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   2003年12月15日号
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ブルーインパルスに10万人が大歓声
<新田原航空>
 4年ぶりにブルーインパルスが見られる!待ちかねたファンが朝早くから航空自衛隊新田原基地(司令・岩切成夫空将補)に次々と集まった。九州、中国地方はもちろん、羽田からもツアーを組んだアマチュアカメラマン30人近くが乗り込んでいた。迎える地元や基地の意気込みも大変。空港やJRの駅、高速道路の入り口などにポスターを貼りチラシも置いた。基地のある新富町では西空団による前々夜演奏会も開かれ川越町長夫妻や多勢の町民も出席、ムードを盛り上げた。
 12月7日、宮崎県は超快晴。昨年はぎりぎりで天候のため、ブルーを始め主力が中止になった残念を取り戻すかのような青空である。約10万人の期待する中、7時半のF15によるオープニングフライトから展示飛行ははじまった。F4、T4らによる編隊飛行、F4の対地訓練などは基地全体を圧していた。午後は陸自1空挺団による落下傘降下、そしてブルーインパルスとつづいた。T4の6機は数えきれないほどの曲技飛行を出し惜しみせず次々に披露する。快晴の空にT4の白とブルーの機体が映え光り目にあざやかだ。3回転、4回転と機体をひっくり返したり(コンティニアス・ロール)10数秒間の背面飛行、「ぶつかる!」と誰かが叫んだ対進飛行(インバテッド・フライト)などはまさに感動もの。グループで来ている若い女性たちからは、スゴイ、カッコイイの連発、最後に2機でハートを描き3機目がキューピットの矢を射た時にはいっせいに拍手、拍手。隊員と記念撮影をする人、名物の地鶏の串焼きを食べる、ケイタイカメラやデジカメを向ける人、子どもに解説するパパ、ことしは見る人も飛ぶ人も支える人も大忙しだったがプログラムは全て実行され、大満足の航空祭だった。
航空祭の華ブルーインパルスがダイナミックに空を舞う

防衛庁 合気道演武大会開く
日頃の鍛練成果を発揮
 第42回防衛庁合気道連合会の演武大会が11月29日午後1時から市ヶ谷本庁厚生棟体育館で(財)合気会の植芝守央道主を迎えて開催された。
 午前中、演武大会に先駆けて大澤勇人師範の指導による合同稽古があり、この日を楽しみに早めに到着した支部会員約70名が元気に汗を流した。
 演武大会は、柳澤協二連合会長(防衛研究所所長)が、「自衛隊は、任務をこなしていく上で、組織として団結が必要であり、自ら心身を鍛えることが自衛官として重要なことである。合気道を通じ、どうかそういう心を養って欲しい。今日は日頃の鍛練成果を十分に発揮してもらいたい」と挨拶。続いて来賓である植芝道主から「全国の支部が一同に会して演武会を開催されますことは、大変意義のあることと思います。防衛庁合気道連合会は、合気道のすばらしさをしっかりと先輩の方々が今日まで伝えてきたその広がりが今の輪となっています。今後連合会が大きく飛躍・発展されることを祈念します」と挨拶があり演武に移った。
 今回の大会には、北は旭川、南は北熊本まで19支部、約200名の会員が参加した。市ヶ谷本部を皮切りに、各支部の演武、関肇氏らOB演武と続き、最後は、植芝道主による総合説明演武で大会を終了した。
 大会終了後、優勝支部として、防大、十条、勝田、横須賀、入間が柳澤会長より賞状と楯が手渡された。
 なお、防衛庁合気道連合会は昭和36年に発足、全国の自衛隊、機関に45の支部、約1000名の会員がおり、自衛官、事務官、学生、OB、米軍など、さらにその家族が全国支部で稽古を重ねている。

13普連で防災訓練
 第13普通科連隊(司令・小森1佐)は11月10日から12日の間、相馬原駐屯地、演習場で県や中部森林管理局が保有する空中消化器材を点検・検証し、林野火災に対する即応態勢に万全を期した。
 点検では、第12ヘリコプター隊の支援を受け、連隊警備幹部以下9名が参加するとともに県消防防災課の職員2名が研修に訪れた。
 機能確認では、県が保有するバンビバケット(容量7?ォ)×2器と中部森林管理局が保有している1800L消火バケット(V107用)×4器が確認対象器材として点検・検証され異常は認められなかった。

廣瀬武夫百年忌・合同慰霊祭のお知らせ
 明治37年、日露戦争の劈頭に海軍が旅順港閉塞作戦を敢行した際、廣瀬武夫中佐は「七生報国」の辞世を残し、多くの若い兵士と共に37歳の命を祖国に捧げました。
 廣瀬中佐生誕の地である大分県竹田市(廣瀬武夫百年忌祭奉賛会)では、平成16年3月27日に「廣瀬武夫百年忌」を、また、同5月27日に「廣瀬武夫百年忌祭並びに戦没者合同慰霊祭」を執り行うにあたって、次のとおり協賛を募っています。(*記念行事として▽記念式典▽記念講演▽廣瀬中佐と杉野兵曹長の銅像原型復元▽記念論文の募集などを計画しています)
<金額>▽個人1口2千円▽団体・法人1口1万円 <振込み先>廣瀬武夫百年忌祭奉賛会宛(郵便振替口座 竹田郵便局01770・2・111955) <振込み期限>平成16年1月31日 <お問い合せ先>廣瀬武夫百年忌祭奉賛会事務局 〒878-0013大分県竹田市大字竹田1920の1 竹田市商工会議所内 TEL 0974-63-3161 FAX 0974-63-3163

