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   2004年7月15日号
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修武台 記念館見学など実施
元B29乗員と元陸軍少年飛行兵
<入間基地>
 空自入間基地では6月18日、太平洋戦争中の日米パイロットが同席し、「修武台資料館」を見学した。60年前の敵は今日の友となって若き日を懐古し、会談で親睦をかみしめた。
 今回の来訪目的は旧陸軍航空士官学校関連の研修と、B-29に関わる資料の見学。参加者は、元日本陸軍・少年飛行兵の田中次男氏、日向一泰氏、澤登文雄氏はじめ関係者と、元米空軍・航法中尉レイモンド・ハップ・ハロラン氏。
 ハロラン氏は太平洋戦争時に撃墜されたB-29の捕虜生存者として著名で、これまでも来日を重ねることに親善を深めてきた。とりわけ85年には、自機を撃墜した旧日本陸軍のパイロット・樫出勇氏と初対面し過去の辛苦を乗り越えた戦士同士の握手が話題となった。
 午前11時に入間基地・稲荷山ゲートに集合した参加者は、空自隊員の解説で修武台記念館を約1時間にわたって見学した。
 ハロラン氏の訪日は少飛会から故・樫出勇氏のご子息・樫出勇雄氏に伝わり、ハロラン氏と勇雄氏の初対面が実現した。自己紹介で互いを知った両氏は、巡り合いに感銘し、故人をしのんで会談した。
【亡父の旧交にお礼と感慨…樫出勇雄氏所見】
 父は子供に対し、戦争の話しはあまりしない人だったので、父の戦時中のこと、ハロラン氏のことなどは、あまり知らなかった。それが、10年前に父が亡くなってからは、徐々に父のこと、ハロラン氏との関わりについて興味が湧いてきて、一度お会いしたいなと思うようになった。また、B29の模型や写真、手紙など多くのものを頂き、父との旧交にお礼を申し上げたいと思っていた。今日、その思いが果たせてとても嬉しい。
 ハロラン氏は、昔のことをよく覚えておられて、厳しかったであろうつらい思い出も楽しそうに話されるその姿を見て、本当に優しい方だなと実感した。これまでのいきさつを考えると、実際にお会いできたことは、本当に感慨深い。
【貴重な経験をありがとう…ハロラン氏の所見】
 樫出氏のご子息とお会いできてとても嬉しい。また、修武台の歴史的な資料を拝見できたことは、貴重な経験となった。お世話いただいた少飛会の皆様、修武台の館長を始め航空自衛隊の隊員の方々に心からお礼を申し上げたい。「エンジョイ・ユア・ライフ!!」

244名が新たな道へ
補士前期教育修了式
<国分駐屯地>
 国分駐屯地(司令・保坂一彦1陸佐)の113教育大隊(大隊長・北原守2陸佐)では6月27日、駐屯地体育館で第14期陸曹候補士244名の前期教育修了式を盛大に挙行した。
 自衛隊協力会鹿児島県連合会副会長で国分市長の鶴丸明人氏をはじめ、来賓多数と父兄家族など総勢1,000名が出席した。
 式は午前10時30分から行われ、代表の森田義隆2陸士が声高らかに修了の申告をし、修業成績優秀者に表彰が行われ、受資者は感激の表情で堂々と受賞した。
 入隊当時とは見違えるように逞しく成長した曹候補士に北原大隊長が「切磋琢磨して自衛官として、戦士として、これからの自衛隊を担う部隊の伝統継承者として成長し、活躍してくれることを期待する」と式辞。また、来賓からも心温まる祝辞をうけた。
 式修了後、教育隊本部隊舎前で逞しく成長した我が子と家族などは会食をともにし終始和やかな雰囲気で前期修了の喜びを語り合った。

168の1にかける情熱
「兵棋作りの職人」
 兵棋とは、検閲など砂盤で状況説明するとき使用する装備品の模型。その兵棋作りの職人、船ヶ山辰美2曹は宮崎県出身で上富良野駐屯地第2戦車連隊本部第1科人事班の人事陸曹として勤務している。
 小学1年から作り始めたプラモデルは現在約600台。兵棋作りのきっかけは、10年程前、プラモデル作りの腕を見込まれて制作依頼を受けたのが始まり。これまで作成した兵棋の種類は約20種類で、何台作ったか本人にも解らないほど。「始めた当時は、何度も失敗を繰り返し試行錯誤の末やっと完成した」と話す。
 兵棋の作成は、1/168の正確なスケールモデルの型に樹脂を流し込んで作成する。船ヶ山2曹の作る兵棋は、訓練で使用するのはもちろんのこと、日米訓練時には米軍へのお土産としても大変喜ばれている。また、TVで紹介されたこともあり、もはや素人の域を超え兵棋作り職人となった。
 船ヶ山2曹は、「これからも自衛隊の新装備や外国の装備品に挑戦し、兵棋の数を増やしていきたい」と制作意欲に燃えている。

