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   2005年11月1日号
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「心磨智拡」の揮毫文字掲ぐ
陸幹候校で除幕式
『陸幹候校』 学校は、10月3日、第51期BU課程同期生会(会長井上廣司陸将:現東北方面総監)から寄贈を受けた欅板(2.8m×0.9m)に「心磨智拡」の4文字を揮毫して戴き除幕式を行った。
除幕式は、同期生会を代表者して元第4師団長の江藤文夫氏、揮毫者である書道家の仮屋竹葉先生のお二人をご来賓として迎え、渡邊校長以下各部課長が参列して実施した。
年度当初に第51期BU課程同期生会から、学校に対して同期生会運用資金の一部を後輩育成の為に何か活用できないかと依頼があり、4月6日入校式参列のため来校した井上同期生会会長から欅板の寄贈目録を受けていた。
 揮毫文字は、副校長以下7名による揮毫文字委員会を設立し、100点以上の候補の中から選定されたもので昭和30年当時の学校行進曲「烈日燃えて」の一部である「心を磨き智を拡め」から「心磨智拡」とした。
揮毫は、本校合同文化活動の書道部の講師であり、書道家として幅広く活動されている仮屋竹葉先生にお願いした。先生は、「自衛隊は国民の宝」と言う思いを抱かれおり、本校を始め久留米市近傍の所在部隊の活動に幅広く支援をされている方で、この揮毫に当っては、当初欅版を太宰府天満宮でお払いして清め、自らは9月1日から早朝1時の暗がりの中、毎日約2時間、白装束姿で全身に水をかぶって精神を研ぎ澄まされ、版と見えない会話を繰りかえされた。 
 10日目の9月10日早朝、気が充実すると同時に突然脳裏に龍が現れ、すぐに濡れた衣服の水を拭き取り、龍が乗り移ったかのように一気に「雲竜の型」の文字を揮毫し、午前5時55分に最後の落款を終えた。
この時、外に目を移すと東の空から朝日が昇り始めた日の出の時刻と一致し、あたかも欅版に命が宿ったように感じられたという事である。使用された墨も50年以上変色しないものを金沢の業者から特別注文される等、この揮毫に対する思いは我々自衛官の想像の域を越えたもので、その思いが揮毫に現れたすばらしい力作である。
 学校は、「質実剛健にして清廉高潔なる」校風を継承する象徴として、剛健の碑と並び末永くこれを本部庁舎に掲げ、本校の使命を表すこの4文字に対し、校長以下職員全員が改めてその役割の重要性を深く再認識し、決意を新たにした。

栃木県で殉職隊員50柱を顕彰し追悼
 10月7日、宇都宮駐屯地と栃木県隊友会(会長・三代武徳氏)共催による「平成17年度栃木県殉職隊員追悼式」が厳粛に執り行われ、志半ばで殉職された陸・海・空隊員50柱の偉業を顕彰し追悼した。
 式典に先立ち、慰霊碑において駐屯地司令、隊友会長及びご遺族による献花を行った。
 式典は午前11時から駐屯地体育館において遺族をはじめ来賓、隊員約500名が参加するなか行われ、まず殉職隊員の芳名が厳かに奉読され、儀仗隊の「捧げ銃」の号令の下、拝礼、黙祷が捧げられた。その後、駐屯地司令、来賓による追悼の辞が述べられ、駐屯地音楽隊演奏による「慰安する」がしめやかに流れるなか遺族、来賓、隊員代表が祭壇に白菊を献花し、続いて弔銃三声が秋空に響き渡った。最後に、遺族を代表して三橋会長が謝辞を述べた。

