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   2005年1月1日号
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西部方面隊銃剣道競技会
熱戦の末、42普連が優勝
尚武の地で有終の美飾る
 平成16年度西部方面隊銃剣道競技会が12月16日、熊本市総合体育館で開催され、各部隊から選抜された245名、49個チームの選抜選手が熱戦を繰り広げた。特に今回は西部方面隊として行われる最後の競技会。金澤和夫熊本県副知事、川井武彦全日本銃剣道連盟副会長はじめ来賓、隊員を含め約2250名が参加し、尚武の地にふさわしい盛大な大会となった。
 開会式では統制官である林直人総監が訓示に立ち、競技にあたって「攻撃の剣を重視する」「勝利に対する執念を持つ」「礼節を尽くす」ことを要望。また、最後の競技会を有終の美で飾るよう選手の健闘に期待し力強く激励した。
 また、競技開始を前に全九州銃剣道連盟連合会による銃剣道と短剣道の演武が行われ、構え、気合い、突きの機会などを披露しながら、相手の心理を読みとる「理合い」について解説。隊員たちは真剣な表情で演武に見入っていた。
 競技は団体戦対抗、予選リーグ、決勝トーナメント戦で行われ、6試合を同時に進行。それぞれの選手団が試合場に入場し、競技がひとたび始まると体育館内はたちまち気迫に満ち溢れ、その力強さは選手が動くたびに響く床の振動からも伝わった。1チーム5人1組で展開する試合は真剣勝負の連続。試合中、気合を入れるたびにおくられる部隊の仲間の声援と応援の拍手に選手たちは果敢な姿で応え、最後まで戦い抜いた。
 大会結果は次のとおり
▽1部(普通科・特科・連隊11チーム)、(1)42普連(北熊本)、(2)16普連(大村)、(3)43普連(都城)▽2部(1部以外の連隊・大隊等24チーム)、(1)4施大(大村)、(2)4通大(福岡)、(3)対馬警(対馬)▽3部(飛行隊など14チーム)、(1)3教団(相浦)、(2)4師付(福岡)、(3)1混本付(那覇)

百里基地で初の日米統合訓練
 平成16年度日米共同統合訓練が11月10日から19日の間、米軍(嘉手納、三沢、横田基地)208名が参加して百里基地を拠点に行われた。
 共同訓練では主に異機種対戦闘機戦闘、多数機侵攻目標要撃、相互再発進準備訓練が実施され、期間中は田母神俊雄総隊司令官及びワスコー在日米空軍司令官が視察。特に準備訓練では、はじめて双方が相手国機に兵装を試みたほか、今回初の百里基地での訓練開催とあって、基地独自の警備訓練や航空機吊り上げ訓練、土嚢構築訓練及び浄水訓練も行われた。
 訓練中は基地隊員と米兵の技術の交換が盛んに行われ、相互の信頼関係を深めた。

第28回全自柔道大会
郡山が3連覇(団体)
 第28回防衛庁長官杯「全国自衛隊柔道大会」が12月4、5日の両日、東京・朝霞の体育学校で開催され、全国の陸海空自衛官はじめ生徒、防大らの精鋭が一堂に会して日頃の鍛錬の成果を競い合った。
 開会式では優勝旗と優勝杯が返還されたあと、功労隊員の表彰に続いて結城則雄郡山駐屯地主将が力強く選手宣誓、西川徹矢大会会長(防衛庁人事教育局長)、先崎一統幕議長、嘉納行光(財)講道館館長ら来賓が臨席する中、競技が行われた。
 今大会には66団体、590選手が参加し、初日に団体、翌日に個人での熱戦を展開。団体1部では郡山Aチームが3連覇、個人では向井孝之2曹(73キロ以下級)、吉岡博之2曹(66キロ級)が2連覇を成し遂げた。
 また競技の合間には、全日本選抜大会8連覇、五輪はじめ数々の世界大会でメダルを獲得している中村行成(全日本柔道連盟)先生を講師に招いての柔道教室が開かれ、部隊隊員はじめ地域の小・中・高校柔道部生徒など約200名が参加。子どもたちは選手の熱気が残る畳の上で大外がりや内股などの稽古に元気に励み、体育館は一日熱気に満ちていた。
 大会結果は次のとおり。
 【団体戦】▽第1部、(1)郡山A、(2)横須賀、(3)木更津、国分▽第2部、(1)大宮A、(2)習志野B、(3)別府、仙台▽生徒対抗、(1)少工校、(2)航空教育隊生徒隊、(3)1術科生徒部
 【個人体重別男子】▽無差別、(1)相牟田豊(朝霞)、(2)谷口忍(国分)、(3)波尻憲一(舞鶴)、永瀬淳史(久留米)▽90キロ以下、(1)高田恵一郎(北熊本)、(2)北垣好貴(海田市)、(3)三浦俊彦(福島)、片岡徹(別府)▽81キロ以下、(1)根岸豊(横須賀)、(2)野中圭太(同)、(3)上川誠(都城)、塚野裕二(練馬)▽73キロ以下、(1)向井孝之(久留米)、(2)中村謙作(朝霞)、(3)名島義博(大宮)、本郷賢一郎(朝霞)▽66キロ以下、(1)吉岡博之(習志野)、(2)植木孝浩(北熊本)、(3)横沢豊和(郡山)、坂田三四郎(舞鶴)
【同女子】▽無差別、(1)三品智香(郡山)、(2)小川律子(下総)、(3)山本かずな(防医大)、篠原梢(霞ヶ浦)▽63キロ以下、(1)夏目朋美(信太山)、(2)後藤友希(仙台)、(3)梅澤彩香(防大)、榎本菜香(熊本)▽52キロ以下、(1)力丸由美(郡山)、(2)小永吉麗華(霞ヶ浦)

