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   2003年4月15日号
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ラッパ隊吹奏訓練研修に参加
高知県大豊町消防団ラッパ隊副指揮官  宮岡 秀学
 2月8日、陸上自衛隊山口駐屯地(第17普通科連隊)で、消防団信号ラッパ吹奏訓練研修に参加した。
 当初、ラッパ隊の吹奏訓練研修があると聞いたときは、正直あまり乗り気ではなかった。私の想像では、まず、年輩指導員の堅苦しいあいさつが長々と始まり、その後、厳しい軍隊のような訓練がこれまた延々と続く地獄のような研修を思い描いていたからだ。
 しかし、実際には最初のあいさつもそこそこに練習が始まり、適度に休憩を挾み、気が付けば3時間半という練習時間はあっという間に過ぎていた。これは指導教官の酒井さんの分かりやすい指導と軽快な話術のたまものである。時には脱線しながらも、ラッパを吹くに当たって何が重要なポイントであるかを分かりやすく的確に指導していただいたからであり、自分の苦手な所を克服する方法が分かり、また、今後自分たちがどのように練習していけばよいかがよく理解でき、とてもためになった。中でも、リップスラーという技法には驚かされた。通常音階を変えるときは一回音を切り、そして次の音階を出していたのだが、リップスラーは音を切らずに音階を変えるという凄技である。文章にするととても分かりづらいのだが、とにかくこの技法をマスターすれば、一つの楽曲でも全く違ったニュアンスで演奏することができ、音楽の幅が広がるのである。
 ほかにもいろいろな技法、練習方法があり、一つ一つ説明するととても長くなるので控えておくが、ラッパ吹奏の奥深さに驚き感動した。実際に、酒井教官のすばらしい演奏を聴いてみればよく分かるのだが、それを伝えられないのが残念である。
 とにかく、瞬く間に3時間半という練習時間が過ぎていたのだが、とても楽しく有意義な吹奏訓練研修であった。
 今後は、この山口駐屯地での吹奏訓練を消防団ラッパ隊の練習に大いに生かし、どこに行っても恥ずかしくないラッパ隊にしたいと思う。
 最後に、山口駐屯地でご指導をいただきました酒井さん、ちょっと顔の怖い平林君の両教官を始め、この研修の機会を与えてくださった高知地方連絡部高知募集案内所広報官の難波さん、またお世話になりました多くの皆様方に深く感謝しております。ありがとうございました。

市ヶ谷庁舎を見学
弘前大学  田中 宏明
 これまで多くの自衛隊関連施設を見学してきた。
 そして、今回の市ヶ谷研修を終えたことで一通りの関連施設は見たことになる。我々一般人にとっては、このような機会を設けて頂かないと隊員の方々の日頃の仕事内容といったものは把握しにくいものだと思う。今回は海幕池田援護課長(前青森地連部長)の取り計らいで内局まで見学させて頂くことができた。概要説明を受け見学し、各課の仕事内容はなかなか興味深いものがあった。
 これから、この組織に入り働いて行くにあたり、大変ためになった。また、夜の懇親会では先輩方から多くのアドバイスを頂き、それまで抱えていた不安が少しばかり和らいだ気がした。また、一緒に参加された弘前大学の赤城先生も楽しめた様子で、大変喜んでいらっしゃいました。ありがとうございました。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
鹿屋市社会福祉協議会  清水 良一
 私は平成12年10月2日、第1航空隊(機上武器員)を最後に35年の自衛隊生活にピリオドを打ちました。再就職先は就職援護室の尽力により、鹿屋市社会福祉協議会に勤務、入浴事業部門で寝たきりの人々のための訪問入浴サービス車の管理、運行及び介助業務に従事しています。
 この職場を選択した理由は「妻の体調不良のため家事の一部を担うことになり職場までの通勤時間が7〜8分と近くその家事を多くこなせる」「週休2日制であり余暇が利用でき気分転換が図れること」「面接時、社会福祉協議会会長が私の八戸勤務時の救命班長をされており、親しみを感じたこと」「自衛隊OB2人が勤務されていたこと」「身体を使って奉仕できること」など私の希望に近いものであり迷うことなく決めました。
 業務の内容は浴槽を車に積んで入浴を希望される寝たきりの居宅を訪問し入浴させるというものです。
