防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース 防衛ホーム新聞社 防衛ホーム新聞社
   2006年7月15日号
1面 2面 3面 6面 7面 8面 9面 10面 12面

第9師団、青森駐屯地 創立記念行事を実施
堂々の徒歩行進を見せた第5普通科連隊
 第9師団(師団長・角裕行陸将)は6月4日、木村太郎防衛庁副長官を観閲官として第9師団創立44周年記念行事及び青森駐屯地創立55周年記念行事を盛大に行った。
 観閲式は、観閲部隊指揮官第9師団副師団長(兼青森駐屯地司令)の安部壽和陸将補以下青森県・岩手県・秋田県に所在する師団隷下の隊員約1000名が訓練場に整列して行われた。木村副長官の巡閲のあと、角師団長が「歴史と伝統に育まれた我が国土、我が郷土を守る『もののふ』としての気概と誇りを堅持し、『即動できる部隊たれ』『信頼される部隊たれ』『人を育む部隊たれ』を合言葉に、『運用の時代』に相応しい、行動するアクティブな師団及び駐屯地を目指し、引き続き努力していく」と式辞を述べた。
 次いで、木村副長官が「隊員諸官が第9師団・青森駐屯地の良き伝統を正しく継承され、角師団長統率のもと、自信に満ち溢れた精強な部隊であり続け、益々ご発展することを祈念する」と訓示した。
 続いて、第9音楽隊演奏のなか、第5普通科連隊の威風堂々の徒歩行進と各隷下部隊の車両による観閲行進、航空機20機による観閲飛行、第9師団では初めての第1ヘリコプター団のCH―47JAによる展示飛行が行われた。
 その後、大地震の発生を想定した災害派遣の展示訓練が行われ、初参加となる青森県警ヘリの偵察活動や青森県防災ヘリによる患者救出活動、UH―1のヘリ消火活動などの展示に観衆からは盛大な拍手が送られた。
 装備品展示では、OH―1や軽装甲機動車、各種の火砲や装甲車両、人命救助システム、野外手術システムなどの展示が行われ、野外炊事具1号や入浴セットによる実演も行われた。大人気の戦車の試乗では長蛇の列ができ、師団広報のコーナーでは風船をプレゼントされた子供たちは大喜び。その他、様々な催しが行われ、訪れた約7000人の市民は楽しい一日を送っていた。

生地での初訓練 水路潜入などを行う
<海田市>
 第46普通科連隊(連隊長・松村芳治1佐)=海田市=は、実際的な実動部隊の運用を確立するため、レンジャー小隊(小隊長・藤田泰史2尉)に対し、「専門かつ実動的な水路潜入」を命じた。小隊は年度を通じ、潜行浮上、水中警戒などの各基礎訓練をプール施設等で反復演練を積み重ねてきたが、広島県呉市のビーチで6月6日から8日までの間、「課目・水路潜入、細目・上陸基礎」を生地において初めて実施した。
 これまでの水路潜入訓練は、基礎訓練の実施にとどまり部隊の揚陸行動などの水路での訓練は実施されず、生地における訓練要領は具体化されてこなかった。本訓練では個人の身体能力向上に力を注ぎ、軽潜水技術・水中行動能力の飛躍的な向上を図った。また、偵察泳法での前進間の秘匿、水中警戒要領を確立して小隊が安全・迅速に行動できるように演練を重ねた。
 本訓練に参加した隊員からは、「著しく状況が変移する海上でパニックを起こさずに冷静に行動できたのは、常日頃の厳しい訓練のおかげです。今後も鍛錬し、より精神的・肉体的に強くしたい」と語った。

大久保駐屯地に名物献立が登場
 大久保駐屯地業務隊(隊長・小寺修司1佐)は6月20日、今年度から各期1回を基準に「隊員の癒し」を目的とした季節の新献立「大久保まごころランチ」を開始した。
 第1回目のテーマは京都らしさを取り入れた「和」と「夏」を強調した内容で、東寺揚げ(えびのすり身の生湯葉包み揚げ)、天ぷら盛り合わせ、穴子の茶碗蒸し、じゅんさいの酢の物、湯葉のお吸い物、梅しらすご飯、すもものデザートの7品。
 この日は、朝から厨房勤務員、事務室要員が総出で調理盛り付けを実施し、食堂入り口近くには手作りの「のぼり」を立てPRを実施した。その甲斐あってか、喫食率は90%を超え、隊員の評判も非常に良く「毎月でも実施して欲しい」との声もあった。
 糧食班長は「第2回目の来期は美味しい食材豊富な『秋』を計画しています。皆さん舌鼓を打ちにお越し下さい」と話している。

<雪月花>
 ヒルズ族という人種が世の注目を集めて、派手な栄枯盛衰を繰り返している。ここにまた一人ITの若い実業家が登場してきた。伊藤正裕氏22歳。以前、彼の著書を読み興味を持っていたところに話を聞く機会を得た。事業の内容はインターネット上の画像を3D立体化することである。車や航空機、コーヒーカップなどどんな物でもあらゆる角度、方向、位置などクリックひとつで自由自在、内部に侵入してからも見える、手のひらで弄ぶような感じだ。イタリアのある自動車メーカーは受注生産なので膨大な数の組み合わせが必要となるが、この手を使えば外装はもちろん、内装の材質、カラー、タイヤのサイズや溝の深さなど、400万通りにも及ぶ組み合わせをお客の希望どおりに見せる事ができるのだ。伊藤氏はまもなくテレビ、携帯電話、電子複合機など、さまざまな生活密着型の端末で、3Dが日常的に使われるようになると言っている。彼の会社の名前は「ヤッパ」。17歳のときに立ち上げた。その年でイスラエルの企業と立ち向かったり、国内の企業にだまされたり、少ない資本で苦労の連続だった。しかし彼は世界でオンリーワンの会社を作ることと世のためになるものを作る目標を持っていた。「世界の国々はそれぞれの情報セキュリテイの保護のために情報処理システムには独自の対策を講じている。内閣官房という政治の中枢までが、アメリカのソフトであるウインドウズを使っているのは、おそらく日本くらいのものだろう。日本は情報の重要性とセキュリテイに関してまったく無知で無防備な国である。そんな国が独立国家でいられるのはちょっと不思議な気がする」彼はこう強調する。浮かれたヒルズ族ではない。彼自身は、伊藤ハムの創業一家であるが、このことはおくびにも出さない。ウォッチしていきたい青年だ。(所谷)
【参考】「YAPPA17歳」講談社刊

Home
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2008 Boueihome Shinbun Inc