寄贈「国際貢献」
海自補給本部
 海自補給本部が所在する東京都北区王子駅前の「北とぴあ」で6月8日から13日までの間、水墨画の展覧会「現代日墨展」(現代日墨画協会主催)が開催された。
 陸自OBの柚本計悟氏(防大9期)が洋上給油中の補給艦」を「国際貢献」(P50号)と題して出展し、準大賞を受賞した。柚本氏の好意で6月17日、この大作が補給本部に寄贈され、本部正面玄関に飾られた。

小松島タワー無事故管制
25万回を達成
 海自小松島航空隊(司令・松田和典1海佐)の小松島飛行場管制所は6月15日、小松島航空隊所属のSH-60J型哨戒ヘリコプター8269号機の着陸をもって、「無事故管制25万回」を達成した。6月28日に呉地方総監から第3級賞状が授与された。
 この記録は、昭和40年に管制業務を開始して以来、39年余りをかけて達成されたものである。管制した航空機は同航空隊所属機であるHSS-1Nに始まり、S-61A,HSS-2シリーズを経てSH-60Jへと変遷してきた。
 また、小松島航空隊は関東と九州を結ぶ中間地点に位置することから、燃料給油などのため海上自衛隊と陸上自衛隊のヘリコプターが頻繁に飛来しており、これらの航空機も管制している。
 航空管制き章授与行事で来隊した航空管制隊司令・木村啓1海佐の参列を得て6月24日、エプロン地区で記念行事を行い、管制業務直長・上田3尉から報告を受けた松田司令は「25万回の無事故管制達成を一つの節目として、気持ちを新たに、また次の記録に向かって前進していくことを期待する」と訓示した。
 引き続き当日の管制員とタワー機器整備員および操縦士へ花束の贈呈が行われ、隊員一同は航空安全への決意を新たにしていた。

特別展「日清戦争後から日露戦争まで」のお知らせ
 海自佐世保史料館では、7月1日から12月25日まで、日本海海戦100周年記念特別展示「日清戦争後から日露戦争まで」を開催します。
 日清戦争直後の三国干渉とその反動としての海軍拡張計画、無線電信機の発達のあらまし、海軍工廠の整備など建艦体制の確立など約10年間の海軍の出来事をパネルで詳しく紹介し、当時の写真・図書・はがきも多数展示しています。また、常設展も見ごたえのある構成となっています。
 「ペリー来航から日清戦争まで」に引き続き、多くの方のご来館をお待ちしております。
 【お問い合せ】
 TEL 0956-22-3040(内線8-89-3581)佐世保史料館 休館日…毎月第3木曜日と年末年始。入館無料)

空に挑戦
“飛翔"を楽しむ特集
空飛ぶ広報マン
 旭川地連上富良野募集事務所で募集広報官として勤務する則藤悦基1曹は、野戦特科隊員。もうーつの顔はハングライダーマン。
 ハングライダーの魅力は緊張感の中、上空から見下ろす素晴らしい景色と無事に着地できた瞬間の安堵感と嬉しさだそうだ。もちろんストレスも一発で解消。
 きっかけは、子供の頃から空を飛ぶことが夢だった則藤1曹が、ある日テレビで「ハングライダー大会」の様子を見て、「これだ!」とハングライダーのスクールに直行。毎週のように練習に通い、とうとう夢を実現した。
 ハングライダーを始めて現在16年、高度差300mの山頂(比布スキー場)から初フライトした時の感動は特に忘れられないという。
 半面、操作を誤ると命にかかわるものであることは、本人が一番わかっている。「これはあくまでも趣味、無理をしないで安全に気をつけて楽しんでいければと思っている」と空飛ぶ広報マンは語っていた。
北海道 大凧まつり
 7高特連は4月24、25日の両日、様似町エンルム海岸で行われた「2004北海道大凧まつり」を支援した。
 東北以北では最大の百畳凧(縦15メートル、横11メートル)を人力引きで行うのは、今年で3度目の挑戦。
 最終日は風速4〜5メートルと凧揚げには弱めの風だったが、100人あまりの引き手達がロープを手に砂浜を走り出すと凧揚げに最適な風が吹き始め、重さ450キロの大凧がふわりと浮いた。
 関係参加者、観衆の声援を受け、高度20メートル、約90秒のフライトは大成功のうちに終了した。
大空に飛べブーメラン
 13普連中隊運用訓練幹部の杉田2尉の趣味は何を隠そうブーメラン。今から10年程前の陸曹時代、休日営内で駐屯地に残っている時に、誰にも使われていない訓練場やグランドを見て「こんな広い場所が使われていないのはもったいない。この広い空間を独り占め出来る遊びはないか?」と思ったのがブーメランを始めたきっかけ。
 ブーメランの競技人口は、全国的に九州が多く販売店も九州方面が多い。ブーメラン1本あたりの金額は、安い物で2千円から高い物は1万円程度で素材は航空ベニヤやプラスチックなど複数があり、そのほとんどがハンドメイド。杉田2尉は自宅に約30本程を所有している。
 ブーメラン競技は、正確さ・飛距離・滞空時間はもちろんのことファーストキャッチと言われる20m以上を5回飛ばしその時間を競う事を審査の対象としており、国内大会はもちろん世界大会もある。競技大会にはまだ参加したことのない杉田2尉だが、レベルが上がれば近県の地方大会にも参加を予定している。

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