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   2005年10月1日号
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南海・東南海地震を想定
徳島県防災訓練に63機関参加
自衛隊との協力体制確立図る
<徳教空群>
 今世紀前半の発生が懸念される南海・東南海地震に備え、徳島市中島田町の鮎喰川河川敷グラウンドを主会場に9月1日、徳島県を挙げた防災訓練が実施された。
 徳島教育航空群(群司令・村上浩一1佐)は、UH-60J型救難用ヘリコプター1機及び隊員とともに訓練に参加した。同防災訓練は、住民、地元消防団、警察ら県内63の機関が参加するという大掛かりな訓練となった。
 午前9時、南海沖を震源とするマグニチュード8.6の地震が起き、徳島県では震度6強を観測したと想定。徳島県知事は防災計画に基づいて県庁に「防災対策本部」を設置し、自衛隊、警察及び消防などの防災関係機関に出動を要請、災害応急対策やライフラインの復旧などの訓練を行った。県の要請を受けた徳島教育航空群は川の中州に取り残された孤立者2名を救難用ヘリコプターで救出し、近くの広場まで搬送した。
 また、同日午前10時30分からは、地元のラジオ番組(FMびざん)の「防災特別番組」に、大規模震災時の派遣隊指揮官となる徳島航空基地隊副長・上田2佐、救難作業指揮官となる救難飛行隊長・鶴3佐を派遣した。番組の中では過去の災害派遣の体験を基に、自衛隊の役割や防災に関して自衛隊が取り組んでいること、日頃の訓練内容、救助の専門器材などについて分かりやすく紹介した。
 徳島教育航空群では、徳島県や地元自治体の行う訓練には今後とも積極的に参加し、自衛隊に対する理解と信頼を得ると同時に、訓練を通じて関係各所と情報交換を行い、防災関係機関の協力体制の確立、強化とあらゆる事態に早急に対応できる体制の整備に努力するとしている。

45機関、3000人参加
青森県で防災訓練
<39普連>
 「防災の日」の9月1日、青森県総合防災訓練が黒石市で行われ、弘前駐屯地(司令・加藤利幸氏1佐)から第39普通科連隊及び第9偵察隊18名が参加し、現地災害対策本部訓練に引き続く孤立地域対応訓練と倒壊家屋救助救出訓練に臨んだ。
 午前9時、青森県西部を震源とする地震が発生し黒石市では震度6弱を観測。この地震により「建物の崩壊や火災が発生したほか電力、水道などのライフラインに甚大な被害が生じた。また山間部で崖崩れにより一部の地域が孤立している」との想定で訓練を開始。
 第39普通科連隊は、本部管理中隊長を現地災害対策本部に派遣し、被災情報の収集及び分析を行い関係機関と災害応急対策を協議した。また、地震により交通路や連絡手段が寸断された孤立地域の被害状況を確認するため、第9偵察隊の隊員2名が空自CH-47Jに搭乗しオートバイにより孤立地域の偵察を行った。地元消防団から被災者発見の連絡を受けるや、倒壊家屋現場を確認し第39普通科連隊の初動対処部隊に連絡した。
 現地に到着した初動対処部隊は直ちに被災者の捜索及び救助活動を開始。人命救助システムの油圧スプレッターを使用し倒壊家屋の瓦礫の下から負傷者1名を救出し衛生科隊員による応急処置を行った後、救急車により医療機関へ搬送した。
 今回の訓練には、消防や警察など45機関から約3,000人が参加し、災害発生時における自衛隊と各機関との連携や即時救援要領の向上が図られた。

八戸駐屯地も防災フェア支援
 八戸駐屯地(司令・阿部知己1佐)は、8月31日、9月3日の両日、「地域報道関係者との懇談会」を行うとともに「八戸市防災フェア」に八戸駐屯地が装備する人命救助システムを展示した。
 懇談会は、八戸駐屯地と地域報道関係者との相互理解を促進しながら、駐屯地の効果的かつ円滑な広報業務を進めるのが狙いで、今年度6回予定されているうちの2回目。
 懇談会では、八戸市が主催する「八戸市防災フェア」の事前紹介として八戸駐屯地の災害派遣の概要説明、人命救助システムの展示などを行った。
 参加者は人命救助システムの器材の説明に耳を傾け、実際に手を触れ、暑さを忘れ真剣に見入っていた。
 一方、八戸市沼館4丁目「ショッピングモール ピアドゥ」敷地内で実施された『八戸市防災フェア』には、第4地対艦ミサイル連隊から12名、第5高射特科群から4名、合計16名の隊員が参加し、一般市民に対し人命救助システムの展示を実施した。
 あいにくの雨にもかかわらず、買い物に来た多くの市民が立ち止まり熱心に見学していた。
 これらの企画によって、報道関係者や一般市民に対して八戸駐屯地の災害対処能力の高さ、それによる信頼を醸成することができ、大変有意義なものとなった。

<弘前駐屯地>
「誇り高き自衛官の心得」看板を設置
 8月29日、弘前駐屯地(司令・加藤利幸1佐)の本部隊舎玄関に「誇り高き自衛官の心得」の看板が設置された。
 看板は、0Bの工藤冬一氏(元第39普通科連隊第1科長が現役当時から刻字を趣味としており、その作品を見た当時の曹友会長の中山准尉が看板の製作を依頼したのがきっかけで、退官後から製作にとりかかりこの度見事な看板が完成した。
 本部隊舎に設置された看板を見た隊員達は、この立派な看板に負けないよう誇り高き自衛官の心得を実践し、それぞれの任務達成に邁進していかねばならないと改めて感じていた。
 なお、この作品は市内にあるギャラリーで行われた刻字展示会に出品され、展示会に訪れた多くの市民が鑑賞し作品のすばらしさに感嘆していた。

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