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   2005年5月1日号
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<中央病院>
職能補導所入所式
6名が技術修得目指す
 自衛隊中央病院職能補導所(田中強所長)の第50期年入所式が4月4日、三宿駐屯地内の同所講堂で行われた。
 午前10時、開式の辞に続いて全員で国家を斉唱。次いで、白濱龍興・中央病院長が登壇、今期入所生6名を任命したあと、入所生代表者が白濱病院長に対して力強く申告した。
 白濱病院長は式辞の中で「希望を持って努力するよう」「お互い助け合い、仲間意識を持つよう」など要望するとともに「1年間にわたってそれぞれの職能で確実に技術を修得して欲しい」と激励した。また、来賓を代表して豊田硬・内局厚生課長が、職能補導所創設50周年を迎え、この間、多数の卒業生が全国各地で活躍している状況について触れ、「職能訓練に励み、公的資格も取得し、1年後にはりっぱに職務に復帰できるよう祈念します」と祝辞を述べた。
 最後に、各方面からの祝電が披露され、式を終えた。
 今期入所生6名は、▽建築設計▽木工▽一般事務・レタリング、ワープロ▽パソコン・電子の各科部門を一人ひとりが選択、それぞれの科目を1年間にわたって履修していくことになる。(金澤修治)

援護講話を開催
再就職の心構えなど語る
東京地連立川駐屯地援護室長 2尉 松山志津男
 立川駐屯地(司令・永栄文晴1陸佐)では3月17日、駐屯地会議室で東京地方連絡部(部長・木崎俊造陸将補)立川駐屯地援護室主催の援護講話を開催しました。参加者は、駐屯地司令をはじめとして、立川駐屯地に所在する各部隊長、援護担当者、定年退職予定者、任期制隊員の約60名が参加しました。講師は、富士物流株式会社代表取締役社長・中尾靖博氏にお願いしました。
 当初の20分間は、地域援護センター長・内海2佐が、「最近の援護事情及び退職者に対するアドバイスなど」を話しました。内海2佐は、軽快な口調で「援護に関する部隊長の責任とは何か?」そして「援護に関する個人の責任とは?」とまさに立て板に水のごとく話しました。最後に退職者へのアドバイスとして、『自衛隊勤務で「感動・思い出を作れ」、「何事も自分で考え・自分の意見を持つように心がけよ」「将来に対する人生設計を早く作成せよ」』と熱く語りました。実践で鍛えた援護マンの自信に溢れた書葉は参加者に対し説得力がありました。
 次に、部外講師・中尾靖博氏は『元気な会社の条件』と題し、代表取締役社長として自信に溢れた講話を1時間15分にわたり、わかり易く話していただきました。中尾社長は、1962年「川崎電気製造(株)(現富士電機)」に入社、じ後赤字工場・事業所等の再建に手腕を発揮され、平成11年6月現在の富土物流社長となられた方です。語り口調は、温厚で淡々とした感じでしたが、その人生経験・赤字部門の再建経験等から出てくる言葉には、柔らかい中にも重みが感じられ、説得力ある言葉で参加者に迫ってきました。また、内容も分かりやすく知らず知らずのうちに聞き入ってしまいました。「会社の基本経営」、マスコミを連日騒がせている「ホリエモン」を例にとった「成功する企業の合併・買収」、「会社が求める人材、リーダー登用の3条件、イノベーションに必要な3つの力」などを、事例等を交えて講話していただきました。『「会社が求める人材」では、(1)変化についていける人材 (2)夢を持っている人物?夢を実現するためのプロセスがイメージできる人物 (3)「一芸」を持っている人物 (4)努力という言葉に賛同する人物』と具体的に話されました。
