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   2003年5月15日号
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春の叙勲受章者決まる
 平成15年「春の叙勲」受章者が4月29日発表され、防衛庁関係では勲三等以下213名(うち女性5名)が受章した伝達式は5月9日に防衛庁講堂で行われ、国会出席中の石破鳥瞰に代り、赤城副長官が伝達した。

<論陣>
北朝鮮は核問題を国連に出させない
対米、日韓への強腰の舞台裏
 「米国が北朝鮮を攻撃しないことを確約しない限り、北朝鮮は核開発は止めない。われわれは既に核爆弾を保有している」。四月下旬、中国の首都・北京で行われた米中北朝鮮の3者会談の席上、北朝鮮代表は、こう言い放ったという。これにはふたつの見方がある。ひとつは、さきに対イラク戦闘終結宣言を行った米軍の軍事力が、イラク軍に対して圧倒的に強く、僅か6週間の戦闘でイラク軍に圧勝、さらに独裁フセイン政権を見事に崩壊させてしまった強さに対する北朝鮮の恐怖心の高まりが、逆に強気の発言をさせているという考え方。確かにブッシュ米大統領は対イラク戦が開戦する前、北朝鮮のことを「テロ支援国であり、悪の固まり」的に発言し、イラクとの戦いに勝利したら「次は北朝鮮だ」と明言していた。対イラク戦が終ったいま、北朝鮮の指導者たちは、早い時期に手を打っておかないと“本当に戦争”が始まるかも知れない。中国を仲介者にして米朝会談に合意した。強腰でいくか、弱腰でいくか北朝鮮指導者間で相当話し合われたようだが、結局“強腰”でいったほうが効果的だろうとなった。
 いまひとつの考え方は、エネルギー、食糧不足がいちじるしくひどくなっている北朝鮮は、とにかく、できるだけ早くエネルギー源を米国から取り付けなければならない。原油、食糧を手に入れるためには「核開発は止めない。もし止めさせるなら、いま停止している米国からの援助石油輸送を再開することである」。米国の対北朝鮮戦争をさせないためには、少しでもゆずりながら「物資」を手に入れ、それを国内で動かして、爆発寸前の人民の心を静めることができるかも知れないというのが金正日氏の本音であろう。米国に対北朝鮮への奇襲攻撃、先制攻撃をさせないためにも、米国と表面強気の交渉の末、果実を手に入れる。そうすれば、米国に追従した考えの日本、韓国は、いやでも北朝鮮に文句なく食糧や経済援助を申し出てくると思っているのではないか。
 「われわれは偉大なる将軍様のためならいつでも生命を差し上げる」。北朝鮮の中央テレビのアナウンサー(男女)は、あの頭の中が痛くなるような主張を連日、絶叫している。「米国は南北間の非核宣言を完全に白紙にさせた。米国が核問題を国連に持ち込むなら、やむを得ず非常時にとる措置をとらざるを得ない」。アナウンサーの絶叫は日を追うごとに、そのトーンを高めている。もし、米国に核問題について対北朝鮮とだけの二国間交渉を続けさせなければ、北朝鮮の思惑は底辺から崩れてしまう。なにがなんでも「北の核」問題を国連に持ち込ませてはならない」。これが北朝鮮の基本的な考え方である。米国一国だけと交渉していれば、僅かでもエネルギーや食糧を手にすることができるかも知れないが、ことが国連安保理事会や総会に持ち込まれれば結論は明白である。「北朝鮮は2003念1月に核拡散防止条約(NPT)を脱退したからといって、世界の流れを打ちこわす権利を持っているはずがない。もし、今のままで核開発を続けるなら国連加盟国のほとんどが“制裁側”に回るであろう。経済制裁をはじめとするいろいろな制裁を北朝鮮は甘んじて受けなければならない」。こうなると、もう、対米交渉どころではなく、北朝鮮は今以上に世界で孤立してしまうのは明らかである。
 北朝鮮は、このところ「将来、日本、韓国とも話し合う用意がある」とのサインを出してきている。当然のことながらこのふたつの国から食糧、経済援助が欲しいのである。
 ところが日本と北朝鮮との間には、未解決な大問題“日本人拉致”がある。80人ともそれ以上ともいわれる日本人拉致問題が片付かない限り、日本がほいほいと北朝鮮に食糧や、ぼう大な経済援助資金を提供できるはずがない。第一、拉致問題を解決せずに“援助”することには国民感情が許さないのと、デフレにあえいでいる日本経済は、かつての経済大国ではない。最貧国の仲間入りをしようともしている。賃金カット、解雇の波は国民に襲いかかっている。他の国を助けるなどという段階ではない。例えば日本の女性マジシャンのために国立劇場並みの施設を作り、これを贈ろうとしているような国になぜ経済援助なのか?。理解に苦しむ。

