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   2005年6月1日号
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ゴラン高原PKO派遣部隊
各種競技で大活躍
リレー、ロードレース、車両競技など
 現在、UNDOF(国連兵力引き離し監視隊)として任務遂行中の第1師団を基幹とする第19次ゴラン高原派遣輸送隊(隊長・佐藤3佐以下43名)は、4月に入り各種大会で大活躍、各国に比して少数の日本隊にもかかわらず、その精強さを知らしめている。
 4月4日には、IDF(イスラエル国防軍)が主催する第7回インターナショナル スポーツデイにUNDOFのリレー(500m)代表として参加した。この大会は、イスラエルにおいて行われる国連組織等(UNDOF、国連レバノン暫定軍、国連休戦監視機構)及びIDFの対抗戦で、サッカー、バレー、バスケット、リレー、綱引きの5種目で競われ、参加チームの国数は15を超える華やかな大会。当日は4人1組の500mリレーに日本隊がUNDOF代表として、医務官の本強矢1海尉、48歳日本隊最年長の野内准尉、高橋1曹、榊原2尉の4人が参加し、惜しくも優勝は逃したものの、準優勝に輝いた。UNDOFとしても日本隊の活躍により3位入賞を果たした。
 また、同9日、オーストラリア大隊の主催するエンジニアンランに参加した。この大会は、ゴラン高原の旧クライネイトシティ近郊において、毎年1回行われる9.4qのロードレースで、今年で11回目を迎える。当日は、気温30度、青空が広がる快晴のもと、約150名の参加者が健脚を競っい合った。日本隊からは桑原福隊長以下14名が参加し、30代の部で出場した江口2曹(第1施設大隊)が大会全体としてもトップで優勝、日本隊隊付准尉の野内准尉(第1施設大隊)が40代の部で出場し第2位。大会全体としても第4位に入賞、同じく40代の部で出場した高橋1曹(第1化学防護隊)が3位、全体としても7位に入るなど、参加者の多くが上位に食い込む大活躍を見せた。レース後は、表彰式が行われ、他国参加者と相互に健闘を称え合い、親睦を深めながら大会を終了した。
 次いで、同14、15日の2日間、UNDOFにおいて実施された車両競技会に参加した。この競技会はUNDOF参加国の対抗という形式により大型車、小型車の部に分けて筆記試験、故障探求、車両操縦とドライバーとして必要な知識、技能を競う競技会で、UNDOFが主催であるという点で重要度の高い大会。その競技会において日本隊は、個人では小型2位に會田士長(32普連)、第3位に松本曹長(32普連)、大型第2位に溝上空士長(第37警戒隊)、第3位に豊川2空曹(6空団)が入賞し、団体では小型の部、大型の部ともに第1位であり、総合優勝するという大活躍だった。

車両競技会に参加して
輸送班 會田士長
 ロデオ・コンペティションという国連の車両競技会に参加しました。競技は大きく大型車の部、小型車の部に分けられ、それぞれの内容は筆記テスト、車両故障探求、操縦実技の3科目で、各国4名の選手が各科目の合計点を競うというものでした。
 参加部隊は日本隊、カナダ大隊、オーストリア大隊、ポーランド大隊及びスロバキア隊で、私は日本隊の小型車の選手に選ばれました。派遣前の事前教育で車両の競技会があるという事は聞いていましたが、選抜発表された時は本当に嬉しく、また、やる気が込み上げてきました。過去の第17次隊、第18次隊は続けてこのロデオ・コンペティションで総合優勝をしており、第19次隊長、輸送班長の「今回も優勝する!」という気迫が選手8名にも伝わってきて、気合と緊張感
に満ちていました。
 競技会の2週間ほど前から、ゴラン高原着隊当初から続く多忙な輸送任務の合間を使っての練成訓練が始まりました。監督、選手、応援者全員、早朝から課業後まであらゆる機会、時間を利用し、優勝を手にするために一致団結、練成に励みました。そして臨んだ競技会当日は筆記テストで始まり、続いて故障探求、日本タイの選手皆、落ち着いて淡々と競技を進めていきました。
 2日目はロデオ・コンペティションのメインとも言える操縦実技で、私は小型車の部全選手の中の1番手で競技に挑みました。緊張感が高まる中で私は「後に続く日本隊選手の勢いを盛り上げるためにも、格好良く決めてやろう!」と気合を入れ直し、わずか数分間の競技に全力を注ぎました。競技を終えた時の充実感と安心感は今でもはっきりと覚えています。
 結果は日本隊の小型車の部、大型車の部共にチーム優勝、総合の部でも優勝しましたし、私は小型車個人の部で準優勝しました。隊員一同歓喜のあまり大声を張り上げながら班長と隊長を胴上げしていました。
 個人の部で準優勝を手にしたのはとても嬉しい事でしたが、何よりも先輩陸曹の中で陸士の力をアピール出来た事が自分にとってはすごく良かったと思います。
 そしてチームを優勝へと導いたのは監督、選手応援者の団結力であり、国際貢献、自衛隊の任務すべてにおいてもこの「和」の力は通じるものであると身をもって再認識できたことは、とても良い経験になりました。
 「隊長の一言」 會田士長は、操縦実技の際に抽選でトップバッターに選ばれたが、落ち着き確実に競技し、しかも極めて良いタイムを出したため、後に続く7名の選手も精神的にぐっと安定し、「後に続くぞ」という雰囲気が強く現れた。日本隊は競技車両「4RUNNER」が1両しかなく、通常彼はその車両を運転する仕事ではない。そういった状況での會田士長個人準優勝は偉業である。

