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   2004年12月1日号
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テーマは「誇りと信頼」
Marching Festival 2004 in 武道館
防衛庁・自衛隊50周年記念
日本武道館へようこそ
 陸海空自衛隊音楽隊、第302保安中隊のオープニングセレモニー、ファンファーレ高くドラマは幕を開けた。
 「血が騒ぐ。はじめて見にきた妻と娘も喜んでいた。よかった」(宮城県 元自衛官と家族3人)。かつて和太鼓で舞台に立ったOBも、地元代表の東北方面音楽隊をじっと見守る。「イン・ザ・ムード」でスウィングし、大漁旗がライトを浴びて翻る。キュートな水玉衣装に「女性が多く、意外だった。とくに可愛らしくて小柄だったことにも驚いた。テレビでの堅いイメージが一新された感じ」(杉並区 20代女子学生)。
 続く東部方面音楽隊は「東京オリンピックファンファーレ」あるいは「男はつらいよ」で東京ローカル色を打ち出す。毎年参加の実力は洗練されている。出演3方面音楽隊のトリは西部方面音楽隊の演舞。「島唄」にはじまる琉球民謡を“びんがた”に代表される夏の民俗衣装で披露した。近藤純子3陸曹のソロボーカルと第1混成団エイサー隊の伝統舞踊が、南国の調べで館内の温度を徐々に上げていく。
”合戦”自衛太鼓の武者ぞろい
【武士道──SAMURAI】
 「太鼓の力強さが自衛官らしくていい。何度見ても飽きるってことはないと思う」(千葉 家族4人)。“合戦”自衛太鼓はさすがの人気だ。「それぞれの持ち味で楽しませてくれる太鼓が一番!」(埼玉県 50代女性)。
 嵐を呼ぶ男たちの楽屋で開始直前にインタビュー。──特訓のほどは?──「我がチームは新人で2週間の特訓、ベテランは3年選手が主力で勢いに乗っています」と語るのは武山自衛太鼓のリーダー・原田3陸曹。聴き所は「もちろん協調しあう全体の掛け合いに注目して」さらに「チーム曲でのアピールも個性充分です」と意気込む。「自衛隊の統制美をご覧下さい」。
 怒濤の自衛太鼓は全国から選抜の10チームの武者たち。北海道自衛太鼓、滝川しぶき太鼓(初)、八戸陣太鼓、船岡さくら太鼓、朝霞振武太鼓、武山自衛太鼓、滋賀十戦太鼓、熊本八特太鼓、福岡防人太鼓(初)、海自八戸華炎太鼓。舞台左右で交互にスポットを浴び腕比べ。バチさばき、地鳴りが大地の神々を召喚する。
 「素晴らしい迫力!いままでも見た事あったが、全国の部隊が集まると期待以上。すごく感銘した!」(霞ヶ浦 70代夫婦)、「鳥肌がたった」(東京 30代女性)。自衛官に息づく武士の魂は、時代も地域も凌駕する。
【激励、今津副長官】
 「マーチが大好き。自衛隊音楽隊の大ファンなんです」(千葉県 50代主婦)。葉書がやっと当選した喜びとともに、「キビキビした動きに感心しました」。惜しみない声援だ。
 応えるショーアップは“誇りと信頼”。リペリング降下した第1空挺団演技隊が激流に翻弄される被災者を快活なテンポで救難する。自衛隊ここにあり。迫力の演技で今年のテーマを象徴的に表現した。
 これを称えて自衛隊応援歌「All to One」。ゲスト歌手・峠恵子さんと陸海空女性自衛官が合唱した。
 招待公演では作詞者の女流墨客・柏木白光氏が客席で立ち上がって会釈。また同公演では今津寛副長官が全出演者に感謝の挨拶、イラクはじめ各地で活躍中の隊員に激励の言葉を贈った。(写真=今津寛副長官)
空挺隊員が災害援助を実演
【世界の友好を音楽が】
 じっくり聞かせるプレイなら「大合同演奏」。いよいよ舞台は世界の音楽へと羽ばたく。陸海空自衛隊と米豪の軍楽隊によるドリル演奏のコラボレーションが始まった。式典序曲「輝ける勇者たち」を高木義勝2空佐のタクトで合奏。
 「外国の軍楽隊が一緒の舞台で自衛隊と協力している姿に意義を感じ、感動した」(千葉 4人家族の妻)、「聴いても見ても素晴らしかった。子どもに見せてあげられてよかった」。音楽が平和の芽を育んでいたようだ。
 在日米陸軍軍楽隊ドリル演奏は今年もエドワード・J・レフリンク1等准尉が指揮。客席から自然に手拍子が沸き起こり、場内に一体感をもたらした。55年度以降毎回レギュラー参加の当意即妙は本物だ。
【初参加の豪軍は「ディジュリドゥ」の響き】(写真=豪州陸軍は神秘の楽器「ディジュリドゥ」で発参加)
 初登場の豪州陸軍軍楽隊ドリル演奏は“精霊の声”に始まった。豊かな倍音に彩られた不思議なつぶやきが武道館に響く。オーストラリア先住民のアボリジニが精霊と交信するために祭儀で使用していた民族楽器「ディジュリドゥ」の音色だ。シロアリに内側を喰われて空洞化したユーカリの木で作られるこの楽器、循環呼吸法で途切れることなく響く。太古の神秘的なメッセージは全人類の本能に懐かしく共鳴する。「音楽」が生まれ出る原点に耳を澄ました。
 マーチングは演題「サウンド・フロム・ダウン・アンダー」。指揮はパトリオット・ピケット陸軍中佐とドラムメジャーにスティーブン・ハレディオ准尉。

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