省に移行させ、国際平和協力活動等を自衛隊の本来の任務とするなど、必要な体制整備を行ってまいります。
 また、国際社会は、引き続き「テロとの闘い」に取り組んでおり、我が国としても、テロ対策特別措置法に基づく協力支援活動等を継続してまいります。遠く日本を離れ、インド洋において洋上補給などに当たっている海上自衛隊員諸官の努力に心から敬意を表します。
 イラクにおいて、陸上自衛隊が一人の犠牲者も出すことなく、人道復興支援活動等を完遂したことは、歴史に残る偉業であり、厳しい環境の中、汗を流し、活躍した隊員諸官を、私は心から誇りに思います。陸上自衛隊の撤収後も、航空自衛隊が、国連及び多国籍軍の空輸支援を継続しており、今後とも、イラクの復興及び安定に主体的かつ積極的に貢献してまいります。
日米安保体制は、我が国の安全保障の基軸であり、我が国及び周辺地域をはじめとする国際社会の平和と安定に極めて重要な役割を果たしております。現在進行中の在日米軍の再編は、抑止力の維持と地元の負担軽減を通じて、日米安保体制を一層実効的なものとしていくものであり、地元の声に切実に耳を傾けつつ、着実に進めてまいります。
 私たちの国、日本は、世界に誇りうる美しい自然に恵まれた長い歴史、文化、伝統を持つ国であります。
私は、自衛隊の最高指揮官として、諸官と心を一(いつ)にし、我が国の平和と独立を守るという崇高な責務を果たしてまいります。
 諸官におかれても、その双肩に国土の防衛と国民の生命、身体及び財産の安全を担っていることに思いを致し、自らの職務に自信と誇りをもって、日々の厳しい訓練に励み、任務を確実に遂行して頂きたいのであります。
最後に、防衛庁・自衛隊は、常に国民とともにあるとの原点に立脚して、あらゆる事態に迅速かつ的確に対応して、諸官が国民の期待と信頼に真にこたえていくことを切望し、私の訓示と致します。

殉職隊員 肖像画を寄贈
《防衛弘済会》
 平成18年度自衛隊殉職隊員の肖像画贈呈式が10月23日、防衛庁A棟の大臣応接室で行われ、草津辰夫防衛弘済会理事長から久間章生長官に目録が贈呈された。
 式には、防衛庁側から増田好平人事教育局長、武藤義哉内局厚生課長、赤松雅文陸幕厚生課長、飯尾俊政海幕厚生課長、また、防衛弘済会側から石山崇(元佐世保地方総監)、小野寺平正(元第3師団長)、竹田治朗(元第11師団長)の各常務理事等が陪席した。
 殉職隊員肖像画贈呈の経緯は、昭和46年3月、全日本肖像美術協会から防衛庁長官あてに自衛隊関係殉職者の遺族に対して殉職隊員の肖像画を贈呈したいとの申し込みがあり、?防衛弘済会が寄贈受けし、同会から防衛庁長官が追悼式の際に遺族へ贈呈することとなり、以後毎年実施されている。なお、昭和45年以前の殉職隊員の肖像画は、昭和47年から約5カ年をかけて作成し遺族に贈呈したほか、昨年までの贈呈数の累計は1682柱にのぼっている。

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