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   2006年4月15日号
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陸自「上級曹長制度」を試行
准曹集団の活性化図る
 陸上自衛隊では、18年度から「上級曹長制度」が実験的に試行(制度検証)されることになった。
 最先任上級曹長とは、陸上自衛隊における各級部隊の准曹の最上位者、かつ指揮官の幕僚であり、上級陸曹が曹士の育成・管理の業務に対してより積極的に取り組み、また、指揮官をより効果的に補佐し得る体制を作るにあたっての中核となる存在である。
 最先任上級曹長は、各級司令部・本部などに配置され、それぞれのレベルの部隊の准曹の最上位者として、幹部である人事、訓練、兵站幕僚等と同様に指揮官を直接補佐することになる。
 この制度の背景の一つとして、今後より一層の活躍が期待される災害派遣、国際平和協力活動等において、小部隊のリーダーである陸曹がより重要な役割を担うことになったことや、任務の多様化により指揮官の判断事項が増加したことがあげられる。これと同様のものが、海上自衛隊では「先任伍長制度」
として既に実行され、航空自衛隊では「准曹士先任制度」として18年度から部隊で試行されている。また、米国陸軍においてもベトナム戦争以降、本格的に導入された。
 制度検証は、実員による検証でしか得られない制度上の効果・問題点を把握するとともに、これまで机上で検討してきた制度内容の適否を評価することを目的としており、陸上幕僚監部のほか、様々な地域・部隊の特性をもった中部方面隊で、2年を目途に実施される。
 最先任上級曹長の活躍により、准曹集団の活性化が図られるほか、幹部の幕僚とは異なる視点で曹士の育成・管理の業務に取り組み、従来以上の効果を上げることが期待される。
 陸自では制度検証のあと、更に全方面隊での試行を経て制度化を目指すとしている。

空自で准曹士先任制度始まる
 航空自衛隊は3月27日、准曹士先任制度(仮称)の試行を開始し、着任式を行った。
 この制度は、服務指導態勢の充実、組織の活性化及び陸海自衛隊、米国などとの交流の活発化をねらいとしたもので、平成20年度までの2年間に、試行しながら准曹士先任の職務内容などについて検証を行い、制度の判定や設計への反映に係る判断の資を得るとしている。
 初代准曹士先任に選出された鹿股龍一(かのまた・りゅういち)准空尉(51)は福島県出身で、特技は警戒管制員。准曹士先任制度に対する問題意識が高く、また、入間基地勤務の経験から米国との交流や人脈もあることなどが選出の決め手となった。
 着任式では、吉田空幕長に申告を行った後、准曹士先任識別章を授与され、「航空自衛隊の准曹士先任の頂点に立ち、部隊の課題を吸い上げて、空幕長の目、耳、口となり、サポートしてほしい」との訓示を受けた。
 鹿股准尉は、服務指導の面で空幕長をしっかり補佐すること、末端の部隊の准曹士の意見や考えが自分の耳に届くよう各准曹士先任との連携を密にし、組織の活性化を図りたいなど抱負を語った。

大湊海曹会、米海軍とスキー交流
 大湊海曹会(会長・小松和美曹長)は2月24日、米海軍三沢CPOAとの親善スキー交流を実施した。
 この交流は、日米下士官の相互交流の一環として、大湊地方総監部近くにある釜臥山スキー場で毎年実施しているもので、今回は、米海軍13名と大湊海曹会19名が参加した。
 前日に降った雪も止み、朝から快晴で絶好のスキー日和の中、ゲレンデ近くにあるロッジで歓迎セレモニーが行われ、双方あいさつの後記念品交換が行われた。大湊海曹会からは、木版の年輪を活かしながら大湊海曹会のマークをくり抜いた「透かし彫り」を、米海軍CPOAからは、日本両国旗、メダルと寿・福の文字が飾られた楯をそれぞれプレゼントし、お互いの自己紹介の後、早速ゲレンデに繰り出した。
 スキー訓練では、米海軍参加者のほとんどが初心者で転倒者が続出し、悪戦苦闘していたが、海曹会会員の片言の英語とジェスチャーでの指導(?)によりめきめきと上達していった。
 昼食時のロッジでは、各テーブルで一緒に食事をしながらおしゃべりしたり日本語を教えたりする姿も見られ、終始和やかに親睦を深めていた。
 午後からは、みんなでゲレンデの中腹まで登り、芦崎湾と護衛艦の絶景をバックに記念撮影を行った。
 約4時間にわたる慣れないスキーでクタクタになりながらも米海軍参加者の顔には笑顔があふれ、この交流会で米海軍CPOAとの絆を一層深められた。帰り際には、熱い握手で再会を約束し、米海軍参加者は大湊を後にした。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
IT'S GONNA BE EASY WITHOUT YOU
イッツ ゴナ ビー イージー ウイザウト ユー
貴方がいない方が助かるわ
 Hi!How are you doing?皆さん、お元気でしょうか。関東は桜の花が満開、春爛漫です。桜前線も北上し、春の花々がそこかしこで咲き誇り自然の美しさに目を奪われる季節ですね。只、花冷えという言葉があるように、寒冷前線がやってきています。気温の変化に体調を崩さないようにご注意ください。