『南極の氷』をプレゼント
小学生、幼稚園児の教材用に
<東京地連>
 東京地連は4月21日、第44次南極地域観測支援を終えて帰国した海上自衛隊砕氷艦「しらせ」から譲り受けた「南極の氷」を近傍の小学校等(新宿区立)牛込仲之小学校及び同幼稚園)へ学習教材用として贈呈。
 午前8時10分、校長室において東京地連募集課長・武政賢一1陸佐から山本昭博校長(兼園長)へ南極の氷が手渡された。
 その後、体育館で行われた全校朝礼に引き続き南極の氷が披露され、初めて見た子供たちからは、一瞬にして歓声が湧き起こった。
 砕氷艦「しらせ」と南極の写真を合わせて展示し、募集課長をはじめ広報官・菊池2海曹と村井2海曹らが見学に立ち会い、「空気が入ってる?」「冷たい!」と言いながら氷を触る子供たちからの質問に分かりやすく答えた。
 今回の試みは、東京地連としても初めての試みで防衛庁本村町官舎の子供会役員・下野千景さんの尽力により実現に至った。同官舎からは小学校に15人、幼稚園に11人が通学・通園しており、地域に密着した広報施策としては最も有意義なものとなった。

「頑張っています」 新しい職場
活躍するOB シリーズ
岡山建設株式会社プラント事業部  富田 修二
航空救難団飛行群三沢ヘリコプター空輸隊を1空尉で定年退職。55歳
 私は平成13年に航空自衛隊を退官。翌14年4月に青森県六ヶ所村が本社の岡山建設に入社しました。当社は建築部、土木部、整備部、ブラント事業部に分かれています。私はプラント事業部に所属、総勢24人で日本原子力燃料(原燃)の核燃料再処理施設の保守管理、整備が主な業務です。同施設の稼働予定の17年まで、私は機電会社に派遣され技術の習得に努めています。これまで原燃では核燃料施設中央制御室でコンピューター画面で蒸気、冷凍、空調設備の作動状況の監視、記録、ウラン・プルトニウム混合酸化物精製施設の各種機器の作動状況の確認に従事していました。現在、原燃内での仕事が一時中断しているので、本社に帰り、海砂の掘削、港湾作業などに従事、多忙な日々です。
 私はボイラー関係の仕事が希望で岡山建設の求人条件のボイラー、危険物の一級免許を取得しており、即入社を決めました。不景気で再就職の厳しい状況の中で希望がかなったのは、自衛隊の援護室の方々のお陰です。同時に雇用を決めた岡山建設に感謝しています。入社して10カ月、特に苦労もありませんでした。プラント事業部には若手が多いため、私が若い社員の教育担当係です。教育などの場面で、自衛隊時代の癖が出て、つい命令口調になるのを反省しています。近年青森県の再就職状況は大変厳しく、民間で働いてみて思うことをアドバイスとして挙げてみました。
 ?健康に留意し、プラス思考で物事に当たる?階級意識を捨て初心に帰る?仕事で分からないことは、素直に教えを請う姿勢が大切?民間は免許社会、免許取得にチャレンジすること。
 品質均一化、安全性、効率性を重視する現在の仕事で、自衛隊で会得した品質や安全、文書管理などの経験が大変役立っています。特に航空機整備で学んだ故障探求の考え方は一般社会に通用することを実感、貴重な財産です。今後も、自衛隊生活を全うした体力、気力、気迫を前面に出し、健康と礼節を重んじて頑張ります。

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