日頃の鍛練成果を発揮
防衛庁 合気道演武大会
 第43回防衛庁合同合気道連合会の演武大会が11月27日午後1時から所沢の防衛医科大学校武道場で、(財)合気会の植芝守央道主を迎えて開催された。
 午前中、演武大会に先駆けて(財)合気会の大澤勇人師範の指導による合同稽古があり、早めに到着した支部の会員約70名が元気に汗を流した。
 演武大会は、柳澤協二連合会会長(内閣監房副長官補)が「自衛隊が躰で覚えたことと同様に、合気道も基本的な動作を拾得すれば自然に躰が動く、それが人生に役立っていく、今日の演武会を契機に明日からの任務に励んで欲しい」と挨拶。続いて来賓の植芝道主から「今日は、全国の支部が一同に集まり日頃の成果を発揮され、合気道を通じて心身を鍛練して社会生活の中に活かして戴きたい」と挨拶があり演武に移った。
 今回の大会には、北は青森県大湊、南は鹿児島県川内まで25支部、約200名の会員が参加した。
 演武の進行は、大会委員長である西部航空方面隊司令官・永岩俊道空将を皮切りに、各支部の演武、OB演武と続き最後に植芝道主による総合説明演武で大会を終了した。
 大会終了後、優秀支部として、防衛大学、十条、北熊本、厚木、春日が永岩大会委員長より賞状と楯が手渡され、また、永年連合会の発展に尽力され、定年退官を迎える十条の菅原1佐他8名に表彰状と記念品が連合会から送られた。
 なお、防衛庁合気道連合会は、昭和36年に発足し、全国の自衛隊、機関に43支部、約500名の会員がおり、自衛官、事務官等、OB、米軍等、さらにその家族が全国支部で稽古を重ねている。

<部外者の声>
環境を学ぶきっかけとして
弘前市立第2中学校 戸澤 康之教論
南極の氷にふれて 地球温暖化について考えよう
 南極の氷が贈呈されることになった。せっかくの「南極の氷」を使って、何を子供たちになげかけるか?何に気づいてほしいかのか?やはり南極が子供たちに語ってくれるものは、かけがえのない素晴らしい自然ではないかと考えた。
 「言語知」とは、言葉で伝えたり、言葉によって理解できる知識のことである。「暗黙知」とは、言葉で表すのは難しいが、我々が漠然と感じていたり体験したり、身につけている感覚である。最近、学習の土台となる「基礎・基本」を重要視する声も多いが、あくまでも「言語知」の領域で議論されていることが多い。理科の学習においては「言語知」と「暗黙知」の一体化が大切であると考える。今日、何を勉強したか?言葉ではうまく表せないが何か感じた、そのような体験こそが積もり積もって、自然の事物や現象に関して、より深い認識や自然に対して感動する心、探究しようとする意欲がうまれるのではないだろうか。
 めったに目にすることのできない「南極の氷」。インパクトは十分である。子供たちが直接手で触れ、とけ出すときに出て来る太古の空気の音を聞き、感じ取った「暗黙知」がこれから中学校で学習する、自然や環境へ目を向けようという起爆剤になってくれればと考えている。今回は、極地の氷がどんどん溶けだしているという事実から、温暖化にスポットをあて、世界各国ですでに始まっている防止対策を紹介し身近でもそんな取り組みが多く存在することに気付かせたい。
 このままでは地球の温暖化により、21世紀末までには地球の気温が2度も上昇することが指摘されている。地球温暖化とともに、酸性雨、オゾン層の破壊、砂漠化、熱帯林の減少、異常気象などの環境問題も指摘されている。これらは、エネルギーの大量消費と関係している。またエネルギーの大量消費を支えてきた化石燃料の枯渇も予測されており、日本をはじめとする先進国の大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済活動と暮らし方を問い直すことが緊急かつ重要な課題になっている。地球温暖化、酸性雨などの様々な環境問題に対処するためには、現在の大量生産・消費・廃棄の社会システムへと転換することが必要である。
 国際会議では、文化や習慣、暮らし方、経済状況の異なる人々が「自然との共生」や「環境的公正」を実現させるために新たなシステムが検討されている。身近でも、地球環境問題に対する取り組みは、すでに数多く存在している。これからの時代を担う子供たちが、生涯学習としてのエネルギー・環境教育に興味を持ってくれることを願い、本題材を設定した。

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