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   2006年6月15日号
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入間A、V10果たす(組手試合団体戦)
全自空手道選手権大会
イラク人選手が招待演武
自衛隊との友好親善図る
演武の最後に日本とイラク友好の旗を掲げる
 全自衛隊空手道連盟(会長・守屋武昌事務次官、理事長・池田整治1陸佐)主催の第45回全自空手道選手権大会が6月3日、日本武道館(東京都千代田区北ノ丸公園)で行われ、北は北海道から南は沖縄までの全自空手界の精鋭多数が参加、全試合とも迫力ある熱戦を繰り広げた。特に今大会には、招待されたイラク人空手道家8人が優れた演武を披露、観客から大きな拍手を浴びていた。
 午前9時、池田大会委員長の挨拶や西和孝審判長と片山幸太郎安全委員長から試合上の注意などが行われたあと、形試合団体戦、形試合男・女個人戦、組手試合男・女個人戦の各予選の幕が切って落とされた。
 昼食休憩をはさんで式典が始まり、池田委員長の開会宣言に続いて壇上に上がったWACとともに全員で国歌を斉唱した。次いで、守屋会長が挨拶に立ち、国内外の現状について触れながら「空手道を通じて自らを鍛え、人格の陶冶、心身の錬磨を」と要望した。引き続き、来賓祝辞、来賓紹介、祝電披露、功労者表彰、優勝杯返還、選手宣誓などが順次行われたあと、イラク空手道連盟の訪日団8人が登場、日頃から鍛えた技を披露するとともに演武の最後に日本とイラクの友好の旗を掲げると、会場から大きな歓声と万雷の拍手が沸き起こった。演武終了後、守屋会長がイラク人選手一人ひとりに激励の言葉をかけながら記念品を授与した。大会見学を終えてイラク人選手は「日本人同士の試合は生で見るのは初めて。大変参考になったので、イラクで伝えたい。日本は人や自然がすばらしい国、世界でナンバーワンだ」と語っていた。
 午後1時半、各試合の準決勝、決勝戦が始まり出場選手は手に汗握る好勝負を展開した結果、組手試合団体戦は入間Aが健軍の8連覇を阻み、10度目の優勝を果たした。組手試合個人戦は羽祢田啓選手が6度目のV、また妻の羽祢田(旧姓・森本)晃代選手が3連覇を達成、夫婦そろっての優勝に輝いた。形試合個人戦では中村圭登選手(海自生徒1年生)が、祖父(野島千佳氏)母(旧姓・野島郁美さん)に続いて3代にわたって全自空手道大会での優勝を達成した。

 大会成績は次のとおり。
 〈組手試合団体戦〉▽優勝=入間A▽準優勝=健軍A▽第3位=朝霞、健軍B▽敢闘賞=防大A、練馬A、入間B、武山
 〈組手試合男子個人戦〉▽優勝=羽祢田啓(健軍)▽準優勝=樋上崇(朝霞)▽第3位=開沼研人(入間)、稲見健二(入間)▽敢闘賞=小川徹(練馬)、福島和諭己(海田市)、丹野宜徳(武山)、浦上直人(富士学校)
 〈組手試合女子個人戦〉▽優勝=太田千穂(防医大医学科5年)▽準優勝=本村咲樹(防大)▽第3位=福島美由紀(呉)、信国郁子(北熊本)
 〈形試合団体戦〉▽優勝=富士学校▽準優勝=江田島▽第3位=健軍、竹松▽敢闘賞=入間、少工校、小牧、三沢
 〈形試合男子個人戦〉▽優勝=中村圭登▽準優勝=矢嶋輝希(朝霞)▽第3位=伊敷一郎(陸那覇)、大岡陽平▽敢闘賞=伊村守人(下総)、日隈経太(江田島)、平野政幸(江田島)、柴田拓也(滝ヶ原)
 〈形試合女子個人戦〉▽優勝=羽祢田晃代(健軍)▽準優勝=信国郁子(北熊本)▽第3位=工藤幸代(松島)、松本美香(練馬)

大久保駐業隊でメモリアル行事
 大久保駐屯地業務隊(隊長・小寺1佐)は1月27日及び5月12日に定年退官メモリアル行事を行った。
 この行事は、定年退官を迎える隊員が付配置を前に自衛隊勤務最後の訓練として、行動訓練又は持続走のいずれかを本人が選択し、自ら練成計画を企画し実行するもので、1月27日は、前隊本部班長・彦坂1尉が20kmの持続走訓練に臨み、約3時間で完走した(写真√)。完走後「この2ヶ月間、正月も含め毎日少しでも走るよう心がけた。計画当初は不安でいっぱいだったが無事完走し、やれば出来ることを実感した」と感想を述べ、5月5日付で退官し、新たな職場で活躍している。
 また、5月12日は、前輸送班長・阪本曹長が約20kgの背のうを背負って25kmの行進訓練を実施し、約5時間半で完歩した。完歩後「この2ヶ月半で500km歩くよう計画し、何とか目標を達成することが出来、思い出多い訓練となった。これを機に自信を持って次の仕事に臨みたい」と話していた。隊長はいずれも最初から最後まで同行するとともに、隊だけにとどまらず駐屯地の多数の隊員が応援及び出迎えに駆けつけ、2人の計画達成を後押しした。
 大久保駐屯地業務隊では、今年度さらに3人の退官予定者がおり、逐次計画実施するとともに、部隊の伝統行事として定着するよう今後も継続したいとしている。