 苦労といえば車の運転で軽自動車しか運転したことがなく、バンのような大きく長い車を運転するのは不安材料の一つでした。また、この入浴サービス車後部ハッチから荷物の出し入れをするため居宅訪問時バックで進入することが多く、大きく長い車の感触にいまだ戸惑っています。また車の運行には特に注意を払っており同乗者2名の女性も家庭を持っていますので交通事故違反のないよう自衛隊で教えられたことを生かして行動しています。
 今の時点で考えることは、自衛隊という所は決して特異な指導はしていません。すなわち自衛隊での言動は世間でも十分に通用するということです(確かに階級意識を捨てきれない人はだめ)。誠意とか礼儀正しさ、積極進取、責任感、協調性等々、逆に世間の見本になるぐらいの立派な教育を受けているものと考えますので、これから定年を迎え再就職を目指す方々は胸をはって思い切って自分を発揮して欲しいと思います。陰ながら応援します。
 最後に、私は生涯現役を目指すと同時に、職場の上司に私を雇ってよかったと喜んでくれる仕事をしたいと願い日々努力しており、今まさにその一歩を踏み出した所です。皆さんも、よき再スタートが切れることを願っています。

防衛庁職員採用試験のお知らせ
防衛庁では平成15年度職員採用試験を次のとおり実施します。
1種試験
 (技官)
 【行政職俸給表(一)3級の係員等を採用するための試験】
 ▽試験の程度 大学卒業程度
 ▽試験区分 数学、生物、電気、電子、機械、土木、建築、航空
 ▽受験資格 (1)昭和45年4月2日から昭和57年4月1日生まれの者(2)昭和57年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの(1)大学を卒業した者及び平成16年3月までに大学を卒業する見込みの者(2)防衛庁が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者。
 ▽申込用紙等配布開始日 3月28日(金)
 ▽受付期間 4月7日(月)から5月7日(水)まで
 ▽第一次試験日 6月22日(日)
 ▽第一次合格者発表日 7月18日(金)
 ▽第二次試験日 7月下旬
 ▽最終合格者発表日 9月2日(火)
2種試験
 (事務官・技官)
 【行政職俸給表(一)2級の係員等を採用するための試験】
 ▽試験の程度 大学卒業程度
 ▽試験区分 行政、語学(英語)、国際関係(英語)、国際関係(朝鮮語)、数学、電気・電子、機械、土木、建築
 ▽受験資格 (1)昭和49年4月2日から昭和57年4月1日生まれの者(2)昭和57年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの(1)大学、短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び平成16年3月までに大学、短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者(2)防衛庁が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者。
 ▽申込用紙等配布開始日 3月28日(金)
 ▽受付期間 4月7日(月)から5月7日(水)まで
 ▽第一次試験日 6月15日(日)
 ▽第一次合格者発表日 7月23日(水)
 ▽第二次試験日 7月下旬〜8月上旬
 ▽最終合格者発表日 9月9日(火)
3種試験
 (事務官・技官)
 【行政職俸給表(一)1級の係員を採用するための試験】
 ▽試験の程度 高校卒業程度
 ▽試験区分 一般事務、電気、機械、土木、建築
 ▽受験資格 昭和57年4月2日から昭和61年4月1日生まれの者
 ▽申込用紙等配布開始日 5月20日(火)
 ▽受付期間 7月7日(月)から7月23日(水)まで
 ▽第一次試験日 9月28日(日)
 ▽第一次合格者発表日 10月17日(金)
 ▽第二次試験日 10月下旬
 ▽最終合格者発表日 11月28日(金)
 <受験案内請求先及び試験に関する問い合わせ先>
 採用試験の種類別の受験案内、申込用紙等は、配布開始日になりましたら、次の各担当係で配付されます。
 また、郵送で一部請求される場合は、封筒の表に赤字で『?・?種請求』又は『?種請求』と記入の上、140円切手(?種請求の場合は120円)を貼ったあて先明記の返信用封筒(
角形2号、長さ33.2cm×幅24cm)を同封して下さい。
 防衛庁ホームページhttp://www.jda.go.jp
▽防衛庁長官官房秘書課採用試験室 〒162-8801東京都新宿区市谷本村町5-1 電話 03-3268-3111
