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   2002年12月1日号
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世界の絆 〜人と自然の調和〜
MARCHlNG FEST1VAL 2002 in 武道館
3万6千人が華やかな音楽演奏に感動
フィナーレは全出演者に加え観客も手拍子で参加
(11月22・23日、東京・日本武道館で
 11月22、23日と東京・日本武道館で自衛隊音楽まつり「MARCHING FESTIVAL 2002」が開催され、2日間の公演に36,000人を越える観客が訪れた。38回目を迎えた今回の音楽まつりは「世界の絆〜人と自然の調和〜」をテーマに、防衛庁陸・海・空自衛隊音楽隊、302保安中隊、自衛太鼓、防衛大学校儀仗隊に加え、在日米陸軍軍楽隊、そして今回初めて参加した米海軍第7艦隊軍楽隊と大韓民国空軍軍楽隊など総勢約1,000名が出演。約90分の公演時間の中でそれぞれが趣向を凝らした演出で観客を魅了した。23日の招待公演には、石破茂防衛斤長官が見学に訪れ「出演者の皆さんの演奏振りに感銘を受けました」と挨拶した。また、各公演開始前にはスポーツや音楽など芸術に親しんだ、11月21日に急逝した高円宮殿下に対して黙祷が捧げられた。
 302保安中隊の特別儀仗隊が入場し国歌演奏後、野中図洋和・陸自中央音楽隊隊長の指揮によるプロローグ「未来の風」でいよいよ年に一度の大演奏会が幕を開けた。まず第1部は「世界と日本」と題され、世間に広く知られた内外の名曲を陸自各方面音楽隊がそれぞれ演奏した。また、「コマンドマーチ」に合わせて行進する陸・海・空女性自衛官が人文字で「PEACE」と描いた。
 第2部は「自衛隊発・友好の絆」。青木凱征・海自東京音楽隊長の指揮により、米韓軍楽隊と自衛隊音楽隊の合同演奏。「シーパワーファンファーレ」を3カ国が息のあった演奏で見事に演奏し前半のクライマックスへとつないだ。第3部「人と自然の調和」で自衛太鼓が登場。それぞれ特徴ある独特のバチさばきで力を存分に発揮。まるで会場中が振動しているかのような迫力の演奏で観客を最後まで圧倒し続けた。
 第4部「音楽による世界の絆」では陸・海・空の自衛隊と外国の軍楽隊によるドリル演奏のコラボレーションが試みられた。海自東京音楽隊は見事なドリル演奏で「海自50周年記念ロゴマーク」も見事に作り上げた。初参加の米海軍第7艦隊軍楽隊はドラムの素晴らしい技で「マンゴカリエンテ」などを演奏すると、韓国空軍軍楽隊は、独特の衣装を身につけ、かぶった帽子から垂れた長いリボンを首の動きだけで見事に操る「サムルノリ」を披露。ステージを跳ね回りクルクルと回るリボンの動きに観客席からは驚嘆の声が上がり、またそのコミカルな動きには笑い声もあがった。
韓国は演奏の中で、あっと驚く伝統芸能の巧妙な技も披露
初参加の米第7艦隊のドラムには海自のステッカーも
 第5部「若者たちへ!感動による世界の絆」はこれまで演技支援隊として黒子を務めてきた第1施設団の紹介が行なわれた後、日本、韓国、アメリカの国旗が入場。高木義勝・航空中央音楽隊長指揮によるグランドフィナーレ「ラデッキー行進曲」で約90分にわたった公演は幕を閉じた。
 23日の招待公演に訪れた石破長官は公演終了後挨拶に立ち「『世界の絆』のテーマの通り米国、韓国と参加いただき国際色誠に豊かな音楽まつりとなり、その見事な音楽演奏を通じまして、3ケ国の相互理解と友好関係がさらに緊密なることを希望します」と述べた。
2階席からも押し寄せる迫力の自衛太鼓は
観客も巻き込み会場中を震わせた
<見学者の感想>
 ▽やっと当選して、おととし以来の見学です。やっぱり自衛太鼓が一番かっこよかった!!女性自衛官の迷彩服姿もなかなかでした。頑張ってほしいですね。(20代女性)
 ▽「感動しましたぁ〜」自分自身、吹奏楽をやっていますが、音楽ってすばらしいことを実感。私たちのために頑張ってくれている自衛隊に頭が下がります。(60代女性)
 ▽子供を連れて、家族で来ました。2才の子供は、太鼓に異常な反応を示して大喜び。私は珍しい韓国の芸と、防大生のファンシードリル、チアリーダーの明るさも良かった。また来年も絶対に見たい。(30代女性)
 ▽妻達の付き添いで来たが期待をはるかに越えるステージでした。最後のフィナーレでは、思わず一緒になって手拍子をしてしまい満喫した。統制のとれた演技はやはり自衛隊ならではですね。(50代男性)

韓国空軍軍楽隊、空自入間基地へ
来日した韓国軍楽隊
 防衛庁が主催する「自衛隊音楽まつり」に今年初めて出演する、韓国空軍軍楽隊が11月15日、指揮官、乗組員と共に韓国空軍機2機で来日した。
 埼玉県狭山市の航空自衛隊入間基地では、高野宏四郎中警団副司令はじめ、近藤義廣第2輸送航空隊司令、高木義勝航空中央音楽隊隊長ら100名を超える隊員、関係者が見守る中、午前11時20分、ほぼ予定時刻にCN235輸送機が到着。同機から、指揮官のシム・サンチョル空軍大佐ら乗組員が、続くC-130輸送機から、キム・ハクリョル空軍中佐以下47名の軍楽隊が次々と地上に降り立った。一行は、出迎えの拍手を浴び、日韓隊員同士、親しみをこめて肩をたたき合ったり、再会を喜んで握手を交わすなどの場面も見られた。
 その後、軍楽隊は都内の宿舎へ直行、シム大佐をはじめとする幹部クルー16名は午後より第2輸送航空隊の研修に参加。空輸ターミナル内でのブリーフィング、エプロン地区での記念撮影、C-1、U-4多用途支援機の見学が行われた。U-4の概要説明には、女性パイロット樫地一恵1尉も加わり花を添え、機内見学したシム大佐からのオートパイロット等の最新機能についての質問にもていねいに回答していた。

 「自衛隊音楽まつり」は11月22、23日、東京・九段の武道館で開催され、韓国からの参加は、一昨年の海軍軍楽隊に続いて2度目となる。当日は、ドリル演奏の他、日米との合同演奏を披露し軍楽隊らは24日帰国する。

佐藤政務官を各国軍楽隊長が表敬
各国代表が佐藤政務官室へ
 音楽まつりの開催に先立つ11月21日、参加する音楽隊の隊長が防衛庁で佐藤昭郎長官政務官を表敬訪問した。表敬したのは日本側から野中図洋和・陸自中央音楽隊隊長、青木凱征・海自東京音楽隊長、高木義勝・空自航空中央音楽隊長の3人。外国軍楽隊からはレフリンク在日米陸軍軍楽隊長、グラント米海軍第7艦隊軍楽隊長、大韓民国空軍軍楽隊キム中領が訪れた。
 まず日本側の3人が佐藤政務官にあいさつし、続いて外国軍楽隊の3人が挨拶をすると佐藤政務官は「明日は妻と行きますが、とても楽しみにしています。音楽隊を媒体に友好を深めたいと思います」と言葉を贈った。その後、記念品の贈呈が行なわれ、軍楽隊長が「素晴らしい演奏を約束します」と意気込みを語って表敬訪問を終えた。

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