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   2004年7月15日号
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田母神学校長「情熱と夢が困難を克服する」
統幕校で卒業式 統合運用の任担う
田母神学校長が卒業生一人ひとりに卒業証書を授与
 統合幕僚学校第43期一般課程卒業式が6月29日、目黒基地大講堂で行われた。
 この課程の教育目的は、上級部隊指揮官または上級幕僚としての職務を遂行するために必要な自衛隊の統合運用に関する広範な知識と技術を総合的に修得させることで、教育期間は約10ヶ月。学生数は陸海空自衛官各12名の合計36名。
 午前11時、開会の辞、国歌斉唱に続いて田母神敏雄学校長が登壇、卒業生一人ひとりに卒業証書を授与した。次いで田母神学校長が式辞に立ち、自衛隊を取り巻く国内外の情勢が大きく変化した昨今、「陸海空三自衛隊が有機的に機能できるよう、卒業生諸君への期待が一層高まっている」ことを強調しながら「部隊指揮官としての状況判断能力を発揮せよ」「国民との交流に努めよ」の2点をはなむけの言葉として贈った。そして最後に、力を込め「自衛隊の精強さは諸君にかかっている。情熱と夢が困難を克服する。卒業生に栄光あれ!!」と締めくくった。
や自衛隊の担うべき役割を述べながら新たな中期防、統合運用の強化などにも言及、「ここで培ったものを次の任務で十分に発揮して、一層の活躍を」と激励した。また、石川亨統幕議長は訓示の中で、「統合運用能勢強化のため積極的に改革に取り組め」「精強な自衛隊の核心たれ」「いかなる職務においても誠心誠意、真心をもって対応せよ」の3点を要望し、卒業式が終了した。
 卒業生の氏名、階級は次のとおり。
 〈陸〉▽藤本憲司1佐▽徳川泰久1佐▽藤田浩和1佐▽甲斐芳樹1佐▽若生明智1佐▽日根野伸一1佐▽菅野茂1佐▽山中敏弘1佐▽長合友造1佐▽笹木明仁1佐▽柴田昭市1佐▽加治尾裕一2佐 〈海〉▽大塚海夫1佐▽大熊圭介1佐▽高島辰彦1佐▽菊池聡1佐▽田川和幸1佐▽平野晃1佐▽真壁浩司1佐▽艾口俊介2佐▽北野修司2佐▽春花和広2佐▽坂口好明2佐▽平川眞治2佐 〈空〉▽大浦弘容1佐▽鶴田眞一1佐▽門田和也1佐▽田中幹士1佐▽有馬龍也1佐▽山口裕康1佐▽野中盛1佐▽井出俊介1佐▽福山愼吾2佐▽外枦保実2佐▽池田亨2佐▽根石正敏2佐

富士総火演一般公募のお知らせ
陸上自衛隊は、8月28日(土)(10時20分〜12時予定)、東富士演習場で実施する「平成16年度富士総合火力演習」の観覧一般公募を次の要領で行います。(入場無料)
〈応募要領〉(1)往復はがきに@住所A氏名B年齢C性別D交通手段(マイカーまたは電車)E券の種類(一般券または青少年券)を記して〒119−0351東京都牛込郵便局留陸上幕僚監部広報室「富士総火演H」係宛に郵送して下さい。※記載内容が十分でないはがきは返信できない場合があります。
 (2)当落は、返信はがきにて連絡します。当選はがき1枚につき4名入場可能 
 (3)多くの青少年層に来場していただくために29歳未満限定の「青少年券」を設けております。同伴者については年齢制限なく本件で入場可能
〈応募期間〉6月21日(月)〜7月19日(月)必着
〈交通手段〉(1)電車の方は、JR御殿場駅からの臨時直通バス(有料)をご利用下さい。
 (2)マイカーの方は、返信はがきに記載された駐車場までお越し下さい。各駐車場から演習場までは無料シャトルバスをご利用下さい。
〈問合わせ先〉防衛庁陸上幕僚監部広報室 電話03・3268・3111(内線40091〜4)陸上自衛隊ホームページによる案内

3尉候補者151名が卒業 富士学校
 富士山山開きの7月1日、富士学校(学校長・柳澤昭陸将)では、第53期3尉候補者課程任官式及び卒業式が行われた。=写真 
 学校長が151名(普通科81名、特科48名、機甲科22名)一人ひとりに辞令書を手渡すと、僅かの安堵と緊張感みなぎる中、宣誓・申告を実施。 
 部隊では「猛暑」と呼ばれ、豊富な経験を武器に後輩育成にあったってきた陸曹長や准陸尉達は、12週間に及ぶ教育を終了し、同日付けで3等陸尉に任官、原隊復帰後は陸曹・陸士の良き理解者となり、第一線の小隊長として勤務する。