音楽まつり抽選会開く
最高倍率は20倍の大人気
 平成17年度自衛隊音楽まつり一般公募の抽選会が10月18日午前、防衛庁E1棟で警務隊員立会のもと、厳正に行われた(写真)。抽選者は、辰己昌良内局広報課長、太田牧哉陸、伊藤俊幸海、西野哲空の各幕広報室長、清田安志統幕広報班長の4名で、応募はがきを公演回数別及び券種類別(一般券・青少年券)に区分して抽選した。なお、インターネット公募は応募メールをコンピュータで抽選した。
 今回の応募状況は、はがき公募数が約8万1,000通、平均倍率約7倍、また、インターネット公募数が約3,500通、倍率約11倍だった。当選総数は、はがき・インターネット併せて2万4,800名で、最高倍率は昨年度の約15倍を上回る約20倍(第3回公演)にものぼった。
 当選結果は、はがき公募が当選、落選ともに返信はがきで10月下旬に発送、また、インターネット公募が当選者のみに対してメールで当選の旨と手続き要領を通知する予定。
 自衛隊音楽まつりは11月18、19の両日、日本武道館で開催され、「統合=日本を愛し世界を愛す」をテーマに防衛庁陸・海・空自衛隊音楽隊、第302保安中隊、自衛太鼓、防大儀仗隊、中国人民解放軍軍楽隊、在日米陸軍軍楽隊、米国空軍合同軍楽隊、在沖縄海兵隊音楽隊など総勢1,000名が出演し、壮大で華麗な音楽演奏やドリルなどを披露します。

<論陣>
新しい発想を知って会社を経営
楽天・村上ファンドが残した戦訓とは
 テレビ、通信、新聞、雑誌など、いわゆるメディアの世界が激変してきている。さきのフジテレビ(ニッポン放送)とライブドアの株取得戦争、そしてこんど急浮上した東京放送(TBS)と楽天の業務提携、持ち株会社提案問題など、テレビ会社が大資産の上に『あぐら』をかいて「放送」だけに専念しておけばいい時代は終りを告げようとしているのは明白である。
 これまで放送は「放送法」や「電波管理法」のほうを向いて「報道」と「娯楽」の送り手であればよかったし、インターネットを利用して金もうけをしようとしていた事業家は、もっぱら「電気通信関連法」を中心にものを考え、商売をすれば、一応、こと足りてきた感があった。
 ところが、ライブドアの場合や楽天が打ち出した企画を見ると、、もう「放送」と「通信」を別々に分けて考える時代は終ろうとしていることをはっきり物語っている。
 「放送業界」の経営者の体質、いや、経営に対する姿勢は古いと断言せざるを得ない。「株を買い占められたことが分かると、対抗手段として第三者株式割り当てをやってのける」。それでも相手が株を買い増そうとすると政治的≠ノ解決しようとする。これでは、相手に「どうぞもうけてください」と言っているようなものである。現に、ライブドアの場合は、最後に話し合いでニッポン放送のライブドア所有分をフジテレビ側が高値で買いとった形で決着している。『稼がれただけ』ではなかったか。
 こんどの楽天の場合は、要求がライブドアとは違っていた。業務提携をTBSに申し入れると同時に新しい提案をしてきた。いわゆる「持ち株会社設立構想」である。これはTBSと楽天というふたつの会社を合わせた新会社「TBS・楽天会社」を作り、ここに両社の保有株式を全部供託し、新会社の下に「楽天グループ」と「TBSグループ」を置いて、それぞれが収益をあげるというものである。ところが、この持ち株会社をよく見ると、TBSの株主は筆頭が15.46%を持つ楽天であり、あとは日生や第一生命、三井住友銀行などが3%や2%足らずの小株主である。将来のTBSの経営問題に強く口を出せるのは「楽天」であり、持ち株会社のほうの「楽天」は親会社の主流として絶大な力≠持ち得ることになる。
 楽天はインターネットを通した架空商店街という新しいビジネスを通して年商880億円もの売り上げを誇る成長株であり、収益率は目を見張るものがある。この楽天がテレビというメディアに目を付け、テレビCMとインターネットを複合させた新しい商売を考えている。その将来性は相当「稼げるメディアになる」という人が多い。もう、「放送」と「通信」の恒根にしがみついていては、時代にとり残される世代に到達してしまっているのである。ところが、いまの「放送」特に「テレビ」を主体に考えている経営陣は、古い殻から脱皮できず、古い体質の中で、これまでどおりの『金もうけ』に終始しようとしているのではないだろうか。
 時代は時々刻々変化している。会社は、経営者の保身と現状維持を考えている時代ではなくなってきている。いわゆるアメリカ型会社、すなわち「株主が強く」「税金を払っている人が強い」社会に変化してきているのである。阪神電鉄の株を40%近くも買った「村上ファンド」の村上世彰さんもインターネットを利用した大口株式売買業の一人である。「ファンド」とは基金のことで、一種の投資信託である。銀行や証券会社、郵便局が売っている1口1万円や2万円の小口信託ではなく、村上ファンドは機関や大会社から50億円、100億円を預かり『一発勝負』で利益を生み、投資家に配当する「ファンド屋」である。アメリカでは、この種の「ファンド」がまかり通っている。それが若手の実業家で「日本に持ち込まれた」に過ぎない。だから、かれらは『買い占め屋』とも『乗っ取り屋』とも思っていない。こうした考え方や手法は、これからの日本では至極当然の事業になっていくはずである。古い体質にしがみついている経営陣は「株式を公開しなければいい」のである。経営者を選ぶのは株主の時代なのだから。