 「NASAスペースシャトル事故の原因は、現場の意見が上に上がっていかなかった組織(会社)の文化・風土です」と断言されました。「失敗はついつい隠したがるものですが、失敗の取り繕いは、失敗したこと自体よりも重大な過ち。失敗したことを正面から取り上げて、対策をとる」などなどジンとさせられる言葉が数多く出てきました。「本日の私のお話が、各部隊長の就職援護指導及び、隊員が就職先を選択する時の参考となれば幸いです」との感想を述べられて講話を終了されました。中尾社長の講話は、年齢・役職にかかわらず隊員全員に通用する内容であり、みんな真剣な表情で聞き入っていました。
 最後に自衛隊OBで富士物流株式会社の高橋英彦部長(小平学校法務教官室長を最後に14年6月に退官)からも、「再就職に際しての心構え等」について話していただきました。「就職準備には、(1)パソコンに慣れておく (2)常識を持つ (3)威張らないの3つが重要です」とアドバイスされました。高橋部長は、上場企業の富士物流に課長補佐で3年前に入社、1年で課長、2年半で部長に抜擢されました。このことは、高橋部長の努力と社長の厚い信頼があっての賜物だと思います。講話を受講した隊員からは、「会社経営の基本、また企業の求める人材等について多くの経験を交えた講話で、非常に分かり易かった」との声が多く聞かれました。また、内海センター長が言った「自衛隊の職務を一生懸命にやっていれば、どんな会社に入っても通用する」が印象深かったと話していました。
 講話終了後は、司令・副隊長・業務隊長・センター長と中尾社長・高橋部長との記念昼食会で、自衛隊イラク派遣、スマトラ沖地震・中越地震派遣等についての意見交換をしながら、おいしい食事に舌鼓を打っていただきました。中尾社長からは、「今日でますます自衛隊ファンになりました」との感想がありました。司令からも「今日の援護講話は、大変効果があった」とお褒めの言葉がありました。

航空中央音楽隊が定期演奏会を開催
 〈日時〉6月19日(日)▽開場13時▽開演14時
 〈会場〉すみだトリフォニーホール
〈指揮〉中村芳文1空尉▽行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」齋藤高順作曲▽吹奏楽の為の交響的舞曲「月の宴」(世界初演)矢部政男作曲▽航空中央音楽隊委嘱作品「ユーフォニアム協奏曲」(世界初演)伊藤康英作曲【外有祥一郎1空曹独奏】
 〈指揮〉松井徹生3空佐▽航空中央音楽隊委嘱作品「碧空」服部隆之作曲▽交響曲第1番「アスガルド」テオドロ・アパリシオ・バルベラン作曲
 〈お問い合わせ先〉〒190-8585東京都立川市栄町1の2の10 航空自衛隊航空中央音楽隊 広報係・内田安年1空曹?042・524・4131内線292

<論陣>
なぜ急に反目活動が台頭
中国の愛国思想教育の成果?
 中国での反日的デモの盛り上がりには恐しさを覚える。なぜ、いま、あれほどまでに中国の若者を反日活動に駆り立たせているのか?。中国の指導者たちは、これからの口中関係をどう考えているのか?−−相次いで疑問が湧いてくる。日中経済協力、外交問題、北京オリンピック、ひいては中国が開催を計画している2010年の万国博覧会など、どれひとつ取り上げても中国が、あえていま日本を敵に回して得をすることはないはずである。
 中国国内の諸問題、特に貧富の極端な差などの国民、いや、人民の不満を押さえるためのガス抜きの方策として"反日"という外敵を作り、人民の目をそらそうとしているのならば、それは大問違いの政策である。
 たしかに日本は1900年代、満州事変をはじめとして、上海事変、そして中国全土に軍隊を派遣、侵略した。1945年、日本が敗れ、以後、日本は軍国主義を捨て、平和主義、民主主義国家として生まれ変わった。
 歴代の日本の首相は、ことある毎に、中国に対して過去の誤ちについて"謝罪"をし、中国の経済発展にも全面的に協力してきた。日本国民も歴史的に中国への侵略の事実、中国人民に対する犯罪には心から「わるかった」と思っている。そうしたことへの反省が「二度と外国への侵略行為をしない」という"国の方針"を生んだのである。
