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   2006年2月1日号
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陸上自衛隊 米海兵隊 離島防衛で初訓練
ゴムボートの操舵、偵察泳法など演練
 陸上自衛隊と米海兵隊による実動訓練が1月9日から27日までの間、米カリフォルニア州サンディエゴの海軍基地で行われた。陸自と米海兵隊との実動訓練は昨年のグアムに続いて2度目で、離島防衛を目的とした訓練は今回が初めて。陸自は、林直人西方総監を担任官に西方普通科連隊(連隊長・山中洋二1佐)等、125隊員が参加、米海兵隊員とともに特殊ゴムボートの操舵方法や偵察泳法などを演練した。=写真

北日本を襲う大豪雪
3,600災派隊員が懸命に除雪活動
雪の重みで軒先が壊れかげた家屋を全倒壊させぬよう必死に雪下ろし作業する21普連隊員
 東北、北陸地方を中心に記録的な豪雪に見舞われ、家屋の倒壊や雪下ろし作業中の事故などで死者数も80名を超える被害が続出した。防衛庁・自衛隊は、長野県、新潟県、秋田県、群馬県、北海道の各知事の災害派遣要請を受け、13普連(松本)、12旅団(相馬原)、21普連(秋田)、11師団(真駒内)の各部隊が1月6日から20日までの15日間にわたって孤立予想世帯・高齢者世帯の除排雪、雪下ろし作業、緊急車両の通行確保のための除排雪などの災派活動にあたり、合計派遣規模は延べ人員3,600名、車両約840両、航空機8機にのぼった。
 〈21普連〉第21普通科連隊(連隊長・高木新二1佐)は1月9日から11日までの間、秋田県知事の要請により秋田市北部に部隊を災害派遣した。
3mを超える雪が積もった道路を2普連隊員が器材を使って除雪した
 記録的な豪雪で秋田市の依頼を受けた県知事は8日、自衛隊に対し災害派遣を要請。その内容は、秋田市北部の一人暮らしの高齢者宅家屋の雪下ろしなどで、9日午前6時30分から編成完結式が行われ、派遣隊員である高木連隊長が『自分たちのおじいさん、おばあさんと思って対応せよ』『指揮せよ、指揮されよ』『安全管理に万全を期せ』の3点について訓示した。次いで、秋田市長が「高齢者宅で危険な状態が多く見受けられるため、皆さんにお願いした。十分気をつけて任務を遂行してほしい」と挨拶した。
 編成完結後、直ちに隊員は『災害派遣』と幕の張られた車両に乗り込み、市の職員に先導され各世帯に向かった。現地に到着した隊員はすぐさま、はしごをかけ、シャベルを手に雪下ろしに取りかかった。中には、雪の重みで屋根の軒先が壊れている家もあり隊員達も驚きの表情だった。隊員が雪下ろしと除雪作業を終えた家屋のおばあさんは「雪が玄関の前と家の周囲を覆ったため、年を越してから外に出ることが出来なかった。コメ、みそ、ジャガイモだけで生活していた。ありがたくて胸がいっぱいです」と話していた。
 秋田駐屯地から、この3日間で災害派遣に出た人数は456名、作業をした家屋は111件にのぼる。作業を行った隊員から話を聞くと「お年寄りが本当にうれしそうに話かけてきた。連隊長の訓示にもあったように自分の家族のような気持ちで対応した。お役に立ててうれしいです」と話していた。秋田県では自衛隊が雪害で災害派遣したのは、昭和49年2月の『48豪雪』以来32年ぶりだった。
 〈12旅団〉高田駐屯地(司令・冨井稔1佐)は、12月中旬から降り続いた大雪が正月明けも降り止まず、行政も除雪が追いつかない状況となり、1月7日から16日まで、津南町をかわきりに、4市2町へ雪害派遣で出動した。
 県は当初、津南町と十日町市に、緊急車両の通行確保、孤立集落の道路確保や公共施設を緊急に除雪する必要があると判断、12旅団に災害派遣要請をした。
 7日10時半、2普連の先遣隊が、また、15時には2普練3中隊が津南町へ出動。翌8日は、2普連2中隊が十日町市へそれぞれ出動し、町営住宅、学校、病院の除雪と孤立集落の道路確保を行った。
 特に、孤立集落の道路確保のため国道405号線沿いの危険を伴う「雪ぴ」落としは、安全を確保しつつの作業となり、雲になれた隊員でも、作業が難航した。
 11日には、津南町穴藤地区等の道路確保、公共施設及び倒壊の恐れのある住宅の除雪のため、2普連本管中隊の20名が増援され、迅速に除雪を行った。
 また、この状況の中、県知事から妙高市、上越市、湯沢町、魚沼市への相い継ぐ派遣要請により、次々と部隊が派遣された。9日は、妙高市へ2普連1中隊が、翌10日には、湯沢町へ2普連本管中隊、上越市中郷区へ5施群308施設中隊を基幹に、309・353の各施設中隊と307施設隊が増援され、公共施設などの除雪を行った。

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