▽札幌防衛施設局総務部総務課人事係 〒060-0042札幌市中央区大通西12丁目 電話 011-272-1161
▽仙台防衛施設局総務部総務課人事係 〒983-0842仙台市宮城野区五輪1-3-15 電話 022-297-8209
▽名古屋防衛施設支局総務課人事係 〒460-0001名古屋市中区三の丸2-2-1 電話 052-952-8221
▽大阪防衛施設局総務部総務課人事係 〒540-0008大阪市中央区大手前4-1-67 電話 06-6945-4952
▽広島防衛施設局総務部総務課人事係 〒730-0012広島市中区上八丁堀6-30 電話 082-223-7105
▽福岡防衛施設局総務部総務課人事係〒812-0013福岡市博多区博多駅東2-10-7 電話 092-472-2321
▽那覇防衛施設局総務部総務課人事係 〒900-8574那覇市前島3-25-1 電話 098-868-0174

予備自衛官転地訓練に参加 愛媛県
予備自衛官陸曹長  竹内 語
チヌークに搭乗
 広島県海田市駐屯地への転地訓練参加、午前8時松山駐屯地出頭と言う事で夜が明けたばかりの自宅前を妻に見送られて車に乗り込もうとしていた。
 ちょうど、深夜便を終えて帰ってきた長女の車が帰ってきた。
 「お父さんこれから?行ってらっしゃい。がんばって!私も89式小銃射撃撃ちたいな。転地訓練行きたいけど…やはりね」
 長女はWAVE出身で予備陸士長。休みが合う年は一緒に参加してきた。今回は私一人での参加となった。妻と長女に見送られて夜明けの国道を一路松山駐屯地へ。
 駐屯地へ到着すると、電話で今回参加を約束していた懐かしい友と1年ぶりの再会。被服装備品を受け取り、身体検査を終え大隊長申告。午後の出発に備え昼食を食べて待機。1年ぶりの部隊食も妙に美味い。
 午後1時、小野演習場に移動してヘリの到着を待つ。HU1BやUH1Hの搭乗は初めて、今回の転地訓練を希望したのも、このチヌーク体験搭乗の期待は否めない。演習場北の山をかすめて、2機のチヌークが飛来、頭上を通過して遠く重信川上空で旋回し、高度を下げて演習場ヘリポートに着陸した。広島メンバーと入れ替わりにただちに搭乗、想像していたよりとても広い機内。離陸もUH1Hの前傾姿勢の離陸、左右ゆれの飛行と違って気がつかぬまの離陸と、パワフル急上昇、旅客機を思わせる安定した飛行に感心することしきり。ただ、軍用機の定め、話し声も聞こえない位の騒音は如何ともし難い。わずか、25分で瀬戸内海を飛び越えて海田市駐屯地に着陸。普通科46連隊に着陸、第3中隊先任陸曹の出迎えを受けてヘリポートに降りた。
 伝統ある海田市駐屯地さすがに広い、明日からのここでの訓練を楽しみに、外来宿舎に落ち着いた。
 訓練初日、射撃予習。楽しみにしていた、89式小銃と御対面。64式に比べ、一回り小ぶりに感じる、手に持っても、とても軽い、5.56ミリと言う口径も、64式で通してきた私達には目新しい。明日の実弾射撃が楽しみである。
 訓練2日目、トラックと高機動車に分乗して原村射撃場へ、高機動車に初めて搭乗したが、想像していたより乗り心地が良いのに驚いた。射場到着、ここはドーム型屋内射撃場、ドーム射場は30年前の現役時代でもあったが、設備されていた無人の採点システムには感心する事しきり。時代の流れをひしひしと感じた。肝心の成績はと言うと、メダルを戴いていた時代からだんだん遠ざかり、特に中間姿勢をとると、腹の辺りの贅肉が邪魔で息苦しいのが、如何ともし難い、情けない限りである。
 訓練3日目、職種訓練、普通科出身ゆえに89式小銃の分解結合、指導に当たってくれた助教が我が子くらいの年頃でなんとも親しみが持てる。
 「帰るまでに1人で分解結合出来るまでになって帰ってください。」と言われて、時間内に何とかマスターしたが、来年から松山駐屯地に出頭して、定年までに射撃するチャンスがあるかどうか?
 3日目を終えて夜は有志でささやかな打ち上げパーティー、これが毎年の一番の楽しみであるが。
 最終日は早朝からバタバタと片付けて午前8時ヘリポートに集合しチヌークに乗り込んだ。中隊長、小隊長、先任陸曹に搭乗口まで見送って頂いて離陸、この日は霧にけむる瀬戸内海を再び……3日間の回想に耽っていると、いつの間にか小野演習場の上空に、わずか5日間の演習場が懐かしく思えたのは私だけだろうか。駐屯地に帰って最後の昼食を戴き、見送りの拍手を受けて我が家への帰路に、また来年の出頭を誓いながら。

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