防衛ホーム 俳句コーナー
人万事七転八起初暦   坂元 順一
鎌倉に小春の磴を重ね住む  伊藤真由美
釣銭を数へ直して飾売   生嶋千代女
名も丈も仔略分かたず草枯るる   森田 幸生
薊枯れ人の一生見る思ひ   齋藤 利恵
句をつくる気分になれず皹を見る   井出南想子
思ひ出は昨日のごとし古暦   川端 初枝
七十二齢母は官舎に柚湯立て   川村 和枝
堂裏てふ寒き所に一句得し   佐藤 君子
華やぎて吾が年忘る年忘   須賀 きよ
雪の積みたる八つ橋となってをり   中條 弘道
煉炭のさかり屋台の人見えず   並木 桂子
護摩を焚く間も堂脇の畳替   山崎 芳堂
消炭を残して母の逝きにけり   牧田 桃苑
父も居し虜囚の地より鳥渡る   西田真由美
水仙に朝日故旧のごとく射す   本吉のぼる
山のホテル狐にも開く自動ドア   原 つたえ
ささやかな幸せありし暦果つ   松本 直喜
凍星の細きひかりの届くなり   足立  徹
極月の暦に雑多書かれいて   工藤 青樹
  選 者 吟
虚飾捨て去りし枯木となっていし   保坂 伸秋
              (「栃の芽」誌提供)
「栃の芽」誌をご希望の方は<栃の芽会連絡先=仙台防衛施設局総務部・畠中草史氏 TEL 022-295-1281>へご連絡下さい。

<論陣>
地方銀行国有化と地元
武富士盗聴事件の真相
 対外的にはイラク問題、北朝鮮の拉致、核開発など解決しなければならないことが山積しているが、一方では、足利銀行(栃木県)の国有化、消費者金融業界の最大手、武富士の盗聴事件など、経済界での混乱も続いている。景気は回復途上にあるーと政府はいうが、この混乱ぶりは一体、何なのか。われわれは表面の公式論だけを信じてはならない証拠ではあるまいか。
 まず、足利銀行の国有化問題。栃木県では最も信用があった地方銀行である。栃木県は温泉県で関東では、熱海や箱根以上に客足が多くなってきているので有名。それだけに温泉旅館業界などは、リゾート客集めのための増改築競争が激化している。そうした中小業者の資金のめんどうを見ていたのが、地元の地銀である足利銀行や信用金庫だった。
 融資がふくれ、過剰債務になり、数年前、1兆円近い公的資金、すなわち国民の税金が、足利銀行に投入された。しかし、その後も、金融官庁の指導にかかわらず近い将来預金の払い戻しなどができなくなるほど業績は悪化し、2回目の公的資金投入をーという状態に陥ってしまった。
 そこで国は、いまの形の経営では「再建不可能」とみて、゛足利銀行を一時、国有化する゛ことを決めた。国有化とは、国が足利銀行の株式をゼロ円(無価値)で譲り受け、銀行の役員を全員退陣させて、管理、経営を国が執り行う。そのかわり、公的資金や銀行資金の売却などを利用して、預金、貸出しなどは、これまでどおりに営業することである。
 足利銀行は、地元に密着している銀行だったため、同銀行を利用していた市民は、特に愛着があった。「銀行経営の危機」の噂がでたとき、地元の人達は「足銀をつぶすな」と将来、子供の学資にとっておいた500万円、年金を細々と貯えていた虎の子300万円などを出して、株式市場から積極的に株を買ってなんとか倒産させまいと協力した。それが、12月1日に゛国有化゛が決定した瞬間、せっかく手にした株が、ゼロ円、ただの紙切れになってしまったのである。そういう人たちのショックは想像しても「あわれ」である。
 ただ、足利銀行には、こうした話のほかに北朝鮮送金問題がある。在日朝鮮人が年間5億6、7千万円もの金を足利銀行を通して北朝鮮に送金しており、これが北朝鮮の核開発の有力な資金元になっているというのである。同銀行に送金を頼んでいるのはパチンコ屋や焼肉店などの零細業者から貿易業者まで多種多様で米国筋の情報では、他行からの送金依頼分も含めて、年間600億円もの大金が送られているとの話もある。こうした噂が本当かどうかは、国有化による国の経営の中から真相が表面化してくると思われる。
 つぎに武富士事件。同社内の不正問題の調査を行って、雑誌に原稿を掲載したジャーナリストの自宅の電話を探偵社にたのんで盗聴させていた犯罪。すでに逮捕されていた同社の課長が「盗聴は武井保雄会長(73)の命令で行っていた」と自供。武井会長は12月2日、この自供を録音テープなどの証拠を元に警視庁に逮捕された。
 武井会長は文字どおりワンマン社長。若いころからパチンコ屋の店員やヤミ米屋をしながら小金(こがね)を貯め、それを元金にして「団地金融」という、小範囲の人達に金を融資して金融業に頭を入れた。その後、武富士は急速に会社を発展させた。社員わずか3人(66年)の会社は全国に3600人もの大会社に成長した。日本で初めて街頭でポケットティッシュを配ったのも武富士だったし、テレフォンサービスも武富士が最初。そうした中で、特に注目されるのは運用資金である。わが国のほとんどの消費者金融会社は運用資金を゛国内の銀行゛から借り入れている。ところが、武富士の場合は、運用資金の80%近くが外国銀行からの借入金を利用していた。
 こういうところから、会社内部で数多くの不満分子が現れた。不正融資、外国への送金問題などである。また、未公開株のとき、元警察官僚、元大蔵官僚、政治家などに株をバラまいたことなどがあり、これを知った武井会長は、右翼、暴力団を使い゛噂゛を封じ込み、さらに取材のジャーナリスト宅の電話盗聴などで数億円の金を使ったといわれている。捜査当局の本当の狙いは、こうした背任や横領ではあるまいか。「金」とはおそろしいものである。

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