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   2005年3月15日号
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小千谷中学校吹奏楽部と共演
<12音>
中越地震災派に感謝
 第12音楽隊(隊長・田先1尉)は2月6日、前橋市群馬県民会館で『第41回定期演奏会』を開催した。今回は新潟県中越地震で被災地となった小千谷市の小千谷中学校吹奏楽部と共演し、来場した観衆に感動を与えた。
 新潟中越地震災害には、北は第2師団から、南は第8師団や第2混成団など、全国から来た部隊が民生市民(給食・入浴支援)を実施した。同中学校グラウンドにも入浴施設が開設され、現在もグラウンドには仮設住宅が建てられているなど、地震の爪痕を残している。
 演奏会は2部構成で行われ、第1部では映画音楽特集、第2部は「希望へ翔け!明日へのメロディー」をテーマに、大型スクリーンに映し出される災害派遣活動の様子に合わせて、一日も早い復興を願い「ジュピター」などの演奏を実施し、2ヵ月にわたる行動を紹介した。
 その後、小千谷中学校吹奏楽部と共演して「ジェラート・コン・カフェ」「栄光への架け橋」「世界に一つだけの花」を演奏。アンコールでは吹奏楽分が壇上に整列し「ふるさと」「翼をください」を合唱し、観衆から盛大な拍手を浴びていた。
 演奏会に参加した生徒は「全国から自衛隊が来てくれて、私たちのために温かい食事やお風呂を用意してくれたことがとても嬉しかった。今回、自衛隊と共演できて良い思い出ができました」と感謝していた。

<論陣>
対中ODAは見直しの時
=急成長の経済大国に援助?=
 開発途上国の発展のための経済協力、いわゆる政府開発援助(ODA)予算が決まろうとしている。返済無用の援助と超低利、長期の借款の2種類。スマトラ沖地震被災国や莫大な地震被害を出したイラン、アフリカの開発途上国などに国民の血税を出して救うのには理解できるが、世界中でも目まぐるしい経済成長を遂げている中国に、いつでも借款という名でODA援助を続けているのはいかがなものかーという声があがってきている。一部には「毎年、少しづつ減ってはいるが、この際、対中ODAは廃止するべきだ」とさえ主張する経済専門家もいる。
 中国に経済成長は目ざましい。年9.4%という成長率は、かつてバブル期の日本経済の躍動ぶりそっくりである。08年の北京オリンピックをひかえて中国の内需は、さらに拡大するといわれている。
 事実、中国の首都北京をはじめ、上海、広東、大連、南京など主要都市の街並みの様変わりには目を奪われる。北京国際空港から北京市内への高速道路に驚いていたら、あっという間に市内縦断に高速道路が走り、天安門から南の朝陽区の大学まで車で50分かかっていたものが、高速道路に乗れば、なんと15分で到着する便利さである。上海も同じである。お陰で川辺から有名なガーデンブリッジを静かに眺めるなどという風情はなくなってしまった。上海体育館の見事さにも目を見張るが、上海博物館の内容には驚いた。西安の兵馬俑(実物)から各地の歴史、地理、産業に関する「物」までが、所狭しと展示されている。言葉を代えると「よそに行かなくても上海博物館を見物(学)するだけで全中国が分かる」ほどである。館員に「よく、これだけのものが建てられましたね」と言うと「日本からお金が来ますから…」と笑顔。ODAかどうかはきかなかったが「日本からのお金」というのは間違いないようだ。北京の王府井、東京の銀座通りに当たるが、ここも全て近代化ビル街になった。かつての中国独特の良さとにおいが消えてしまった。
 中国経済急成長は、アメリカ経済の不安要因にもなっている。これは中国の通貨である「元」が、実際の経済力に比べ、対ドル水準価値を割安にしている。そして水準が固定されているので、米穀に安価な中国製品が大量に流入してきている。そのため米国の中小企業の経営が苦しく、倒産する会社が続出しはじめているというのである。
 日本にとっても、中国が最大の貿易相手国になった。2004年の輸出と輸入を合計した貿易額が22兆2千億円。それまで1位だった米国との貿易額を上回り、トップに踊り出たのだ。東京新聞などによると、商品別では、半導体や音響・映像機器部品の輸出が4年間で3倍に、輸入では、事務用機器が2.6倍。日本企業が中国に部品を輸出、現地で完成品として組み立て、日本に輸入している。なぜ、そういうことを日本企業がするかというと、まず中国の人件費の安さにある。中国の人件費はおよそ日本の10分の1である。その上、中国政府は外国資本を積極的に誘致するため法人税面で優遇しているのも、その傾向に拍車を加えている。
 これほどまで「すざまじい経済成長」をと遂げている中国に、例え借款であってもODA(開発援助)する必要があるのか?対中国借款の条件のほとんどは、金利は年1%以下、返済が40年では”差し上げる”のと同じこと。日中両国間で開発援助とは言っているが、「実質的には戦時賠償金のような気持ちがあるのではないか」と言う人もいる。
 確かに、日中間には、過去の歴史上から不愉快な、不幸な出来事があった。そして、いまも、その”遺産?”が現れている。例えば日本軍が終戦時に埋めたといわれる「毒ガス弾」などが中国各地で見つかっていることなどである。これなどは、当然、日本政府がODA資金で回収、処理すべきであろうし、被害を受けた人や周辺の地域には、援助することで解決すべきであろうし、未開発の農村地帯での技術援助などは続けていく必要があるが、「成長しきった地区の開発のための援助」などはやめていいのではないだろうか。


東富士を撮り続けて…
富士本屋写真部
佐藤欣一氏(写真提供)
<シリーズ17>
学生射撃訓練 155mm榴弾砲M-1
射撃訓練 当初は米軍が使用していた訓練場で、現在は民間のサーキット「オートパラダイス御殿場」になっている
155mm加農砲M2

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