北方で不審船等対処演習
 近年、不審船・武装工作員等対処については、武力攻撃事態対処法、国民保護法等の成立、各自治体の国民保護計画の策定等、全国的に広く認識されています。北海道においても、既に本年2月に北海道国民保護計画が議会報告されるなど行政・民間が係る分野で対応要領の具体化を推し進めており、北部方面隊は行政等と連携し同種訓練の深化を図っております。今回はこのうちの4月25日から27日に実施した「北部方面隊不審船・武装工作員等対処指揮所演習」について紹介します。
 今回の指揮所演習の最大の特徴は、今般、北部方面隊防衛部ADHOC室が開発に成功した「対ゲリコマ指揮所訓練統裁支援システム」を初めて使用し、極めて実際的かつ効率的な演習を実施した点にあります。現時点において、本システム以外には官民を通じ実用に供する同種の訓練用シミュレーションは皆無です。
 演習目的は、「『緊急対処事態の治安出動下令下における、増強師団の不審船・ゲリコマ対処』に係る指揮所演習を実施し、(1)これまで未確立であった不審船・ゲリコマ対処や対部外に係る指揮幕僚活動の演練、(2)今般開発した対ゲリコマ指揮所訓練統裁支援システムの改良点の把握、(3)この種演習の統裁要領、の3点を検証する」であり、第11師団を基幹プレイヤーとして本演習を実施しました。
 統裁官防衛副長以下375名、その内、訓練部隊は、演習師団長(第11師団幕僚長)以下108名が、連続多発する爆破事案、難民上陸事案、拠点制圧事案等2夜3日にわたり(1)実際的な法権限の枠組み、(2)実際的な多数の関係部外機関との調整、(3)多様な対象勢力への対応、(4)多様な幕僚機能の連携について実施し、極めて多くの教訓を抽出できました。
 演習参加者からは、「治安出動下令下の指揮幕僚活動はやったことがなかったがイメージが湧いた」「敵の発見は非常に困難。生起した事案への受動に陥った。事前配備等の抑止こそが主動性をとれる運用であった」「法務や広報等と運用の連携の重要性が認識できた」等のコメントが多数寄せられました。地域を担任する各師団・旅団司令部の訓練に非常に有効であり、また、治安出動下令下における武装工作員等対処へのドクトリン(戦い方)の創造、同事態における指揮幕僚活動の創造に有効なことを改めて強く認識したところです。
 北部方面総監部としましては、今回の演習で得られた貴重な教訓や検証成果をもとに、対ゲリコマ指揮所訓練統裁支援システムのバージョンアップを図るとともに、次年度以降、本格的に同指揮所演習を拡充していく予定です。
 なお、本演習に関するお問い合わせについては、北方総監部防衛部訓練班までご連絡下さい。

神奈川県レスリング予選
少工校、8度目のV
 少年工科学校(学校長・別所利通陸将補)レスリング部(職員8名、生徒35名)は5月20、21両日、神奈川県立六ツ川高等学校で実施された第44回神奈川県高等学校総合体育大会兼全国高等学校総合体育大会神奈川県予選に参加し、団体戦(階級別7名)で見事優勝(3年ぶり8回目)した(写真(右)が少工校選手)。
 同校レスリング部は、創部当初から体育学校出身の国際的な選手・コーチの下に切磋琢磨し、技を磨き、昭和50年に高校体育連盟に正式加入し、高校生大会・国民体育大会などで優秀な成果を残してきた。また、今年3月実施された全国自衛隊レスリング大会では、一般自衛官を相手に若さ溢れる闘志で、念願の初優勝を勝ち取るなど活躍している。
 今回の団体決勝戦は、3連覇を狙う私立向上高等学校(6年連続決勝対決)との闘いとなった。当初50kg級山村生徒(3年生)、55kg級深津生徒(3年生)、60kg級江藤生徒(2年生)が勝ち3対0とリードしたが、続く関東大会県予選優勝者の66kg級濱屋生徒(3年生)、同じく74kg級伊東生徒(3年生)が敗れ、残る2階級にエースを持つ向上高校が優位になり、敗北したかの様な雰囲気が漂った。しかし、続く84kg級山口生徒(2年生)が残り10秒で奇跡的な逆転、僅差で勝利した。この瞬間3年ぶり8回目の優勝が決まり、感極まった3年生の部員達の目からは、大粒の涙が流れ出していた。
 優勝を決めた山口生徒は、「先輩達の夢をつぶすことだけは嫌だった」「プレッシャーに弱い自分も少しは強くなれたかな」と誇らしげに語った。また、レスリング部監督の勝目2曹は、「半分負けを覚悟していた。しかしながら、山口生徒はタックルという武器があり何かをやってくれるものと信じていた。また、今回はみんな一丸となった勝利であった」と試合を振り返りながらしみじみと語った。また、翌日行われた個人戦では、山村生徒、江藤生徒、伊東生徒が優勝し県代表選手となった。
 同校レスリング部は、8月2〜5日大阪府岸和田市で実施される全国高等学校高校総合体育大会に神奈川県代表として参加することになり、4年前の団体戦全国ベスト8を目標に日々努力することを誓っている。

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