研究発表会のお知らせ
<技本>
 防衛庁技術研究本部は創立53周年記念行事の一環として11月10,11の両日、研究発表会をグランドヒル市ヶ谷で開催します。
 これは、技本の技術研究開発の成果などを一般に公開するもので、主なプログラムは講演会や、▽航空機▽誘導武器▽艦艇・水中測的・水中武器等▽戦闘車両▽火器弾薬・防護等▽情報・通信▽電波・光波などの分野における発表会となっています。聴講方法は、事前の申込みなどは必要なく、当日、会場で受付しています。
 なお、研究発表件名など詳しくは技術研究本部ホームページをご覧下さい。

話題の新刊
知っておきたい
医師の目から見た「災害」
備え、最前線、そして連携
自衛隊中央病院院長 白濱龍興著
 昨今、世界的に大地震、津波、ハリケーン、洪水などの大規模災害が頻発している。災害に遭った時、どう行動すればいいのか、自衛隊衛生部門のトップである白濱龍興中央病院長が、本著で現在の災害医療の実情や問題点を各方面から取り上げて啓発している。
 本著の構成は▽第1章「災害について・日本は災害の頻発国」▽第2章「災害医療について・全ては3Tから始まる」▽第3章「もし災害が起こったら・災害は何時でも何処でもやってくる」▽第4章「日本の海外の活動・カンボジアからインドネシアへ」▽第5章「NBC(核、生物、化学)災害・日本は全てを経験した国」▽第6章「災害時の医療資源・人的医療資源、医薬品、装備品」▽第7章「災害に備えて・災害教育と災害対処訓練」▽第8章「災害対処の今後の問題点・連携を求めて」で、それぞれの項目を高度な視点から詳しく解説している。志方俊之帝京大学教授(元陸自北方総監)も「未曾有の災害やテロも想定しなくてはならない今の日本だ。本書は修羅場になるだろう現場での医療活動を具体例とともに詳細に解説している。自衛隊医療陣の最高権威が語る危機への対策は、全国民のための指針となるだろう。国内での災害派遣から海外での平和維持活動や人道復興支援、そして最も対応が難しいとされている生物剤を使ったバイオテロへの対処まで、読者は自衛隊医療の凄さに驚かされるだろう」と一読を薦めている。
 自衛隊員のみならず広く一般市民にも座右の名著となる一冊である。(内外出版刊、定価1,890円)

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