須走を撮り続けて50年
何百回富士学校で記念撮影をしたことか・・・
 この須走と共に生きて来た、佐藤欣一さん(80歳・写真)。大正時代から東富士で旧軍時代からの写真を撮り続けてきた父の後を継ぎ、ずっと須走を撮り続けている写真屋さんだ。校長室に飾る富士学校の歴代校長の写真を撮り続けてきたが、富士学校50周年という節目の今年、とうとうカメラを置く事にした。
 現在は東富士演習場や富士学校となっている場所で演習をしていた旧陸軍。そんな貴重な写真を数回に分けて紹介していきます。
旧軍時代の写真をシリーズで紹介
現在の滝ヶ原演習場近辺で
89式中戦車をバックに

<論陣>
新生イラクよ育ってくれ
=政権移譲をきっかけに=
 イラクでは、7月20日、1000人からなる「イラク人による国民会議」が選任、発足する。いまだにテロ、暗殺が絶えないイラクに、本当の民主主義国家が生れるのだろうか?。イラクの国家主権は米国主導の連合国暫定当局(CPA)から6月30日にイラク暫定政権に移譲されるはずだった。それが「テロ集団の大功勢がある」などの理由から、突然、6月28日に繰り上げられた。国家の主権移行という重大な出来事なのに大がかりな式典もなく、イラクのヤワル大統領、アラウイ首相、イラク最高裁長官らイラク側4人、CPAからはブレマー行政官ら2人の合計6人だけの寂しい式典というより事務引継ぎになった。」そしてブレマー行政官は式が終った1時間後には米軍機で早ばやと本国に帰ってしまった。
 テロ、略奪で国内が大混乱しているイラク国内は、一応、多国籍軍の支援があるとはいえ、まず、名目上はイラク国軍、警察の手で治安を回復しなければならない。国民生活に安堵の心を植え付けるためにも、治安回復が第一義である。
 国会の代わりになる国民会議は、民族、宗教の代表者、職業組合幹部、非政府組織(NGO)の代表、そして250人以上の女性となると、まさに宗派、利益代表の゛るつぼ"。とても粛々と政治、政策を論ずる場になりそうにない。
 内閣や政府も同じである。アラウイ首相はかつて米CIA(中央情報局)から資金援助を受けて反フセイン運動を展開したといわれている。米国にとっては、アラウイ首相が実現したことで「ひと安心している」ところ。
 一方、ヤワル大統領は、首相とは正反対で対米強硬派である。この2人を、どう操っていくかが米国の行政力の見せどころといったところである。その証拠に米国は、いまのところ首都バクダットに3000人もの職員が勤務する米国大使館を設置し、表裏から゛新生イラク"をコントロールする目算をたてている。
 イラク暫定政府は、今のところ国民会議の中から100人の代議員を選び諮問評議会を設け、来年1月末までには暫定国民議会の選挙を行い、その暫定議会が新憲法を作り、同年12月に、新しい憲法による選挙を実施、ここで正式の国民議会と政府を発足させる計画である。
 行政的には、一応の手順が整っているかのように見えるが、そこに至るまでには、たいへんな゛悪路"が待ちかまえている。その最大の難関は「イスラム原理主義」を唱える過激派集団との闘いであろう。アラウイ首相は主権移譲式典直後「われわれはテロは絶対に許さない。断固、正面から闘う」と声明を発し゛テロとの対決、絶滅"を宣言したが、果して、いまのイラク軍、イラク警察の力でテロを駆逐できるものだろうか。16万人の多国籍軍の中核である米軍が一段と今までより乗り出せば、イラク国民の反発が倍増することは確実。テロの手口は、いまより一層激しいものになるだろう。
 テロの手口は、自爆テロ、暗殺、集団攻撃などから、最近は、外国人を人質に取って脅迫、遂には殺害、それも首を切り落してしまうような手口に変わってきた。残忍という以外に表現のしようがない。韓国人の通訳のテレビを通しての叫びは「生きたい」「おれになんの罪があるのだ」。切実そのものだった。
 イラク国民が本当に望んでいるのは゛平和な暮らし"であることだけは間違いない。戦火で崩れた街、民家、彼らには安住の地というものがない。家族みんなで朝起きて、食事をし、勤めや学校に行く、夜は家族とのだんらん。貧しい民主主義かも知れないが当初は、それでいいと思う。石油資源大国イラク、それを生かせば「どんどん良い生活」が実現できるはずだ。独裁者がいなくなったいまこそ、イラクは゛良い国"になれるカギをもっていると思う。
 新しいイラクの指導者たちは「どうすればこの国をより理想に近づけることができるか」を考えるべきである。まず、国連。そしてイスラム社会との付き合い。ヨーロッパ、アジアとの交友。これさえうまくいけば「イラク超一流国」も夢ではない。

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