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   2004年12月1日号
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津曲空幕長、褒賞状を授与
模範空曹・事務官など
10名の各々職域 スペシャリスト
空自と地域との架け橋として活躍
 津曲義光空幕長は11月17日、明治記念館で模範空曹・事務官などに褒賞状を授与した。この賞は、それぞれの職域のスペシャリストとして技能を遺憾なく発揮したり、後輩隊員の育成、また、スポーツや文化面などを通じて航空自衛隊と地域の架け橋として活躍している空曹等を表彰するもので、今回で34回目。
 この日、空自高級幹部や関係者多数が見守る中、夫人同伴で授与式に臨んだ模範空曹等一人ひとりに、津曲空幕長が褒賞状を手渡し、その労をねぎらった。また、招宴や市ヶ谷記念館などの研修も行われ、招待された模範空曹等は晴れやかな表情で「この栄えある受賞を期に、一層任務遂行に邁進する」ことを誓った。
※被招待者は次のとおり
<模範空曹>▽丹野弘空曹長(北部航空警戒管制団=千歳)▽小竹康博空曹長(中部航空警戒管制団=入間)▽寺田一空曹長(第8航空団=築城)▽岡本治空曹長(第5高射群=那覇)▽小浦孝幸空曹長(偵察航空隊=百里)▽芳賀俊彦空曹長(作戦情報隊=府中)▽白川保雄空曹長(第12飛行教育団=防府北)▽根岸健二空曹長(第1補給処=木更津)<模範事務官等>▽有川克博技官(南西航空警戒管制隊=奄美大島)▽邊見公技官(第4航空団=松島)

エンジアン・ランに参加して
第18次ゴラン高原派遣輸送隊 3空曹 飯塚雅之
 10月23日、ゴラン高原の旧クネイトラシティ近郊において、「Enzian Run(エンジアンラン)」という9・4kmのマラソン大会に出場しました。この大会は、日本を含む5カ国のUNDOF全隊員に参加資格があり、日本隊からは11名、全体としては、約60名の参加者がありました。
大会の公示当初から、優勝と大会記録の更新を周囲に期待され、もちろん私自身も目標にしていましたが、他国に私よりも早い退院がいるとのいう噂をあり、プレッシャーを感じながら日々練成を続け、隊長だけは整えて大会に臨みました。
 大会当日は、10月末にもかかわらず、気温30度の快晴。標高1000mの高地のため、日差しが強く、酸素も薄いレースコンディションでしたが、スタートするや、すぐに一人旅状態。残り8km地点で優勝を確信し、後はひたすら先導の自転車を追いかけながら大会記録との戦いでした。
しかし、思わぬハプニングが待ち受けていました。幾度となく沿道の茂みから犬が近づいて来るため、ペースが乱れてしまうのです。最もハラハラしたのが残り2km地点。4、5匹の犬が現れ、係員も追い払いきれず、その中の1匹が私のすぐ後ろを吠えながら追いかけてきたのです。結局、暫くしてその犬は疲れたのか追いかけるのを諦めたらしいものの、ペースの乱れと酸素の薄さと重なり、疲労困憊した状態でのゴールでした。
 結果は33分8秒で2位に約3分差をつけての優勝。大会記録も2分43秒更新と、結果だけを見れば、当初の目標を何事もなく達成したように思われますが、ハプニング続出の生涯忘れることのできない思い出深い大会の一つとなりました。
 レース後は、終始音楽が流れる明るく楽しい雰囲気の中、見ず知らずの他国の参加者と握手を交わし、相互に健闘を称え合い、言葉は上手く通じなくても一体感と充実感で満ちていました。
最後に、この度のエンジアンランで優勝、そして大会記録を更新し、今年で10回目を迎える大会の歴史に名を刻むことが出来たのも、沿道で応援し、また平素から共に練成し、サポートして下さった18次隊の皆さんと、PKO活動への参加させて下さった所属部隊の皆さんのおかげです。心から感謝申し上げます。

<話題の新刊>
武士道の国から来た自衛隊
イラク人道復興支援の真実
産経新聞イラク取材班・著
 本書は、「武士道の国から来た自衛隊らしく規律正しく堂々と任務を遂行しよう」と番匠幸一郎・第1次イラク復興支援群長(現陸幕広報室長)の訓示で、イラクに派遣された隊員たちを描く迫真のドキュメンタリー。
 主な内容は▽イラク活動の主要な実績▽黙ってイラク派遣に志願した一人息子▽機上で読んだ妻からの手紙▽イラクの人々との交流▽現実と報道の落差▽隊員たちの暮らし▽自衛隊と武士道▽多国籍軍を脱帽させた技▽イラク人によるイラク復興を大前提とした復興支援活動▽許されなかった制服での民間機搭乗▽故・奥克彦大使からの貴重なアドバイス▽自衛隊流ヒューミント(人的情報)の成果▽食料、仕事――イラク人が本当に欲しいもの…などで、派遣隊員とのインタビューを通して活動の実態、報道されていない真実が伝わってくる。
 防衛庁・自衛隊創設50周年の節目の年に発刊された本書は、今後益々高まる国内外からの期待に「国民とともに自衛隊はどう応えていくべきか」を現実的に示す珠玉の記念誌でもある。
(発行・産経新聞ニュースサービス、発売・扶桑社。A5判、206ページ、定価1575円)

防衛ホーム 俳句コーナー
討入の日の陣太鼓展じたる  山崎 芳堂
殺生石ひとつひとつにある寒さ  富岡めぐみ
雀らに枝をさしのべ枯桜  小川 淑子
山の湯の枯木の宿に客ひとり  村山  郁
廃校の跡形もなき枯野かな  人見 ひさ
お手玉やひびあかぎれを子ら知らぬ  戸部 弘美
風すさぶ音にも醒めず山眠る  山口 生石
雪嶺の見下ろす野辺の墓標群  天本宏太郎
潮のさすごとくに枯野翳りゆく  島田 基三
冬の月心の奥を見透かされ  箸方 えい
聖樹の灯托鉢僧を照らしをり  米田ふさえ
日当たりて肌をあらはに山眠る  工藤 青樹
冬濤や微動だにせぬ親不知  駒野 英明
無為といふ安らぎにあり日向ぼこ  和田 一菜
着ぶくれて五百羅漢の前に立ち  成合よしひろ
鳥たちの楽園となり冬干潟  渡辺 成典
しんしんと白樺林冬深む  塚本 飛鳥
ストーブに又出して読む子の便り  西丸 寛月
散り様を風に委ねし枯葉かな  西村 榮治
木枯に犬の遠吠えありしのみ  香田 忠男
選者吟
砂文字の一字を消して波の冬  保坂 伸秋
(「栃の芽」誌提供)
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「栃の芽」誌をご希望の方は、<栃の芽会連絡先=仙台防衛施設局総務部・畠中草史氏電話022・295・1281内線3100>へご連絡下さい。

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