 一方、中国でも歴史教育は行われている。特に「中国の歴史」の中で「日本帝国主義による侵略」については小、中、高校で相当詳しく述べられている。例えば小学校「中国の歴史」では日本侵略のくだりは11ページ、中学では、南京虐殺などを含めて79ページ、高校では、さらに詳しく100ページも掲載されている。
 中国では、こうした教育を"愛国教育"と名付けている。愛国とあえて唱えた文字がまかり通り出したのは1996年、江沢民主席のときからである。中国国内は一時、思想的に混乱しかけた時期があった。経済は資本主義、思想は共産主義の矛盾が吹き出し、経済不正、汚職、自由要求などが広がり出したのである。そうした"混乱"を拡大させないために江沢民主席が打ち出したのが、青少年に対する"愛国教育"だった。中国の歴史を学ばせることで人民に愛国心を植え付けようとした。そのため最もいい教材が「日本帝国主義の中国侵略」だった。教科書国定が一種類の中国では、青少年に同時期に同一教材による教育が実行できる。言葉を替えると「同年齢の愛国者を一度に何千万人も育てることができる」訳である。
 4月中旬から行われた激しい反日デモに参加している者を見ると、テレビの画面に映るのはほとんどが20歳台から30歳台の青年ばかりである。口々に叫ぶ反日的シュプレヒコールも「歴史の教科書の言葉そのまま」である。まさに愛国者教育の成果?である。
 日中経済海域すれすれの東シナ海海底から天然ガスを採取する中国、尖閣列島魚釣島の領有権主張、その他、沖縄海域での領海侵犯など、最近の中国のやることは目に余ることが多い。そしてガス田については、日本が日本の経済水域内でのガス埋蔵調査権を日本の民間業者に許可することを「準備している」と中国側に伝えると、中国は「中国の権益や国際関係の原則に対する重大な挑戦だ」と日本を強く非難してくる始末。魚釣島も「古来、中国の領土だ」と主張。中国の既得権については一切、譲ろうとはしない。そのうえ、最近は日本の国連安保理常任理事国入りにも反対を表明。
 町村外相が、さる4月17日訪中し、李肇星中国外相と北京の迎賓館で会談した。席上、町村外相は「中国での反日デモで邦人や日本の公館などに被害が続出している」と損害補償と中国政府の謝罪を要求した。これに対して李外相の回答は「中国政府はこれまで日本国民に申し訳ないことをしたことはない」「いま重要な問題は、日本政府が歴史問題などで中国人民の感情を傷つけることをしていることだ」。補償も謝罪もしなかった李外相の態度は「礼に始まって、礼に終わる」という"外交の鉄則"から大きく外れてしまっている気がしてならない。愛国心ばかりを振り回している中国、果してオリンピック、経済開発、万博と成功するだろうか。

防衛ホーム 俳句コーナー
 置きざりの蕨(わらび)干場の猫車  村上 郁
 火の山の那須岳はるか麦の秋  菊池 緑
 一人静ほどにひっそりをりたき日  大谷 弥栄
 向き変へて列に抗ふ蟻の居て  有馬 澄廣
 昨夜の雨跡形もなき白牡丹  五百蔵英子
 無欲てふ欲のありけり夕端居  米田ふさえ
 淋しとは吾のみならず祭笛  神部 しげ
 春愁やむかしのひとの骨拾ふ  神濱 桜枝
 小刻みに腰弾ませて神輿昇く  藤井 湖風
 緑蔭の思惟仏も句を案じるか  西村 爽風
 河竹黙阿弥住居跡てふ祭路地  佐藤 君子
 峡より五月の風に草揺るる  桑野 英毅
 心まで老いたくはなし柏餅  石井 豊村
 拘泥(こうでい)を捨て切れぬ夜の豆の飯  北川 矩子
 夢に見し人追うてゐて明易し  長谷川ハルエ
 三社祭鯔背(いなせ)もそうでない人も  内井紀代子
 お茶摘みの名人という手の厚み  藤澤うらら
 春らしきエプロンをかけ朝厨  北島 美保
 宛先のなき母に買ふカーネーション  西田真由美
 でで虫の所作の仔細を見てをりし  和田 渓山
     選者吟
 紙飛行機飛ばす少年たちの夏  保坂 伸秋
     (「栃の芽」誌提供)
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