エアポートフェスティバル2005
更家氏(海自OB)、優勝に輝く
 5月の連休中、埼玉県桶川飛行場で「エアポートフェスティバル2005サイタマ」が開催され、イベントの一つとしてアキュラシーとフォーメイションスカイダイビングが行われた。
 スカイダイビング(日本選手権)の部は8WAYオープン、4WAYオープン、同インターミディエイトの3クラス。この中の4WAYインターミディエイトクラスで海上自衛隊OBの更家和彦(ルビ:さらいえかずひこ)氏が優勝チームの一員に輝いた。参加選手の中で最高齢(63歳)であり、注目の的となった。

<論陣>
なぜ"核実験"をひけらかすのか
=北朝鮮の真意を探ろう=
 北朝鮮がまたもや"核"と"ミサイル"で日本、韓国、米国などを脅かし始めた。狼がきた――の話ではないが、脅しが「金」や「食糧」につながると思い続けているのなら、それは全くの見当違いである。中国、ロシアを含めた5カ国が「北朝鮮が核開発を止めないなら経済制裁を」と国連安保理に持ち込んだら、北朝鮮経済は世界の多数の国から押しつぶされてしまうのは目に見えている。それが分かっていながらなぜ金正日総書記は、なぜ、"地か核実験"の準備を敢えてやらせるのか。逆に本当に春以降に実験を強行すれば、北朝鮮は米国とともにアジアの国ぐにと外交上、手を切ることになるのかも知れない。大相撲でいう「角番」に立たされているのが分かっているのだろうか。
 ミサイルの発射は、さる5月1日、北朝鮮東部の基地)から発射された。最初の予測は短距離の「シルクワーム」とみられていたが、その後射程300キロの「スカッド改」であることがほぼ確実になった。これならば超小型の核弾頭なら装着できる。また、北朝鮮は射程の長い「ノドン」「テポドン」中距離弾道も保有しているのでさらに警戒しなければならない。こうした情報は米軍の偵察衛星や空中監視システムが探知して日本に通報してきているので"正確さ"には間違いない。
 一方、地下核実験の情報も主たるものは米軍の偵察衛星によるものだが、それ以外に韓国の情報筋が「北」から知った秘密情報もある。
 米偵察衛星は比較的低空で北朝鮮の要監視地点を1回88分ぐらいの速度で監視しているといわれている。"核"実験施設として注視し続けているのは、北朝鮮咸鏡北道の吉州で、ここには以前から核関連施設らしいものがあり、現在、この付近に一旦、巨大で深いトンネルや穴が掘られ、それが石や土で埋め戻していることが分かった。写真分析の結果、地下の穴の奥に"核爆弾を設置する施設"を作り、それが出来あがったので埋め戻し、"地下核実験の下準備"が完了したとみている。韓国方面からの情報でも、トンネルは実験実績を見聞するための器材と人員のための施設ではないかとしている。
 となると、北朝鮮は「6カ国会談」に対する瀬戸際の牽制か、米朝2カ国協議を実現するための心理戦か、または、すべてを投げ捨てて本物の"核装備"をする前提かという3点に絞られる。地下核実験はプルトニウム爆弾を実用化(軍用装備)するためには欠かせないものである。ウラン元素による爆弾なら実験しなくてもいい場合が多い。そうすると北朝鮮が、いま開発、実験しようとしている核爆弾は、文句なく「プルトニウム爆弾」である。この種の爆弾からはおびただしい「死の灰」が出る。そのリスクを背負ってまで、この時期に、敢えて地下核実験を強行しようとする北朝鮮、いや、金正日総書記の狙いは何か?ということになる。
 もっと単純に、大芝居をして経営状況を打開しようというなら見当外れである。
 北朝鮮の国家経済は極端なインフレ、食糧不足、軍事資金不足など、いわゆる不況に陥っている。その証拠が国をあげての麻薬の密輸であり、外国紙幣の偽造、偽たばこの製造密輸である。日本からの経済制裁も「まだ甘い」といわれながらも、海産物の取り引き、麻薬取り締り強化、送金制限などで、じわじわ効果を表してきている。
 日、米、韓3国は、1993年、北朝鮮に将来、核兵器開発を止めさせようとしてプルトニウムが抽出できる重水炉(建設済)を廃棄させ、その代わりに軽水炉を提供することにした。米国は軽水炉が完成するまでのエネルギーの代替として毎年ばく大な量の重油を北朝鮮に提供してきた。その計画も北朝鮮の違約で中断したまま。北朝鮮はエネルギーにも困り果てている。一応、中国ら援助を頼っているが、中国としてもそうそう甘い顔ばかりはしておられない。金正日総書記のロシア詣でも、経済援助拡大とまではいっていない。「"核"を道具立てにひと勝負するか」。あまりにも単純な見方かも知れないが、北朝鮮には総兵力110万人の軍隊がいる。これら軍人を養っていくためにも"芝居"が必要かもしれない――とも思ってみた。

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