 さて、今回の表現は、“It's gonna be easy without you"「貴方がいない方が助かるわ」です。直訳は、「貴方がいなければ、やりやすくなる。」です。英語の一シーンで見つけました。若い恋人が、両親を食事に招くことになり、準備をするのですが男性が手伝おうとすると、手伝いよりも邪魔になってしまいます。男性が少し出てくるよと言った言葉に、恋人がほっとして言う言葉です。決して険悪な感じではなく、自分の仕事をじゃまされたくないという淡々とした感じで言われていました。正直というかストレートというか、若いアメリカ人のカップルの今風の感じが出ていて面白いフレーズです。

 春とはいえ、寒い日が続いています。満開の桜、蕾の桜、桜前線の北上で各地で愉しい催しが開かれているニュースを見るのも楽しみですね。定期異動であたらしい環境で、新たな職務に挑戦されている方も多いと思います。健康にはくれぐれも留意され、お励みください。
 それではみなさん。See ya!
<スワタケル>

活躍するOB シリーズ
「頑張っています」 新しい職場
山口銀行 古城美清
「人生、意気に感ず」
古城氏は平成15年1月、下関基地隊(就職援護掛長)を2海尉で定年退職。57歳
 私は平成15年1月に下関基地隊を最後に定年退官し、同6日に山口銀行本店に入社させていただき、現在4年目を迎えています。山口銀行(本店:下関市)は、創業明治11年、創立昭和19年の老舗の銀行ですが、国内154ヵ所、海外支店3の店舗があります。従業員は2700名余り、そのうち約50名が自衛隊出身者で、私は本店内の総務グループに属し、総務全般に関わる業務を担当しています。
 再就職での苦労は、一見すべてが苦労のように見えますが、自衛隊生活で培った気力、体力、知力を存分に発揮すれば、道は開かれるものです。
 再就職する際の窓口は、援護依頼、ハローワーク、自己開拓等がありますが、いずれにしても元自衛隊員という肩書きは消えることはありません。そして、再就職した企業での活躍如何によって、防衛基盤の育成に自衛隊の組織活動の全般に大きな影響があることの再認識が必要です。
 再就職にあたり、「民間人としての自覚を持つ」ことが大切であり、「性格のワースト四天王」として、攻撃型、批判型、非協調型、無反応型がありますが、いずれも社会においては望ましい性格ではありません。一般に自衛官に多いのは「非協調型」です。途中で挫折する多くの主因に挙げられています。これは営利目的の企業体系と違い、専門的配置での職業軍人の意識改革がされていないことが要因であると思います。
 私の好きな言葉に「人生意気に感ず」がありますが、これは明治経済界の巨人、渋沢栄一翁の言葉です。「士はおのれを求めるところに赴く」つまり「期待されたらその期待される場へいくべきだ」。この言葉を今も大切にしています。
 また、戦後60年記念作品として、「男たちの大和」が上映されていますが、世界最大最強の戦艦を2隻も竣工させた当時の建造技術に驚くとともに、私が艤装に携わったイージス艦「こんごう」の建造にも類似点が多く見られ、その存在と概念は日本人の心の原点であると言えます。

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