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   2006年6月1日号
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イラクで任務遂行中
第5次復興業務支援隊副長 2陸佐 豊 留 廣 志
 かつて世界最古の文明を育んだユーフラテス川が、暑い日差しの中きらきら光りながら今私の足元をゆったりと流れている。周囲にはナツメヤシの木が生い茂り、日本で思い描いていたイラクの荒涼としたイメージとは似ても似つかない風景だ。本日は、平成16年に陸上自衛隊がイラク復興支援事業を開始して以来、初めて手がけた橋梁であるムタワク橋の竣工式だ。イラク側からはムサンナ県知事をはじめ多くの来賓が参加されている。このように地元から高く評価され、また期待されている人道復興支援活動の一翼を担っていることを心から光栄に思った。
 業務支援隊の副隊長としてサマーワの地を踏んでから、既に数ヶ月が過ぎた。直射日光下では50℃以上にもなる高い気温や砂嵐に代表されるように、環境はやはり過酷だ。そうした中で各隊員が苛酷な環境から来るストレスに負けないよう「一日一笑」をスローガンとし、気負わず、焦らず、淡々と業務を実施していくよう指導している。また若手幹部には、幕僚活動の基礎を身に付けさせるために、各科長等が実施している業務のやり方をよく学ばせている。これからの陸上自衛隊を支えていく彼らが、このイラクの地で人道復興支援活動に従事しているのは素晴らしいことだ。指導を受けつつ実業務に積極的に取り組む中で、多くのことを身に付け、きっと陸上自衛隊の財産になるものと思う。
 サマーワでの業務において一番重要なことは、何よりも基本基礎の確行である。この言葉は一見自衛官にとってありふれたものに聞こえる。しかし、私は思う。イラクの環境や状況は日本と違い行動は、応用の範囲内であるが、基本基礎が変わるわけではない。陸上自衛隊を取り巻く環境は大きく変わりつつある。それに併せ、運用も変わっていくところがあるだろう。しかし「不易流行」の「不易」の部分、すなわち基礎的事項は決して変わることはない。日頃から演練していることを段階的に積み重ねていけば、どんな状況が発生しても対応することができると私は信じている。
 また、苛酷な環境の中で一生懸命勤務している隊員の心の支えとなっているのは、日本で応援してくれている家族や仲間達だ。各種追送品や手紙等、物心両面における支援には心から感謝している。また、そうした日本からの真心を届けてくれている留守業務センター等の支援もこの上なく有難い。これまでのご支援に感謝するとともに、今後も引き続き、ご支援をお願いしたい。
 イラク社会復興はまだ時間がかかるとはいえ、給水や医療における緊急に援助が必要な段階は過ぎようとしている。これからはサマーワに建設される出力60メガワットの大型発電所のような、本格的なインフラ整備を行う段階に入ってきた。またイラクの治安機関も着実に力をつけている。移動中にイラク警察の監視所付近を通過する際に、その整然とした活動状況には思わず舌を巻くほどだ。こうした復興への着実な歩みは、イラクの子供たちの将来を明るいものにしてくれるだろう。彼らの目の輝きに負けない、輝かしい未来がイラクの前途にあることを期待している。

森陸幕長がバッティ大佐に感謝状授与
パキスタン地震で邦人女性救う
 森勉陸幕長はこのほど、パキスタン陸軍バッティ中佐に感謝状を授与した。
 これは、バッティ中佐が昨年10月8日に発生したパキスタン地震で崩壊したビルの瓦礫撤去作業を実施するとともに、防衛駐在官の笠松誠1佐、在外公館警備対策官の田中正己1尉と一緒になって邦人女性の救出に貢献した功績によるもので、笠松1佐と田中1尉には褒賞状が授与された。
 また、今年3月3日に発生したインドのカラチ爆破事案に際し、大使館員の避難指示などを的確に実施するとともに館員家族の救出に貢献した功績で、カラチ在外公館警備対策官の荒巻敏久1尉に対して森陸幕長が褒章状を授与した。

華やかに航空ショー
<静浜>
4万1千人が各種イベント楽しむ
 5月14日、静浜基地(司令・宮沢康朝1空佐)航空祭が観客約4万1千人を迎え賑やかに開催された。1週間前からその日は雨の予想。前日のみならず、早朝までどしゃぶり。しかし予定を1時間30分早めた開場時間には青空も覗いていた。途中小雨が降る事もあったが、さすがはお天気に強い静浜基地航空祭だ。
 今年も全国各地のナンバーをつけた車が前日から大井川町にあふれ、基地ゲートに並び始めていた。開門と同時に次々とエプロンが人で埋まっていく。
 強風の中、T─3の駒のような旋回のオープニングフライトで始まった飛行展示。昨年から飛行教育で使用しているT─7、そして浜松のT─4、小松からはF─15、青い火を吹くRF─4…、顔を戻す暇のない程迫力ある飛行展示の連続。しめくくりは今年で最後の航空祭飛行となるT─3のお別れ飛行。芙蓉部隊の「彗星」に特別塗装しての飛行。旧海軍藤枝基地ならではの塗装にシャッターを押す音も忙しそう。
 エプロンでは、各機の地上展示やT─3jrとT─7jrの運行展示、離陸前準備も本物の様で子どもだけでなく大人も大喜び。
 格納庫の中を始め、数々の売店前にはお土産や食べ物を買う人達。厚生センター前の一角では可愛いお花が配られていた。
 帰投する航空機に向かって、名残惜しそうに手を振る人々。幾つもの場面・場所で基地の心配りがにじみ出ていて、航空自衛隊ファンは充実した一日を終えた。

来館者200万人を越える
<浜松広報館>
 航空自衛隊浜松広報館は4月13日、開館以来7年あまりで来館者が200万人を超え、盛大に記念行事を開催した。200万人目の来館者は、静岡県湖西市の平野氏(30)で、家族で訪れたところ、この栄に浴した。くす玉割りや花束贈呈などの記念行事の中で、平野氏には記念品や認定書が贈られたほか、この日の来館者(200名限定)にも記念品が贈られた。

物販部をコンビニ化
<千僧駐屯地>
 千僧駐屯地(司令・川口将補)では5月10日、厚生センター内の物品販売部が改装を行いリニュアルオープンセレモニーを実施した。
 この度の改装は、隊員の要望に基づき委託業者であるニュウショップ千僧店がヤマザキ製パン(株)との提携により企画したもので、店内コンビニエンス化が促進され、店舗名もYショップニュウ千僧店と改名された。
 防衛庁共済組合千僧支部では、このコンビニエンス化により、大量仕入による廉価での商品提供とニーズ商品の安定供給が見込まれるほか、明るく清潔感があり、買い回りのし易い売場環境が確保させるとして期待している。また、公共料金の取り扱いも可能となり利便性も追及している。
 セレモニーでは、中部方面総監部厚生課長を迎えて、第3音楽隊の演奏のなか駐屯地司令はじめ駐屯地業務隊長(共済組合千僧支部長)他関係者がテープカット(写真)を行い、この度のオープンに花を添えた。

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